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血液のビタミンD濃度と新型コロナウイルスとの関連 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日で診療は午前中で終わり、
午後は事務作業の予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
ビタミンDと新型コロナウイルス.jpg
Aging Clinical and Experimental Research誌に、
2020年5月6日ウェブ掲載された、
新型コロナウイルス感染症とビタミンDとの関連についての論文です。

ビタミンDは骨の健康のために必須のビタミンですが、
それ以外にも多くの働きがあり、
その1つが免疫力の活性化です。

これまでの疫学データにおいて、
血液のビタミンD(25(OH)D)濃度が低いほど、
気道感染症に罹患しやすいという複数の知見が存在しています。

それでは、
新型コロナウイルス(SARS-CoV2)についてはどうなのでしょうか?

今回のデータは、
ヨーロッパ各国の新型コロナウイルス感染者数(人口当たり)と、
これも人口当たりの死亡率、
そして平均のビタミンD濃度との関連を検証したものです。

その結果、
ビタミンD濃度が低いほど、
人口当たりの新型コロナウイルス感染者数は多く、
死亡率も高いという傾向のあることが確認されました。

日照時間の短い北欧では、
ビタミンD濃度は低いと思われがちですが、
実際には高めで、
イギリス、スペイン、ポルトガル、イタリアは低めになっています。
これは食事環境や皮膚でのビタミンD産生能、
サプリメントの摂取など、
様々な要因がありそうです。

これは敢くまで個別のデータによる解析ではないので、
そうした傾向がありそう、
という程度しか言えないと思うのですが、
ビタミンDを予防的に使用するような、
臨床試験も予定されているようですから、
今後の検証にも期待をしたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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