SSブログ

「インセプション」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
インセプション.jpg
2010年制作のヒット作「インセプション」が、
クリストファー・ノーラン監督特集の一環として、
アイマックスでリバイバル上映されました。

僕はこの映画が封切られた頃は、
殆ど映画を観ていなかったので、
スクリーンで観るのは今回が初めてです。

ノーラン監督は「メメント」の迷宮のような技巧的世界が、
非常に印象的で面白かったので、
どうしてもその世界を個人的には期待してしまうのですが、
どちらかと言えば即物的で力押しのアクション描写が、
最近の映画ではむしろ売りなのかなあ、
という印象もあります。

その中ではこの「インセプション」は、
雰囲気的には夢を利用して考えを植え付ける、
というSF的なアイデアと、
何層構造もの夢の表現など、
その技巧的な雰囲気が、
これは「メメント」の再来ではないかしら、
という気配があって、
「メメント」をグレードアップしたような作品になることを、
期待しつつ劇場に足を運びました。

観た後の感想としては…

うーん。
正直期待したほど面白くはなかったですね。

3層構造の夢に入り込むというお話になっているのですが、
その夢というのが、
一番上の階は普通の町で、
1つ下の階はただのホテルで、
一番下の階は雪山の要塞みたいな病院(?)なんですよね。
夢なんだから、もっと幾らでも面白いビジュアルが成立しそうなのに、
なんでこんなに平凡な設定にしてしまったのかしら?
「インセプション」と言うと、
町が幾何学的に折り畳まれるようなビジュアルが有名でしょ。
でも、そうした超自然的な場面は、
前半にちょこっとあるくらいなんですよね。
本筋の夢に侵入して思考を変える、というお話に入ると、
普通のアクションシーンみたいなものが連続するだけです。
おまけにクライマックスは3カ所の同時進行になるので、
細切れの場面がひたすら続くだけで、
とても盛り上がるという感じになりません。

ノーラン監督の映画の、
これは1つの特徴と言って良いように思うのですが、
盛り上げておいて、
肝心のところで決定的なカット、
それがないと、と思える様なカットを、
省いてしまうでしょ。
この映画でも夢の階層をまたぐところとか、
何かそれを示すような絵が必要だと思うのに、
それをやらないですよね。
最後にディカプリオが現実に戻るところも、
その前に渡辺謙が自殺しないといけないのに、
それをやらないでしょ。
ここまで来ると、技術的な問題じゃなくて、
監督のこだわりなのだろうなあ、とは思うのですが、
そのこだわりにはいつも納得が出来ません。

それから今回の上演は、
アイマックスは画像が粗くて駄目でしたね。
ただ、大きく拡大しただけ、という感じでした。

そんな訳で期待が大きすぎたのかも知れません。

やや落胆して映画館を後にしたのですが、
後でもう一度テレビで見直してみると、
まあかなり考え抜かれた、
面白い映画ではあるように思いました。
元々好きなジャンルなので、
僕の求めているイメージが、
期待として先行してしまったような気もします。

映画も難しいですね。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

下記書籍発売中です。
よろしくお願いします。

実年齢56歳、血管・骨年齢30代の名医が実践!  コーヒーを飲む人はなぜ健康なのか?

実年齢56歳、血管・骨年齢30代の名医が実践! コーヒーを飲む人はなぜ健康なのか?

  • 作者: 石原 藤樹
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2020/07/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


nice!(4)  コメント(0)