新型コロナウイルス感染症の皮膚所見 [医療のトピック]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は夏季休診でクリニックは休診ですが、
訪問診療などには出掛ける予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
2020年のDermatologic Therapy誌に掲載された、
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の皮膚病変についての論文です。
新型コロナウイルス感染症は多彩な全身症状を示し、
その中には多彩な皮膚症状も報告されていますが、
どのような皮膚症状が多いのか、
などの詳細はあまり明確にはなっていません。
今回の論文はトルコのイスタンブールの単独施設(病院)において、
210名の新型コロナウイルス感染症の入院患者を対象に、
皮膚病変の頻度と種類を観察しています。
患者のうち47名は入院中に集中治療室で管理されています。
患者のうち52名には何からの皮膚病変が認められました。
一番多かったのは手の接触皮膚炎で、
これは32.7%に認められました。
感染予防のため頻回に手を洗うことによるものの可能性が高く、
新型コロナウイルス感染との関連は低いと思われます。
次に多かったのは主に体幹に多い斑状の皮疹です。
その実例がこちら。
新型コロナウイルス感染症のみならず、
ウイルス感染で良く見られる皮疹です。
13.5%に見られたのが蕁麻疹で、
全身に見られるのが特徴です。
その実例がこちら。
7.7%に見られたのが下肢に多い出血斑です。
その実例がこちら。
これは血小板数や凝固機能とは無関係でした。
同じく7.7%に見られたのが血流障害による壊死で、
これは重症の事例に合併し易い血栓症や凝固障害の、
1つの現れと考えられます。
その実例がこちら。
これは凍傷に近いような病変です。
今回の検証では、
皮膚病変が見られる事例は、
重症化のリスクも高まると解析されています。
新型コロナウイルス感染症に伴う皮膚病変の意味は、
まだ明確なものではありませんが、
重症の事例に多いという知見もあることから、
皮膚病変のあるケースでは、
より慎重にその経過をみる必要がありそうです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
下記書籍発売中です。
よろしくお願いします。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は夏季休診でクリニックは休診ですが、
訪問診療などには出掛ける予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
2020年のDermatologic Therapy誌に掲載された、
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の皮膚病変についての論文です。
新型コロナウイルス感染症は多彩な全身症状を示し、
その中には多彩な皮膚症状も報告されていますが、
どのような皮膚症状が多いのか、
などの詳細はあまり明確にはなっていません。
今回の論文はトルコのイスタンブールの単独施設(病院)において、
210名の新型コロナウイルス感染症の入院患者を対象に、
皮膚病変の頻度と種類を観察しています。
患者のうち47名は入院中に集中治療室で管理されています。
患者のうち52名には何からの皮膚病変が認められました。
一番多かったのは手の接触皮膚炎で、
これは32.7%に認められました。
感染予防のため頻回に手を洗うことによるものの可能性が高く、
新型コロナウイルス感染との関連は低いと思われます。
次に多かったのは主に体幹に多い斑状の皮疹です。
その実例がこちら。
新型コロナウイルス感染症のみならず、
ウイルス感染で良く見られる皮疹です。
13.5%に見られたのが蕁麻疹で、
全身に見られるのが特徴です。
その実例がこちら。
7.7%に見られたのが下肢に多い出血斑です。
その実例がこちら。
これは血小板数や凝固機能とは無関係でした。
同じく7.7%に見られたのが血流障害による壊死で、
これは重症の事例に合併し易い血栓症や凝固障害の、
1つの現れと考えられます。
その実例がこちら。
これは凍傷に近いような病変です。
今回の検証では、
皮膚病変が見られる事例は、
重症化のリスクも高まると解析されています。
新型コロナウイルス感染症に伴う皮膚病変の意味は、
まだ明確なものではありませんが、
重症の事例に多いという知見もあることから、
皮膚病変のあるケースでは、
より慎重にその経過をみる必要がありそうです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
下記書籍発売中です。
よろしくお願いします。
実年齢56歳、血管・骨年齢30代の名医が実践! コーヒーを飲む人はなぜ健康なのか?
- 作者: 石原 藤樹
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2020/07/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)