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「ベイジルタウンの女神」(ケラの新ユニット) [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ベイジルタウンの女神.jpg
ケラさんが緒川たまきとの新ユニット、
ケムリ研究所を立ち上げて、
その第一回公演が今世田谷パブリックシアターで、
上演されています。

キャストは犬山イヌコさんや山内圭哉さんなど、
お馴染みの顔ぶれに、
吉岡里帆さんなどフレッシュなスターも加わります。

ケラさんのお芝居は、
ナンセンスコメディからシチュエーションコメディ、
SFファンタジーから純文学系まで、
非常に幅広く観るまで油断がならないのですが、
今回は名作「キネマと恋人」の系統の、
ハートウォーミングなコメディで、
あこがれに満ちていた時代のアメリカを舞台に、
大金持ちの女社長を緒川たまきさんが演じ、
彼女がスラムの再開発のために、
1ヶ月誰の助けもなくスラムで暮らす、
という無謀な賭けをするという、
如何にもハリウッドの昔のコメディ、
というようなスタイルの物語。
「キネマと恋人」には「カイロの紫のバラ」という、
元ネタがありましたが、
今回のものはオリジナルだと思います。
(おそらく…)

上演時間は休憩の15分を挟んで3時間半。
いつもながら長いなあ、とは思いますが、
話はシンプルでキャストも魅力的なので、
そう肩が凝らずに最後まで観ることが出来ました。

緒川さん演じる女社長と、
かつてその小間使いであった、
高田聖子さん演じる幼なじみのライバル社長との、
過去のいきさつが作品の肝になるこころなどは
如何にもケラさんの世界なのですが、
それ以外にあまり個性的な設定などはなく、
かなり予定調和的な世界が展開されるので、
ストーリーはケラ作品としては弱いな、と感じました。

キャストは座長の緒川たまきさんと、
癖のあるその婚約者を演じた山内圭哉さんが良く、
他のキャストは書き込みも薄めで、
キャラとして弱い印象です。
豪華キャストの割に勿体ないとも感じました。
特に人気者の吉岡里帆さんは、
本当のちょい役でそれもきちんと演じているとは、
言い難い出来でした。

演出は映像の使い方などはさすがのクオリティですが、
それほど目新しさはなく、
舞台効果はトータルにそれほど高いものではありませんでした。

そんな訳でケラさんとしては、
ややコロナ禍の後の肩慣らし的な舞台かな、
という感じでしたが、
徐々に本格始動に移行することを期待したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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