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「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の舘の秘密」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前中は石田医師が、
午後2時以降は石原が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ナイブズ・アウト.jpg
これは今ではとても珍しい、
オリジナルの本格ミステリー映画で、
高名なミステリー作家の老人が、
パーティーの夜に首を斬られて死亡する、
と言う事件を、
名探偵が解決します。

一応現代を舞台にして、
こんな試みが成立するのかしら、
成立しているのならとても楽しみだな、
と期待半分不安半分で映画館に出掛けました。

キャストは名探偵役に007のダニエル・クレイグ、
他にクリス・エバンズ、マイケル・シャノン、
フランク・オズ、ドン・ジョンソンなど、
新旧のスターや演技派が顔を揃えています。

本格ミステリの愉楽に溢れた映画を期待したのですが、
これ、コメディなんですよね。
ヒロインが嘘を吐くと嘔吐してしまう、
という特異体質の看護師、という設定で、
最後は犯人(?)の顔に盛大に浴びせてしまうのです。
おもちゃのナイフのギャグがあったり、
ドタバタめいた芝居も多く、
それでいて「ピンクパンサー2暗闇でどっきり」みたいに、
振り切れている楽しさがある、
という訳ではありません。
この路線なら僕は堤幸彦監督のトリックシリーズとか、
日本製の方が余程楽しめるな、
と思ってしまいました。

まあでも、
ああした世界のアメリカ版なのです。

「密室殺人」と言ってるでしょ。
全然そんなことないんですよ。
途中で倒叙ミステリ的になって、
そこからまたもう一ひねりあるのですが、
真犯人のやったことが中途半端なので、
あまり「やられた!」という印象はありません。

かつて「刑事コロンボ」などに関わったスタッフが、
優れたミステリー映画やドラマを作りましたよね。
あの路線を期待したのですが、
これは全くそうしたものではありませんでした。
せっかくオリジナルの脚本なのに、
何かプロット自体は小説的で映像的ではないのも、
本末転倒でガッカリしました。

そんな訳で個人的には全く駄目だったのですが、
意外にも結構好評で、
もうシリーズ化が予定されているようです。

その評価自体にはあまり納得はゆきませんが、
本格ミステリー映画がまた作られること自体は、
とてもとても嬉しいことなので、
次回作はもっと好みのプロットになることを、
期待して待ちたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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