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イスラエルにおける新型コロナウイルスワクチンの有効性(第1報) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
COVID19のイスラエルでの有効性.jpg
the New England Journal of Medicine誌に、
2021年2月24日ウェブ掲載された、
ファイザー社などによる新型コロナウイルスワクチンの、
イスラエルでの実際の接種の有効性を、
短期的なものですが解析した論文です。

現在少しずつ、
新型コロナウイルスワクチンの医療従事者への接種が、
日本でも開始されています。

現状接種されているのは、
ファイザー社/ビオンテック社によるmRNAワクチンですが、
このワクチンの症状のある感染に対する有効性は、
約95%と報告されています。

ただ、これは敢くまで臨床試験の結果です。
実際に一般の多数の人に接種をした場合の有効性は、
また別であるという可能性もあるのです。

イスラエルでは先行して新型コロナウイルスワクチンの、
一般住民での大規模な接種が行われています。

今回のデータはそのイスラエルにおいて、
2020年12月20日から2月1日までに接種が終了した、
トータル596618名の一般住民を、
条件をマッチングさせた596618名の非接種者と、
1対1で比較しているものです。
観察期間は中央値で15日間ですから、
短期の有効率のみを見たものです。

その結果、
未接種者と比較したワクチン接種者の、
報告された新型コロナウイルス感染症の発症リスクは、
1回目のワクチン接種から14日から20日後で46%(95%CI:40から51)、
2回目のワクチン接種から7日後以降で92%(95%CI:88から95)、
それぞれ有意に低下していました。
この結果は無症状の感染も含んでいます。

未接種者と比較したワクチン接種者の、
有症状の報告された新型コロナウイルス感染症の発症リスクは、
1回目のワクチン接種から14から20日後で57%(95%CI:50から63)、
2回目のワクチン接種から7日後以降で94%(95%CI:87から98)、
それぞれ有意に低下していました。

重症の新型コロナウイルス感染症の発症リスクは、
同様に62%と92%、
入院のリスクは同様に74%と87%、
こちらもそれぞれ有意に低下していました。

このように有症状の新型コロナウイルス感染症の発症リスクを、
94%低下させているという実臨床のデータは、
ほぼ臨床試験に一致しているもので、
このワクチンの高い有効性が裏付けられた、
と言って良いものです。

1回の接種後にも限定的ではありますが、
既に有効性は認められており、
特に入院や重症化のリスクについては、
比較的早期から有効となる可能性が高いと想定されます。

これは変異ウイルスでも同様の効果、
ということではなく、
かつ1か月以内程度という、
非常に短期の結果のみをみている、
という点には注意が必要ですが、
まずは臨床試験と同等の有効性が認められたことは意義のある知見で、
後は今後のより長期の結果の発表を待ちたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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