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GI(グライセミック・インデックス)と心血管疾患リスク [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は終日レセプト作業の予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
GIと心血管疾患リスク.jpg
the New England Journal of Medicine誌に、
2021年2月24日ウェブ掲載された、
グライセミック・インデックスという糖質の吸収の指標と、
心血管疾患リスクとの関連についての論文です。

同じカロリーで同じ量の糖分を含んでいても、
それを食べた後の血糖値は、
高い場合とそれほど高くない場合があります。

ブドウ糖を摂った場合を100とした時に、
その食品を摂った時に糖分がどのくらい吸収されるのかを、
数値化したものをグライセミック・インデックスと呼んでいます。
略してGIです。
(何を基準にするかについては定義により様々です)

白いパンは71と高GI食品ですが、
これがライ麦パンでは50と低GI食品になります。
(これも別の基準値も存在しています)

つまり、同じパンで同じカロリーでも、
白いパンの代わりにライ麦パンを食べると、
それだけ食後の血糖値は上がり難いということになります。

この理由はライ麦パンの方が食物繊維などを多く含んでいるので、
それだけ糖質の吸収が緩やかになるため、
と説明されます。

食事においてなるべく高GI食品を避け、
それを低GI食品に切り替えるようにすると、
摂取カロリーは同じでも糖尿病の予防になることは、
ほぼ間違いのない事実として認められています。
ただ、高GI食品を避けることで、
他の心血管疾患のリスクの低下や、
生命予後の改善に結び付くのか、
と言う点については、
大多数のデータが欧米のものなので、
たとえばアジアや中東、アフリカなどの地域においても、
同じことが成り立つのかどうかは不明でした。

そこで今回の研究では、
カナダ、スウェーデン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、
アルゼンチン、ブラジル、チリ、中国、コロンビア、イラン、
マレーシア、パレスチナ、ポーランド、南アフリカ、トルコ、
バングラデシュ、インド、パキスタン、タンザニア、ジンバブエ、
の世界5大陸20か国で、
35から70歳の一般住民137851名を登録し、
食事調査でGI値を計測して、
中間値で9.5年の経過観察を施行しています。

この場合のGIは各食品を平均化して重み付けをし、
白いパンを100として算出されています。
その結果をGIにより5分割して比較を行なっています。

その結果、
最も高GIの食事をしている群は最も低GIの食事群と比較して、
心血管疾患の発症と死亡を併せたリスクが、
心血管疾患の既往のある人では1.51倍(95%CI:1.25から1.82)、
既往のない人では1.21倍(95%CI:1.11から1.34)、
それぞれ有意に増加していました。

このように世界的に見ても大きな地域差なく、
高GIの食事が心血管疾患のリスクとなっていることは、
ほぼ間違いのない知見で、
高GIの食品を低GIの食品にシフトしてゆくことが、
糖尿病や心血管疾患のリスクを低下させるために、
重要であることも間違いがないようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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