新型コロナウイルスの乳汁移行について [医療のトピック]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は少し積み上がった事務仕事に当てる予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
JAMA誌に2020年8月19日ウェブ掲載されたレターですが、
出産直後に新型コロナウイルスに感染した18名の女性において、
乳汁中のウイルスの有無を検査した内容です。
新型コロナウイルス(SARS-CoV2)が、
感染している産褥期の女性の乳汁に分泌され、
それが新生児や乳児の感染に繋がるかどうか、
という点については、
妊娠前後の女性が感染したケースでは、
その管理の上で大きな問題となる事項です。
以前報告された24のケースレポートでは、
4人の感染女性の乳汁の10の検体から、
RT-PCRで陽性が確認された、
という結果になっていました。
つまり、授乳からの感染もあり得るという結果です。
ただ、RT-PCRの陽性は、
必ずしも感染力のあるウイルスが、
乳汁中にあるということを示していません。
また、乳汁は皮膚の分泌物や唾液などで汚染されやすく、
それが混入したという可能性も否定は出来ません。
今回の研究はアメリカの病院において、
18名の新型コロナウイルス感染症と診断された授乳女性に、
時期を変えて64の乳汁のサンプルを採取し、
RT-PCR検査でウイルスRNAの有無を確認しています。
その結果、
1検体のみが陽性となり、
それは症状出現当日のものですが、
その前後の検体は全て陰性で、
陽性の検体でもウイルスの培養には成功しませんでした。
乳汁に人為的にウイルスを混合して低温殺菌すると、
ウイルス遺伝子は検出されなくなりました。
このように、
乳汁中に新型コロナウイルスが認められることは稀で、
仮に検出されてもそこから感染可能性は低く、
低温殺菌で処理することにより、
安全に使用可能であると考えられます。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
下記書籍発売中です。
よろしくお願いします。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は少し積み上がった事務仕事に当てる予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
JAMA誌に2020年8月19日ウェブ掲載されたレターですが、
出産直後に新型コロナウイルスに感染した18名の女性において、
乳汁中のウイルスの有無を検査した内容です。
新型コロナウイルス(SARS-CoV2)が、
感染している産褥期の女性の乳汁に分泌され、
それが新生児や乳児の感染に繋がるかどうか、
という点については、
妊娠前後の女性が感染したケースでは、
その管理の上で大きな問題となる事項です。
以前報告された24のケースレポートでは、
4人の感染女性の乳汁の10の検体から、
RT-PCRで陽性が確認された、
という結果になっていました。
つまり、授乳からの感染もあり得るという結果です。
ただ、RT-PCRの陽性は、
必ずしも感染力のあるウイルスが、
乳汁中にあるということを示していません。
また、乳汁は皮膚の分泌物や唾液などで汚染されやすく、
それが混入したという可能性も否定は出来ません。
今回の研究はアメリカの病院において、
18名の新型コロナウイルス感染症と診断された授乳女性に、
時期を変えて64の乳汁のサンプルを採取し、
RT-PCR検査でウイルスRNAの有無を確認しています。
その結果、
1検体のみが陽性となり、
それは症状出現当日のものですが、
その前後の検体は全て陰性で、
陽性の検体でもウイルスの培養には成功しませんでした。
乳汁に人為的にウイルスを混合して低温殺菌すると、
ウイルス遺伝子は検出されなくなりました。
このように、
乳汁中に新型コロナウイルスが認められることは稀で、
仮に検出されてもそこから感染可能性は低く、
低温殺菌で処理することにより、
安全に使用可能であると考えられます。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
下記書籍発売中です。
よろしくお願いします。
実年齢56歳、血管・骨年齢30代の名医が実践! コーヒーを飲む人はなぜ健康なのか?
- 作者: 石原 藤樹
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2020/07/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)