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「評決」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。
1日家に籠もって過ごす予定です。

休みの日は趣味の話題です。
と言っても今は映画も演劇も観ていないので、
僕の大好きな過去の映画の話です。

今日はこちら。
評決.jpg
シドニールメットが1982年に監督して、
ポール・ニューマンが主演した法廷ものの傑作「評決」です。

これは最初にテレビで何気なく観て引き込まれて、
それからDVDやWOWOWで何度か観直しました。
映画館では観ていません。

ある意味凄く凡庸で予定調和的なお話なのですが、
僕はとても好きで、
何度観ても味わいがあります。

これはね、ポール・ニューマンが抜群にいいんですよね。
敏腕弁護士が落ちぶれてアル中になって、
葬儀に紛れてセールスをして怒鳴られたりして、
その落ちぶれた風情が何とも言えません。
医療過誤の相談があって、
示談で済む筈であったのに、
被害者の写真を撮りに病院に行って、
そこで使命感に目覚めてしまうんですね。
あの場面のニューマンの演技、素晴らしいよね。
こちらまで身震いするような感じがします。
それが、やる気を出した途端に、
証言するとかと言っていた証人が、
次々と姿をくらましてしまって、
孤立無援の感じになるのです。
この辺りの雰囲気が抜群に素敵です。

そこまでの素晴らしさと比べると、
後半はちょっと定石通りという展開になります。
ただ、定石通りとは言え、
最終弁論は堂々たる見せ場になっていますし、
変化球のようなラストも余韻があり、
さすがシドニー・ルメットという感じがします。

これ、問診不足による麻酔の事故なんですね。
最初に観たのは大学生の時だったので、
「医療事故許せん」という感じで観ていたのですが、
今観直すとその辺は難しいですね。
こういう事例は多分今も幾らもありますよね。
今は医療過誤については、
加害者となるリスクの方が高い立場なので、
以前のような素直な義憤は持つことが出来ません。

難しいところです。

この映画は、
おじさんの挫折からの立ち直り、
というところが、とてもシンプルで良くて、
ポール・ニューマンの名演技もあって、
落ち込んだ時に観ると、
ちょっぴり勇気と前向きの気持ちを、
与えてくれる映画だと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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