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野菜や果物の摂取量と糖尿病リスク [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
ビタミンと糖尿病リスク.jpg
2020年のBritish Medical Journal誌に掲載された、
野菜や果物の摂取量と糖尿病リスクについての論文です。

糖尿病を予防するための食事というと、
果物や野菜を多く摂るということが、
必ず強調されます。

しかし、その根拠がどのくらいあるかと言うと、
実はあまり精度の高いデータがあるとは言えません。

一般住民を対象とした疫学研究は多くあるものの、
通常食事のアンケートのようなものが元になっているので、
その正確さはそれほど高いものとは言えないのです。

今回の研究ではアンケートの代わりに、
血液のビタミンCとカロテノイドの濃度を測定し、
それを野菜や果物の摂取量を推測する指標として活用し、
ヨーロッパで大規模なデータの解析を行っています。

ヨーロッパ8カ国で施行された、
340234名を登録し癌と食事との関連を検証した疫学研究のデータを活用して、
ビタミンCとカロテノイド濃度と、
経過観察中の糖尿病の発症リスクとの関連を検証しています。

その結果、
血液のビタミンC濃度とカロテノイド濃度が高いほど、
観察期間中の2型糖尿病の発症リスクは低下していました。
血液濃度毎に5つの群に分けると、
最も高い群は最も低い群と比較して、
糖尿病の発症リスクは50%有意に低下が認められました。

糖分の多い果物については勿論注意が必要ですが、
今回の血液濃度からの分析においても、
野菜と果物の摂取を多くすることは、
糖尿病の予防につながる食生活であることは、
裏付けられた結果と言って良いようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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