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高齢者のマスク装着と酸素飽和度の変化について [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
マスクと酸素濃度.jpg
JAMA誌に2020年10月30日にウェブ掲載されたレターですが、
現在問題になることの多い、
高齢者のマスク装着による呼吸状態の変化についての内容です。

公共の場で漏れなくマスクをすることは、
新型コロナと共存する今の生活にとっては、
ほぼ常識と言って良い習慣となりました。

そこで問題となるのは、
マスクを常に付けていることによる、
息苦しさです。

通常心肺機能が安定している健康な人であれば、
マスクが呼吸状態に影響を与えることはありません。

ただ、呼吸機能が低下しているような高齢者では、
マスクによる影響は否定は出来ません。

そこで今回の小規模な研究では、
安静時に血液の酸素濃度が低下しているような病気のない、
65歳以上の高齢者25名を対象として、
マスク使用前と使用中、そして使用後に、
血液の酸素濃度を反映する動脈血酸素飽和度を測定して、
その変化を検証しています。

その結果、酸素飽和度の平均は、
マスク使用前で96.1%、使用中で96.5%、
使用後で96.3%で有意な変化は認められませんでした。
マスクは3層構造の不織布マスクが使用されています。

心肺機能などに問題を持つ人のマスク使用については、
今後も検証が必要ですが、
健常な高齢者のマスク使用については、
当面大きな問題はないと考えて良いようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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