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新型コロナウイルス感染症の年齢とウイルス量 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
コロナウイルスの小児のウイルス量.jpg
JAMA Pediatrics誌に2020年7月30日ウェブ掲載された、
新型コロナウイルスの上気道のウイルス量と、
年齢との関連についての論文です。

新型コロナウイルス感染症は流行の初期には、
小児への感染は極めて稀で、
重症化も殆どない、とされていました。
小児同士の感染や小児から大人への感染も、
何故か起こりにくいと考えられていました。

しかし、その後の研究により、
小児の感染自体は決して稀ではなく、
多くが軽症で推移すること自体は間違いがないのですが、
感染を周辺に拡大する要因となることは、
否定出来ないというように理解は変わってゆきました。

その上気道のウイルス量についても、
当初は少ないという見解がありましたが、
最近ではむしろ小児では多いというデータも、
複数報告されるようになっています。

今回の研究はアメリカ、シカゴの小児病院が主体のものですが、
生後1ヶ月から65歳の145名の新型コロナウイルス感染症の患者を、
その年齢を5歳未満、5歳から17歳、18歳以上の3群に分けて、
上気道のRT-PCR検査における、
CT値(Cycle Threshold Values)という指標から、
そのウイルス量を推測して比較しています。

PCR検査はウイルス遺伝子を増幅して検出するもので、
それ自体に定量性はありませんが、
CT値が低いとウイルス量が多いことが示唆されるので、
それを代用指標としているのです。

その結果、
年齢が5歳未満では、
それより上の年齢層と比較して、
有意にCT値が低下していました。
これはすなわち、
5歳未満ではそれより高い年齢と比べて、
同時期により上気道のウイルス量が多い、
ということを示唆しています。

この結果は、
必ずしも小児の感染力が強い、
ということを意味するものではありませんが、
小児が感染を拡大するきっかけになる、
というリスクはあると考えた方が良いようには思います。

ただ、実際には保育園などの集団感染において、
それほど多くの軽症から無症状の感染者が、
見付かるという訳でもないので、
こうしたPCRのCT値から推測されるウイルス量からは、
感染の実際は分からないのかも知れません。

新型コロナウイルス感染症に、
年齢による症状や病態の差があることは間違いのない事実ですが、
その実体や感染の拡大における意義については、
まだ不明な点が多く結論に至ってはいない、
とそう考えておいた方が良いようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

下記書籍発売中です。
よろしくお願いします。

実年齢56歳、血管・骨年齢30代の名医が実践!  コーヒーを飲む人はなぜ健康なのか?

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  • 作者: 石原 藤樹
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  • 発売日: 2020/07/18
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新型コロナウイルス感染症に対するトシリズマブの効果(アメリカの観察研究) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
コロナウイルスに対するトシリズマブの効果.jpg
Lancet Rheumatology誌に2020年8月14日ウェブ掲載された、
サイトカインの阻害剤を新型コロナウイルス感染症に使用した、
臨床事例を解析した論文です。

新型コロナウイルス感染症の重症化においては、
炎症性サイトカインの過剰な産生が、
肺の炎症の拡大に繋がっていると考えられています。

そのために、
炎症性サイトカインを抑制するような治療が、
重症事例の治療として有効な可能性が統制されます。

トシリズマブ(商品名アクテムラ)は、
炎症性サイトカインの代表であるIL6の阻害剤で、
主に関節リウマチの治療薬として使用されています。

そこでこのトシリズマブを、
重症の新型コロナウイルス感染症に使用して、
患者の予後を改善出来る可能性が期待されているのです。

今回の研究ではアメリカの13の病院において、
新型コロナウイルス感染症で集中治療室に入室した、
764名の患者の経過を解析して、
トシリズマブの使用と患者の予後との関連を比較検証しています。
そのうちに630の患者を抽出し、
トシリズマブを使用した210名と、
未使用の420名を、
年齢性別などの因子をマッチングさせて、
比較を行っています。
トシリズマブは98%は1日400mgが、
中間値で9日間使用されていました。

その結果、
630名のうち57%に当たる358名が死亡していて、
トシリズマブ群では49%の102名が、
未使用群では61%の256名が死亡していました。
トシリズマブの使用は入院中の死亡リスクを、
36%(95%CI:0.47から0.87)有意に低下させていました。

これはまだ観察研究に過ぎないものなので、
今後介入試験などで検証されることを期待したいのですが、
リウマチでは使用されている薬でもあり、
短期使用の安全性はほぼ確立しているので、
そのメカニズム的にも、
事例を選んで使用することは、
理に適っているように個人的には思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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心房細動患者の長期生命予後のトレンド(フラミンガム研究の解析) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日で診療は午前中で終わり、
午後は産業医面談などで都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
心房細動の長期生命予後のトレンド.jpg
British Medical Journal誌に2020年7月掲載された、
心房細動という不整脈の診断と、
その後の生命予後を検証した論文です。

心房細動というのは、
脈が不規則に変動するタイプの不整脈で、
加齢と共に増加し、
上記文献の前置きにある記載では、
55歳以上の年齢で生涯に3人に1人は発症する、
というほど多い病気です。

心房細動が持続すると、
心臓内の血の塊である血栓が出来やすくなり、
それが脳塞栓という脳梗塞の原因になります。
また心臓細動が持続することにより、
心臓の働きは徐々に低下し、
心不全のリスクを高めます。
このような身体への影響により、
2016年に発表されたメタ解析の論文では、
心房細動があることにより、
その後の総死亡のリスクを46%増加させる、
という結果が報告されています。

ただ、近年抗凝固剤の進歩や心不全治療の進歩、
カテーテルアブレーションの適応拡大などにより、
心房細動の治療や管理にも大きな進歩が認められます。
そうした医療の進歩は、
心房細動の患者さんの生命予後に、
どのような影響を与えているのでしょうか?

今回の研究では、
アメリカの有名な長期の疫学研究である、
フラミンガム心臓研究のデータを活用して、
これを1972から1985年の第1期、
1986年から2000年の第2期
2000年から2015年の第3期の3つの時期に分けて、
その時期に新規に心房細動と診断された患者さんの、
その後の生命予後を比較検証しています。

対象者は、
第1期が5671名、第2期が6177名、
第3期が6174名です。
このそれぞれの時期に心房細動と診断された人は、
そうでない人と比較して、
総死亡のリスクが第1期は1.9倍(95%CI:1.7から2.2)、
第2期では1.4倍(95%CI: 1.3から1.6)、
第3期では1.7倍(95%CI: 1.5から2.0)、
それぞれ有意に増加していました。
心房細動診断から10年の時点で、
心臓細動による平均の損失年数は、
第1期で-2.9年(95%CI: -3.2から-2.5)、
第2期で-2.1年(95%CI:-2.4から-1.8)、
第3期で-2.0年(95%CI:-2.3から-1.7)、
となっていて、
この第1期から第3期の間に31%有意に低下していました。

このことはつまり、
一定の生命予後の改善が、
この数十年の間に見られたということを示しています。
それでも、総死亡のリスクで見ると、
まだ心房細動による明確なリスクの増加は見られており、
それを出来得る限り小さくすることが、
今後の大きな治療の課題であると言えそうです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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新型コロナウイルス感染症の不活化ワクチンの効果(第1相、2相臨床試験) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
コロナウイルス不活化ワクチンの有効性.jpg
JAMA誌に2020年8月13日ウェブ掲載された、
新型コロナウイルスに対する、
中国の不活化ワクチンの臨床試験結果をまとめた論文です。

新型コロナウイルスに対するワクチン開発は、
世界的に急ピッチで進められていますが、
まだ実用に至ったものはありません。

これまでにウイルスベクターワクチンや、
RNAワクチン、DNAワクチンなど、
新しい製法によるワクチンの紹介をしましたが、
今回のものは季節性インフルエンザウイルスのワクチンと、
基本的には同じ製法の、
アルミニウムの免疫増強剤を添加した不活化ワクチンです。

これは中国の国営企業を中心とした、
研究グループによるものです。

今回はその第1相及び第2相の臨床試験結果をまとめたもので、
第1相臨床試験では、
96名の健康な対象者に、
少量、中用量、高用量のワクチンを、
初回、28日後、56日後に3回筋肉注射し、
アルミニウムのみの偽ワクチンと、
副反応と有害事象、
接種後の抗体上昇を比較検証しています。

その結果、
主な副反応は皮膚の発赤や痛みなどで、
重篤な副反応や有害事象は認められず、
抗体上昇には中用量と高用量で明確な差はありませんでした。

そのため、第2相の臨床試験では、
ワクチンは中用量に固定して、
より224名の被験者を、
ワクチン接種群とアルミニウムのみの偽ワクチン群に分け、
初回と14日後、もしくは初回と21日後の2群に分けて、
2回目の接種の14日後の抗体上昇を比較しています。
2回の接種後には有意な抗体上昇が認められ、
3週間間隔の接種後の方が、
より高い抗体上昇が認められています。

このように、
古い製法の不活化ワクチンは、
ウイルスベクターワクチンなどと比較すると、
全身的な有害事象は少なく、
短期的な安全性は高いと思われます。
その有効性はまだ短期的な抗体上昇のレベルでしか、
確認されていない状況なので、
まだ何とも言えませんが、
今後の検証を待ちたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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新型コロナウイルス感染症回復後の心臓病変について [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
コロナウイルス回復後の心臓変化.jpg
JAMA誌に2020年7月27日ウェブ掲載された、
新型コロナウイルス感染症の心臓の合併症についての論文です。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、
重篤な肺炎から呼吸不全を来すことが、
その重症事例の特徴とされていますが、
心臓の持病のある人では、
心不全を来しやすいことが報告されています。
重症の事例では心臓の筋肉の障害を示す、
トロポニンTの血液濃度が上昇している、
という報告も見られます。
致死的な経過を辿った事例の7%では、
重篤な心筋炎が見られたという報告もあります。

新型コロナウイルス感染症から回復後に、
だるさや息切れ、胸の痛みなどの体調不良が、
持続しているケースが多いという報告があり、
仮にウイルス感染に伴って心筋の炎症が起こっているとすると、
ウイルスが検出されなくなって以降も、
その炎症が後遺症として残っている、
という可能性も想定されます。

今回の研究はドイツの単独施設において、
上気道からの検体のRT-PCR検査で陽性となった、
新型コロナウイルス感染症の患者100名を対象に、
診断から2週間以上経過して、
症状は改善し隔離期間も終了した段階で、
心臓の造影MRI検査と血液のトロポニンT濃度、
心機能などを計測して、
未感染のコントロール50名との比較も行っています。

患者の内訳は、
67名が自宅療養、33名が入院治療で、
人工呼吸器の装着は2名のみ、
17名は無症状感染者で、
49名は軽症から中等症です。
つまり、比較的軽症の事例が多いのが特徴です。

回復後の血液においても、
71名ではトロポニンTが検出されており、
5名は心筋梗塞などの疑われる病的レベルの上昇を示していました。

非感染者と比較して、
回復後の感染者では左室機能は低下し、
左室径は拡大する傾向を示しました。

心臓MRI検査における何等かの異常所見は、
回復後感染者の78名(78%)に認められ、
60名(60%)では心筋の炎症が持続している所見が認められました。

この心筋の炎症所見は、
症状の重症度とは関連なく認められました。
つまり、無症状の感染者でも、
心筋の炎症自体は起こっている可能性があるのです。

今回の所見は基本的には軽度のものですが、
新型コロナウイルス感染症から回復した時期において、
6割の患者では心筋の炎症が残存している、
という知見の意味は大きく、
今後回復後の体調不良との関係を含め、
更なる知見の積み重ねを注視したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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よろしくお願いします。

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「イヌビト~犬人~」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
イヌビト.jpg
新国立劇場のレパートリーとして、
長塚圭史さんの作・演出、
コンドルズの近藤良平さんが出演と振り付け、
首藤康之さんと松たか子さんが出演して、
それ以外に10人のダンサーが加わるという、
なかなか豪華な組み合わせの舞台が、
本日まで上演されています。

新型コロナでバタバタと演劇が上演中止となってから、
劇場に足を運ぶのは今回が初めてです。

客席は互い違いにして半数に縮小され、
トイレの便器も2カ所に1カ所は使用禁止にされています。
入り口で住所氏名を記載して渡すのですが、
スタッフへの手渡しはせず、
箱に自分で入れるように指示されますし、
チケットのもぎりも自分で行い、
半券を自分で箱に入れるように指示されます。
パンフレットの受け渡しもスタッフは触れません。
売店はペットボトルのみを販売していて、
これもスタッフは手を触れずに受け渡しをします。
スタッフは全員マスクとゴーグル、手袋を付けています。
広いロビーには間隔を取って椅子が並べられ、
観客の密な接触を徹底して避けるようにしています。
ここまで徹底した感染防御は初めてで、
ちょっと感心しました。

上演されたのは1時間20分ほどの短い音楽劇で、
大人も子供も楽しめると銘打たれています。
かつての別役実の児童劇や、
寺山修司の児童劇に似た趣向と感じました。

内容は、犬から人へ、そして人から人へと、
噛みつくことで感染するイヌビト病という伝染病があり、
それが蔓延した町を訪れた犬好きの家族が、
次々とイヌビトになってゆくというお話です。
前半の骨格は如何にも別役という感じで、
朔太郎の「猫町」やイヨネスコの「犀」などの影響も、
そこかしこに感じられます。

勿論新型コロナの流行が影を落としていて、
台詞にも随所にその影響が感じられますし、
ラストは犬人と人間が犬の記憶で和解するという、
「ウィズコロナ」を長塚さんなりに咀嚼したような、
複雑な味わいのエンディングに至ります。
語り部の松たか子さんは透明なフェイスガードを付け、
ダンサー達は台詞を喋る時はグレイのマスクを付けます。
マスクに一応の必然性があるような説明があるのが、
工夫が感じられます。

近藤良平さん振り付けのダンスは、
僕は正直あまり好みではありません。
ラストは全員で車座になって、
ダンス対決みたいになるのですが、
これ、天井桟敷のラス前と同じ趣向でしょ。
脳内で比較してしまうので、
「もっと超人的な動きを見せてよ」というように、
どうしても思ってしまいました。

悪くはないのですが、
あまり完成度の高い作品ではないですね。

前半は如何にも別役という感じなのですが、
後半は語り部の松たか子さんがメインになって、
メタフィクションめいた雰囲気になります。
ただ、それが徹底されるという感じではなく、
ダンス対決で何となく終わりになってしまうのです。
意欲作だとは思うのですが、
もう一押しが欲しいところです。

キャストは何と言っても松さんで、
間違いなく当代最高の舞台女優の1人と思いますが、
今回は出ずっぱりで歌も沢山歌ってと大活躍で、
とても眼福で堪能しました。
これだけで元は取ったように感じました。

演劇はコロナ禍の中では相当厳しいと思いますし、
あまり劇場に足を運ぼうという気分でもなかったのですが、
劇場も芝居自体も、
何か必死で生きているという感じはあって、
また時々は足を運ぼうかな、
という気持ちにはなったのです。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

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「WAVES ウェイブス」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で、
午前中は石田医師が、
午後2時以降は石原が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ウェイブス.jpg
今注目のA24制作の青春映画で、
アカデミー賞を取った「ムーンライト」に近い感じの、
1つの黒人家族の崩壊と再生を描いた作品です。

黒人映画と言ってしまうと単純過ぎると思いますが、
雰囲気は矢張りかつての黒人青春映画の感じですね。

前半と後半に分かれていて、
前半は一家の兄が主人公で、
追い詰められ、
取り返しの付かない犯罪を犯してしまうまで。
後半はその妹が主人公で、
トラウマを抱えながらも幸せをつかみ、
最後は家族の再生が予感されて終わります。

前半の兄貴がまあどうしようもなくて、
普通は後半にも兄貴が登場して、
兄貴の再生の物語になりそうでしょ。
でも、そうはしていないんですね。
妹にボーイフレンドが出来て、
彼はろくでなしの父親を憎んでいるんですね。
その父親が危篤という時に、
妹はボーイフレンドを促して、
父親の最後を看取ることに成功するのです。
兄も強権的な父親を憎むことになって、
それが悲劇の引き金を弾いたのですが、
その経験があったからこそ、
ボーイフレンドと父との和解に結び付いたのですね。
波がもう1つの波に繋がるように、
不幸な出来事の記憶が、
もう1つの出来事に結び付いて過去を浄化してゆく、
その思いが心に染みました。

現実はむしろそうしたもので、
過ち自体は正されることもなく、
犯罪者が改心するようなこともそうはないのだけれど、
周囲にもたらす影響は決して悪いことばかりではなく、
次の世代に正しい果実をもたらす種になることもあるのは、
真実であるように思います。

ただ、映画としてはやや舌足らずで、
物足りなさやモヤモヤした感じが残ることも事実で、
「ムーンライト」と比べると完成度はかなり落ちるかな、
というようにも思います。
特にラストが、
点描みたいに家族の1人1人を綴るでしょ。
あれはあまりに凡庸で、
もっとやりようがなかったかな、
というように感じました。
「ムーンライト」はラスト浜辺で少年が振り向くのが、
とても印象的で素敵でしょ。
そうした決定的なカットがないのが、
この映画の一番の弱みだと思います。

これ、画格が途中で何度も変わるのですね。
スタンダードサイズとビスタサイズが基本で、
そこに一回り小さなパナビジョン(シネスコサイズ)が挟まれます。
小さなパナビジョンはへんてこりんだと思うのですが、
劇場の映写方式によるのかも知れません。
本来はそのまま横幅が大きくならないと変ですよね。

音楽映画のような売り方がされていますが、
そうしたものではなく、
音楽は流れますが、
普通のほろ苦い青春映画でした。

「ムーンライト」がお好きな方であれば、
その変奏曲として、観て損はないと思います。
久しぶりに映画でも、
というような向きには、
ちょっと小粒かも知れません。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

下記書籍発売中です。
どうか、よろしくお願いします。

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マスクの種類と飛沫飛散防止効果 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診です。
積み残している仕事を、
なるべく片付けたいと思っているのですが、
何処まで出来るでしょうか?
何とか頑張りたいと思います。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
マスクの性能比較研究.jpg
Science Advances誌に2020年8月7日掲載された、
マスクの飛沫拡散防止の性能を、
新しい方法で検証した論文です。

これは結構もうあちこちで、
紹介されているものですが、
多少切り口を変えて、
お伝え出来ればと思います。

特に咳などの症状がなく、
医療従事者でもない一般の人が、
マスクを公共の場で装着するという習慣は、
欧米にはないもので、
今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行初期には、
欧米ではマスクの有効性は、
否定的な見解が多く見られました。

しかし、その後流行が拡大して、
有効な感染予防の決め手がない、
という状態が長く続くにつれ、
公共の場で一般の人がマスクをすることの、
感染予防としての有効性が見直され、
今では世界的に有効な感染予防法として、
世界的に認知されています。

日本においても「マスク着用」というのは、
感染防御策の基本として推奨され、
劇場や集会、映画館などでも、
マスク着用が食事中以外は義務化されています。

ただ、
マスクには医療用のものからファッション的な用途のものまで、
多くの種類のものが発売され、
その素材も不織布と呼ばれるものから、
コットン、ポリエチレン、ニットや絹など様々です。
ジョギングなどの際には、
バンダナを口や鼻の周りに巻いたり、
ネックゲーターと呼ばれるフリース素材のもので、
口元を覆ったりしていて、
これもマスクに準じると見做されています。

N95マスクは最も高性能の医療マスクですが、
これを正しく装着すると、
正直相当の息苦しさがあります。
それに準じるのがサージカルマスクで、
これは不織布を3枚重ねて作られています。
こうした医療用のマスクと、
夏にも快適とされる通気性の良い布製のファッションマスクが、
とても同じ性能とは思えない、
というのは誰でも思うところです。

それでは、実際にはこうしたマスクの種類により、
その性能にはどのくらいの違いがあるのでしょうか?

マスクの性能には色々な指標があります。
最も単純なものは、
マスクの構造がどのくらいの飛沫粒子を、
通過させるのか、
ということです。

医療関係者が通常装着しているサージカルマスクは、
5μm(5000nm)程度の大きさの粒子を、
濾過して捕捉する機能を持っています。

N95マスクと称されるより高性能のマスクは、
0.1から0.3μm(100から300nm)の粒子を、
95%以上濾過して捕捉する性能を持っています。

ただ、こうした性能は敢くまで理論的なもので、
実際にこのマスクを人間が装着して、
それで声を出したり咳をしたりする時に、
マスクをしない場合と比較して、
どのくらい周辺への飛沫を阻止しているのか、
ということを証明しているものではありません。

今回ご紹介する論文は、
マスクの実際の感染予防効果を、
新しい測定法により解析したものです。

その方法というのは、
実際に被験者が色々なマスクをして、
レーザーが照射された箱に向かって声を出し、
レーザーの膜に移った飛沫粒子を、
スマホのカメラで撮影して計測する、
というものです。

この方法は文献の著者らによれば、
実際の感染防止効果を反映している点と、
スマホカメラを使用して安価に出来る、
と言う点が特徴であるようです。

従って、この論文の肝は、
どちらかと言えば新しい測定法という部分にあって、
マスクの性能比較は、
そのおまけのような意味合いです。

それではまずこちらをご覧下さい。
マスクの種類の一覧.jpg
今回使用比較されているマスクの画像の一部です。

1は通常のサージカルマスクで、
色つきですが2と14はN95マスクです。
5や8はコットン主体のファッション性の高いマスク。
11はネックゲーターです。

こうしたマスクを装着して、
同じ台詞を話して、飛沫の飛び具合を比較します。

それではこちらをご覧下さい。
マスクの性能比較評価の図.jpg
これは縦軸がカウントされた飛沫量を示し、
横軸はマスクの種類を示しています。
10回同じ実験を繰り返して、
それをグラフ化しているのです。
一部に色が付いているのは、
その4種類の比較はより詳細に行っているからです。
中抜きの大きな丸になっているのは、
4人の別の人を使って試験を繰り返した結果を、
同じマスクで図示したものです。
人が変わるとかなり結果に違いが出てしまうのですね。
この方法の限界を示しているようにも思いますし、
同じ言葉を喋っても、
飛沫の飛び方には非常に個人差が大きい、
ということを示しているようにも思います。

図の右から2番目の緑の結果が、
マスクをしていない場合です。
そして、一番左がN95マスクでその隣の青がサージカルマスクです。
N95マスクは飛沫量を0.1%未満に抑制していて、
サージカルマスクは幅はあっても、
5%未満には抑制しています。
一方でコットンなどのマスクは、
20%から30%は飛沫の拡散を許しています。
バンダナは50%近く飛沫の拡散を許していて、
ネックゲーターは、
むしろマスクをしない状態より、
飛沫を拡散させています。
これはネックゲーターの使用により大きな飛沫が小さくなり、
より拡散が多くなったと想定されています。

次にこちらをご覧下さい。
マスクから出る飛沫の解析の図.jpg
これは時間経過と飛沫量を、
先刻のグラフで色の付いていた4種で比較したものです。
2つの異なるグラフを重ねているので、
ちょっと分かりにくいのですが、
言葉を発する毎に、
飛沫が噴出するように飛んでいることが分かります。

このように、
同じマスクでも装着の仕方やその種類により、
その飛沫拡散防止効果には大きな差があり、
装着の方法によっては、
却って飛沫の拡散を増加させてしまう、
という可能性もあります。

こうした「ウィズ・コロナ」と言うべき状態が、
今後も続くようであれば、
マスクの種類や装着法についても、
もう少し詳細な検証が必要になるのではないでしょうか?

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

下記書籍発売中です。
よろしくお願いします。

実年齢56歳、血管・骨年齢30代の名医が実践!  コーヒーを飲む人はなぜ健康なのか?

実年齢56歳、血管・骨年齢30代の名医が実践! コーヒーを飲む人はなぜ健康なのか?

  • 作者: 石原 藤樹
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2020/07/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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コーヒーとカフェインの健康影響(2020年NEJMのレビュー) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
コーヒーとカフェイン.jpg
the New England Journal of Medicine誌に2020年7月23日掲載された、
コーヒーとカフェインの健康影響についての総説です。

トータルには特に目新しい内容はないのですが、
コーヒーそのものより、
主にカフェインの身体への影響をまとめた内容になっています。

コーヒーが健康に良い飲み物である、
と言う点については、
このブログでも何度も取り上げていますし、
今回総まとめ的な本も出させて頂きました。

ただ、その健康への良い影響が何処から来ているのか、
という点については、
まだ明確なことが分かっていません。

コーヒーには生理活性物質だけで100種類以上が含まれていますが、
その中にはクロロゲン酸やニコチン酸のように、
ある程度その作用が明確になっているものもある一方、
その生理作用が不明なものも多いのが実際です。

しかし、何と言ってもコーヒーに含まれている物質として、
最も有名なのはカフェインです。

カフェインはそれ自体多くの生理活性作用のある物質で、
コーヒーに特徴的な覚醒作用や常用性は、
主にこのカフェインによるものです。

カフェインには交感神経の刺激作用があり、
その大量を一気に服用すると死亡することもありますが、
通常コーヒーで飲むレベルのカフェインは、
そうした深刻な健康被害に結び付くことはありません。

ただ、短期的には血圧や脈拍を増加させることはあるので、
その影響を問題視するような意見もありました。

しかし、妊娠中や授乳中の女性を除いては、
その影響はほぼないか、ごく軽微なものと考えられています。

上記総説ではカフェインの身体への影響が分かりやすくまとめられています。

まずこちらをご覧下さい。
カフェインの臓器効果①.jpg
これは上記総説にある、
カフェインの身体への影響を示した図の左半分です。
画像のサイズの問題で半分のみ図示しています。

上から行くと、
まずカフェインの脳への影響ですが、
カフェインは脳を活性化させて注意力を高め、
パーキンソン病やうつ病のリスクを低下させる、
という報告があります。
痛みに対する鎮痛剤の効果を増強します。
その一方で不眠の原因となり不安を誘発することがあります。
こうした影響は大量で生じやすく、
またメンタルに不安定であると起こりやすい可能性があるので、
メンタルに不安定や人や治療中の人に、
カフェインの常用は勧められません。

呼吸器への影響としては、
低出生体重児の無呼吸の治療に使用され、
大人の肺機能を改善させるという報告があります。

肝臓においては肝臓の繊維化や肝硬変、肝細胞癌の、
予防効果が報告されています。

大量のカフェインは利尿作用を持ちますが、
適正な摂取量で常用しているケースでは、
利尿に影響を与えません。

それでは次にこちらをご覧下さい。
カフェインの臓器効果②.jpg
先刻の画像の右半分です。

上から心血管系についてですが、
急性の使用ではカフェインは血圧を上昇させますが、
習慣的な使用ではその影響は小さなものになります。

内分泌系への影響では、
これも短期的には骨格筋のインスリン感受性を低下させますが、
習慣的な使用ではむしろ改善を示します。

生殖器系への影響では、
女性においては胎児の成長を遅延させ、
流産のリスクを高めるという報告があります。

以上のように、
カフェインは短期的には、
血圧などに悪影響を与える可能性がありますが、
常用においては大きな影響は見られていません。
その使用が明確に害があるのは、
妊娠中の場合のみです。

さて、コーヒーには心血管疾患や糖尿病のリスク低下、
生命予後の改善など、
多くの健康効果が確認されていますが、
それがカフェインの直接作用であるのか、
それともカフェインとは無関係であるのか、
という点については、
明確な結論が得られていません。

カフェインはお茶など他の飲み物にも多く含まれているので、
コーヒーの健康効果が抜きん出ていることを、
カフェインのみでは説明困難に思いますし、
カフェイン抜きのデカフェのコーヒーでも、
健康効果は変わらなかった、という報告もあります。
その一方でカフェインの摂取量やその代謝物と、
コーヒーの健康効果が相関している、
とする研究結果がこちらも複数認められているのです。

この問題はまだ結論を出すのは困難であるようです。

上記総説の結論としては、
コーヒーは心血管疾患や癌のリスク因子ではなく、
1日カップ3から5杯程度のコーヒーの摂取習慣は、
妊娠中や授乳中の女性を除いては、
健康保持のために有益な生活習慣として推奨される、
となっています。

ただ、過量のカフェインは健康への悪影響も想定されるので、
カフェインの摂取量としては、
妊娠中や授乳中の女性を除く成人では、
1日400ミリグラムを上限とし、
妊娠中と授乳中の女性では、
1日200ミリグラムを上限とするのが妥当だ、
としています。

今日はコーヒーとカフェインの健康影響についての総説でした。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

下記コーヒー本発売中です。
よろしくお願いします。

実年齢56歳、血管・骨年齢30代の名医が実践!  コーヒーを飲む人はなぜ健康なのか?

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新型コロナウイルス感染症抑止のためのソーシャルディスタンシングの有効性 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は夏季の休診期間のためクリニックは休診です。
明日からは通常通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
ソーシャルディスタンシングの効果.jpg
British Medical Journal誌に掲載された、
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する、
所謂「ソーシャルディスタンス」の発症抑止効果を解析した論文です。

人間同士が常に一定の距離を置いて接することで、
新型コロナウイルスの感染を予防しようというのが、
日本のソーシャルディスタンスという考え方です。

勿論世界的にそうした考えはあり、
Physical distancing という用語が一般的で、
時にSocial distancing と呼ぶこともあるようです。

今回はそうした試みの対策のことを、
ソーシャルディスタンシングと呼ぶことにします。

ソーシャルディスタンシングはスペイン風邪のパンデミックの時に、
その有効性が確認され一定の効果を挙げたようで、
学校の閉鎖、職場の閉鎖、公共交通機関の停止、集会の禁止、
そして移動の禁止(ロックダウン)は、
ソーシャルディスタンシングの感染予防効果を期待した対策です。

以前ご紹介したLancet誌の論文では、
1メートルの距離を取ることにより、
感染リスクは82%低下する、
というデータをご紹介しました。
ただ、これは理屈の上ではそうなる、ということで、
実際にそうした対策を行なった時に、
それがどの程度の感染予防効果をもたらしたのかを、
具体的に検証したものではありません。

今回のデータは世界149の国と地域において、
上記の学校の閉鎖、職場の閉鎖、公共交通機関の停止、
集会の禁止、そして移動の禁止(ロックダウン)という、
5種類のソーシャルディスタンシング目的の対策と、
その効果を実際の患者数の推移で検証しています。

その結果、
5種類のソーシャルディスタンシングの対策を、
幾つか組み合わせて施行することにより、
トータルで新型コロナウイルス感染症の罹患率は、
13%(95%CI: 0.85から0.89)有意に低下していました。
その一方で他の4つの対策が取られている時に、
公共交通機関の停止は、
付加的な効果をもたらしませんでした。
ロックダウンはより早期に行った方が、
その後の罹患率の低下は大きくなっていました。

13%の低下というのは、
効果としては小さいように思いますが、
これは実際の対策として行なった場合、
必ずしも常に徹底して行われている訳ではなく、
その国や地域によっても、
かなりの違いがあるということも大きいように思います。
また、患者の発生率の低下というのは、
敢くまで検査をして確定した患者数のみを対象としているので、
その点でのバイアスも大きいように思います。
流行期には検査数も色々な理由で増減することにより、
罹患率も見かけ上増減することがあるからです。

今回の結果は、
タイミングを過たずに行なえば、
ソーシャルディスタンシングには一定の有効性がある、
ということと、
良く言われる電車などの公共交通機関を止めるという対策は、
これまでのデータではあまりその有効性が、
確認されていないものである、
ということを示していると思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

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