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インフルエンザワクチンがない! [仕事のこと]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。

それでは今日の話題です。

今日は身辺雑記的な話です。

インフルエンザワクチンが入荷しません。

クリニックではインフルエンザワクチンは、
医療品卸会社を通じて納入されます。
メーカーからの直売は許されません。
充分に在庫のある商品であれば、
必要な数を注文してそれが入荷されるのを待てば良いので、
何も問題もありませんが、
インフルエンザワクチンに関しては、
毎年非常なストレスが待っています。

注文を出しても、
その本数が入って来ることはありませんし、
何日までに納入をお願いしますと言っても、
その通りになることもありません。
50本のワクチンを注文したのに、
何の説明もなく5本しか入って来ないということもありますし、
希望日には全く入荷はなく、
1週間後にようやく半分入荷した、
というようなこともあります。

こんな状況があるので、
卸の担当者に直接会って、
その年のワクチンが流通する前に、
「今年は○○本が必要になりそうです」
という話をしておいて、
その本数を確保してもらうように交渉することになるのです。

ただ、毎年その交渉も一筋縄では行きません。

特に今年に関しては、
全くこちらの事情を聞いてもらえない、
という状況が続いていて、
10月中に老人ホームの入所者と職員の接種を、
開始しないといけないのですが、
それに必要な160本ほどのワクチンが、
とても工面出来そうにない、
という絶望的な状況となっています。

今年に関しては担当者から、
「昨年の分は最低限確保する」という話はあったのです。
その上でAというメーカーのワクチン70本を、
9月中に納入、というようなメモを渡されたのです。
それから10月の間にBのメーカーのワクチンを何本、
11月上旬までに残りのワクチンを納入、
というようなプランのメモです。

これを信じて、ワクチン接種のスケジュールを組んだのですが、
それがそもそもの誤りでした。

それとは別にメーカーAの担当者に話を聞きました。
すると今年はトータルでは13%、
昨年よりワクチンを増産しているという話があり、
通常は10月に4割、11月に4割、12月に2割を出荷しているが、
今年についてはそれを1ヶ月近く前倒ししている、
というような説明がありました。
最初の出荷は9月の17日頃にあり、
19日くらいには卸に入る予定なので、
次の週の初めにはクリニックへ入荷されておかしくはない、
というように説明を受けました。
10月には基本的に毎週ワクチンの検定があり、
週終わりには卸には納入される予定だ、
というのです。

この情報を得た上でワクチンを待ちました。
しかし、9月の26日になってもワクチンは入荷しません。
担当者に連絡するとメーカーからの入荷が遅れている、
という返事です。

本当だろうか、と疑問に思いました。
結局最初の入荷があったのは9月29日のことで、
10月1日の接種ギリギリです。
それでも最初の説明通り入荷しているなら、
「色々頑張って調整してくれたんだろうな」と思うところですが、
予定されたメモの半分しか入荷はなく、
メーカーAの70本はまるまる入荷しませんでした。

そのことを担当者に言うと、
別に「申し訳ありません」と言うことはなく、
「入荷がいつもより遅れているみたいです。
ひょっとしたら検定が落ちてしまったのかも知れませんね」
と他人事のようなことを言うだけでした。

確かに作られて出荷を待っていたワクチンが、
検定で不承認となり、出荷が見送りになる、
ということがあることは知っています。

毎年予定されたワクチンが入荷しないと、
必ず「検定落ち」のような説明がされていたので、
本当にそんなことがたびたびあるのだろうか、
という点については疑問に思っていました。

それでAメーカーの方に直接お聞きすると、
矢張り検定落ちなどはしていない、
という返事でした。
卸の担当者の言ったことは口からでまかせだったのです。

問題は予定の70本が一体何処に消えてしまったのかです。

おそらく、他の医療機関に納入されてしまったのだろうな、
ひどいな、とは思いましたが、証拠はありません。

その後ワクチンは、
依頼したよりかなり少ない量で、
納入はされましたが最初のメモとは、
比べものになりません。

そして、決定的なことが数日前に起こりました。
初めてAメーカーのワクチンが4本のみ納入されたのですが、
そのロットは9月のうちに最初の出荷されたものでした。
つまり、本来9月に納入される筈だったワクチンのごく一部が、
多分返品なのかどうか、
戻って来たという訳です。
担当者の説明は「今週入荷したワクチンを何とか確保しました」
という嘘で塗れたものでした。

ワクチンが前倒しで出荷されていることは、
何度もメーカーの方に確認しているのですが、
卸の担当者に「何故ワクチンが予定通り入らないのか?」と聞くと、
「出荷が遅れているようです」と真逆の答えが返って来ます。
都合が悪くなると何度電話をしても居留守を使います。
11月のいつに次のワクチンが入荷するのかと聞いても、
「それはメーカーの都合なので分かりません」と言うだけです。
全て嘘なのです。
メーカーはきちんとスケジュール通りに出荷していて、
それは予定通り卸には納入されているのです。
問題はそこでワクチンが「卸」という名前のブラックボックスに吸い込まれ、
こちらに届かなくなってしまうだけのことです。
ワクチンがないならないで、
その通りに言ってくれれば問題は起こらないのですが、
あやふやな説明しかなく、
最初は期待を持たせるようなことを言い、
それにも嘘が散りばめられているので、
混乱に拍車が掛かるだけなのです。

何故こんな不合理な仕組みがまかり通っているのでしょうか?

公的な商品であるワクチンの流通が、
こんなブラックボックス経由で良いのでしょうか?
いや良い筈がありません。

今年は前述にように老人ホームの接種者が多く、
その分は絶対に確保しないといけないのですが、
このままだとそれは不可能なまま、
流行期に突入してしまいそうです。

誰か何とかしてくれないでしょうか?

毎日妻と顔をつきあわせ、
絶望と怒りに身体を震わせているのです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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