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モデルナ社新型コロナウイルスワクチンの遅発性局所性過敏症反応 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
モデルナワクチンの皮膚病変.jpg
JAMA Dermatology誌に、
2021年5月12被ウェブ掲載された、
モデルナ社の新型コロナウイルスワクチンに特徴的な、
皮膚症状についての論文です。

モデルナ社の新型コロナウイルスワクチンは、
ファイザー・ビオンテック社と同じmRNAワクチンで、
日本でも国主導の集団接種において、
その使用が開始されています。

このワクチンの有効性や安全性は、
ファイザー・ビオンテック社製ワクチンと、
ほぼ同等と考えられていますが、
モデルナのワクチンに比較的特徴的な副反応として、
接種後少し遅れてから生じる、
アレルギー性の皮膚反応が報告されています。

これは以前2021年3月のthe New England Journal of Medicine誌に、
解説記事が発表されていて、
それについては発表の時点でブログ記事にしています。

そこでは、
こうした遅延性アレルギー反応は、
初回接種の0.8%で報告されていて、
そのうちの12例が解説されていました。

今回の論文では、
前述とは異なるアメリカの単独施設において、
報告された16事例がまとめられています。

16事例のうち、
81%に当たる13例は女性で、
14名は白人種で2名はアジア人種です。
16名のうち13名は医療従事者です。
今回のモデルナワクチン接種以前にも、
ワクチン接種後の皮疹が認められたのは1名のみでした。
15名は初回接種時に病変が出現しています。
初回ワクチン接種後、
中間値で7日後に、
接種部位周辺にかゆみや痛みを伴う、
限局性の皮疹が出現し、
皮疹は中間値で5日間持続して改善しました。
ただ、3週間持続したケースも認められました。

16名中2回目の接種後に同様の皮疹が出現したのは12名で、
接種後中間値で2日で症状は出現していました。

つまり、
1回目の接種では1週間ほどしてから、
皮疹が出現していますが、
2回目の接種ではそれよりずっと早く、
症状が出現しています。

皮膚の生検を施行すると、
血管周囲に強いリンパ球と好酸球主体の炎症が認められ、
遅延性過敏症反応に合致した所見でした。

典型的な事例の画像をお示しします。
モデルナワクチンの皮膚病変の画像.jpg

このように、
モデルナ社の新型コロナウイルスワクチン接種後に、
初回接種後1週間程度経ってから、
かゆみや痛みを伴うアレルギー性の湿疹が出現し、
それが5日程度持続することがあります。
通常軽症であるので大きな問題はありませんが、
時に3週間持続するような事例もあるので、
そうした現象があるという認識は、
持っておく必要がありそうです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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