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極私的新型コロナウイルス感染症情報(2021年7月29日) [仕事のこと]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

今日はクリニック周辺の新型コロナウイルス感染症の現況です。

ご存じのように東京では、
若年者の感染者が急増しています。

クリニックでのRT-PCR検査でも、
7 月15日くらいから陽性者が増え、
特に7月24日以降においては、
検査数自体は昨年末から今年の1月くらいと比べると、
かなり少ないのですが、
陽性率は50%を超えるような状態が続いています。

報道にもありますように、
30代以下の感染者が圧倒的に多く、
クリニックで確認された60代以上の感染者は、
7月は1人もいません。

東京都内においても、
発症にはかなり山谷があると思うのですが、
今現在で言うと品川周辺は、
これまでのピークを越えている印象です。

症状も変化している印象はあって、
30代以下の発症では、
発熱も微熱程度か、高熱は1日くらいのことが多く、
熱が落ち着いてから咳が始まって、
だるさは1から2週間は継続するという感じが典型的です。
初期から頭痛が強いのは、
割合と今も特徴的かと思います。

それが40代から50代での感染になると、
高熱の持続するケースが多くなり、
咳込みも強く、寒気や関節痛も持続して、
かなり重症感の強い事例が多くなります。

これも報道にもありますように、
10代から30代くらいで軽症の感染が爆発的に流行し、
殆どは軽症のまま終わるのですが、
それが上の世代に感染して、
重症化するという図式です。

昨年の時点では明らかに小児の感染は少なかったのですが、
最近は1から2歳でも当たり前に陽性になります。

このように、
同じ病気でありながら、
症状も変化すれば年齢分布も変化する、
と言う点がこの病気の非常に厄介なところで、
定期的に患者さんを診ていないと、
新型コロナかどうかの判断は、
不可能と言って過言ではありません。

端的に言えば、
今品川周辺で、
10代から30代くらいの風邪症状、
特に熱が1日出たけど、すぐに微熱になったよ、
咳が出て少し頭がいたいけど、
これコロナじゃないよね?
というような症状は、
ほぼ全てコロナと考えて、
大きな間違いはありません。

陽性率が高くて検査数が少ないのは、
そもそも軽い症状で元気は元気なので、
その世代の人は余程でないと、
病院を受診したりはしないのですね。
受診する場合の多くは、
会社や学校で「検査を受けろ」と言われたり、
帰省するので必要になった、
というような場合が殆どで、
それ以外は、
クリニックに平気でぶらりと、
「ただの風邪なので診て下さい」
と受診される感じです。

現状そうした患者さんを、
他の患者さんと一緒に診る訳にはいかないので、
その対応には本当に苦慮しています。

2階で発熱者の診察をしていて、
そうした患者さんがぶらりと来られると、
発熱者は事前に時間を決めて頂いているので、
外で一旦待って頂いて、
合間を縫って2階に案内する、
という感じに対応しないといけません。

それが重なってしまうと、
本当に呆然としてしまうしかありません。

どうかどうか、風邪の症状で受診される際は、
まず電話で事前に連絡をお願いします。

それは切に切にお願いしたいところですし、
上記のような風邪症状は、
かなりの確率で新型コロナなので、
軽症であっても、
そのつもりで生活をして頂きたいと思います。

保健所もてんてこ舞いの状態で、
濃厚接触者の補足も間に合っていませんし、
入院もホテルも一杯で、
多くの方が自宅待機か自宅療養、
という現状は変わっていません。

陽性の届け出を保健所に出しても、
患者さんに連絡が行くのは2日後、
というようなケースが最近2例あり、
担当者にお聞きすると、
もう1日中電話を掛け続けているけれど、
とても間に合っていない、というお話でした。

7月中旬から、ようやくゲノム解析の結果も、
クリニックに報告されるようになり、
変異株の状況も少しずつ明らかになってきています。
現状クリニックでの検査では、
3分の1程度がデルタ株という感じです。

そんな訳で色々なご意見も方もいると理解していますが、
現状は保健所も医療機関も、
手一杯で手詰まりの状態であることは間違いがなく、
上記のような今の風邪症状は、
高い確率でコロナなのだよ、という考えのもとに、
極力感染を広げないための方策を、
最低限取って頂きたいと切に願います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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