SSブログ

ねずみの三銃士「獣道一直線!!!」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
獣道一直線.jpg
新しいパルコ劇場の開幕公演の一環として、
古田新太さん、生瀬勝久さん、池田成志さんという、
いずれ劣らぬ実力派の怪優がトリオを組み、
クドカンの脚本と川原雅彦さんの演出で上演する企画、
ねずみの三銃士の新作公演が、
今上演されています。
今回は3人以外にクドカン自身と、
池谷のぶえさん、山本美月さんが華を添えます。

僕はこれまでの公演のうち、
2回は観ていますが、
いつも実際に起こった猟奇的な事件がベースにあり、
それをメタフィクション的に再現しよう、
というような作品であることは一貫しています。
回を重ねる毎にスケールアップし、
観客サービスやお遊びの趣向の部分が拡大、
グロテスクでブラックな部分と笑いの部分が、
微妙にブレンドしたような作風になっています。

今回はそうですね、
僕が観た中では最も面白くて、
これまでの集大成的な作品と言って良いと思います。

最初にメインの3人が、
それぞれほぼ素の役者として登場し、
コロナ禍で役者のリハビリをする、
というような話になり、
その一環として、
実際の事件をモデルとした、
魔性の女による保険金殺人事件を、
再現する段取りになります。
その再現ドラマの監督がクドカンで、
その身重の妻が山本美月さんです。
そして保険金殺人で逮捕された、
魔性の女を池谷のぶえさんが演じていますが、
山本さんと池谷さんが入れ替わるという仕掛けがあり、
事件の関係者と役者が入れ替わるという仕掛けもあって、
構造は結構複雑で小劇場的です。
途中では山本さんがアイドルを演じるというサービスもあり、
山本さん以外の5人はいずれ劣らぬ手練れなので、
その演技合戦が一番の魅力です。

今回は池谷さんメインと言って良いのですが、
だいぶ以前より細身になった池谷さんが、
そのテンションは以前通りか、
以前に増してスケールの大きな大暴れを見せ、
そこがしっかり核になって、
中年の演劇怪獣達がそこに絡むので、
バランスの良い感じになったのが、
今回の一番の成功かな、という気がします。

僕自身は古田さんびいきなので、
古田さんが元気に目立っているのが嬉しく、
アル中の役柄で実際にもその傾向はありそうなので、
ちょっと心配はしながら堪能しました。

新装なったパルコ劇場は今回初めて訪問しましたが、
以前より倍くらいの大きさの劇場になっていて、
雰囲気は同じですが、
小劇場というより中劇場という規模になりました。
舞台からの距離が長くなったのはちょっと残念ですが、
通路などの幅が広く、段差もあるので、
以前より見やすい劇場にはなっていると思います。
感染防止という観点からは、
詰め込み過ぎの小劇場は多分今後は成立しないので、
結果としては時代に合った改装になった、
というように思います。

以前のパルコ劇場はエレベーターでしか入場出来ず、
それで混雑するのが一番のストレスだったのですが、
新装されたビルでは、
エスカレーターでも入場可で、
下りは広い外階段が遊歩道のようについているので、
そこから外に出られるという点も好印象です。
客席は最前列はつぶしていましたが、
それ以外はほぼ全席が販売されているようでした。
ここは飲食も可ですね。

演劇も少しずつ以前に戻って来ていますが、
個人的には完全に元に戻ることはなく、
特に小劇場がそのままの形で残ることは、
まずありそうにないことのように思います。
それでも僕は小劇場を愛しているので、
当面あまり感染リスクの高い場所には、
足を踏み入れることはありませんが、
その動静は出来る範囲で把握はしていたいと思っています。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
nice!(6)  コメント(0)