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「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の舘の秘密」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前中は石田医師が、
午後2時以降は石原が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ナイブズ・アウト.jpg
これは今ではとても珍しい、
オリジナルの本格ミステリー映画で、
高名なミステリー作家の老人が、
パーティーの夜に首を斬られて死亡する、
と言う事件を、
名探偵が解決します。

一応現代を舞台にして、
こんな試みが成立するのかしら、
成立しているのならとても楽しみだな、
と期待半分不安半分で映画館に出掛けました。

キャストは名探偵役に007のダニエル・クレイグ、
他にクリス・エバンズ、マイケル・シャノン、
フランク・オズ、ドン・ジョンソンなど、
新旧のスターや演技派が顔を揃えています。

本格ミステリの愉楽に溢れた映画を期待したのですが、
これ、コメディなんですよね。
ヒロインが嘘を吐くと嘔吐してしまう、
という特異体質の看護師、という設定で、
最後は犯人(?)の顔に盛大に浴びせてしまうのです。
おもちゃのナイフのギャグがあったり、
ドタバタめいた芝居も多く、
それでいて「ピンクパンサー2暗闇でどっきり」みたいに、
振り切れている楽しさがある、
という訳ではありません。
この路線なら僕は堤幸彦監督のトリックシリーズとか、
日本製の方が余程楽しめるな、
と思ってしまいました。

まあでも、
ああした世界のアメリカ版なのです。

「密室殺人」と言ってるでしょ。
全然そんなことないんですよ。
途中で倒叙ミステリ的になって、
そこからまたもう一ひねりあるのですが、
真犯人のやったことが中途半端なので、
あまり「やられた!」という印象はありません。

かつて「刑事コロンボ」などに関わったスタッフが、
優れたミステリー映画やドラマを作りましたよね。
あの路線を期待したのですが、
これは全くそうしたものではありませんでした。
せっかくオリジナルの脚本なのに、
何かプロット自体は小説的で映像的ではないのも、
本末転倒でガッカリしました。

そんな訳で個人的には全く駄目だったのですが、
意外にも結構好評で、
もうシリーズ化が予定されているようです。

その評価自体にはあまり納得はゆきませんが、
本格ミステリー映画がまた作られること自体は、
とてもとても嬉しいことなので、
次回作はもっと好みのプロットになることを、
期待して待ちたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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「ヘレディタリー 継承」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は祝日ですが、
もともとクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ヘレディタリー.jpg
「ミッドサマー」で話題のアリ・アスター監督の、
長編第一作「ヘレディタリー 継承」が、
今アップリンク渋谷で特別上映されています。
「ミッド・サマー」の記事を書いた時には、
あたかもこの作品を観ているかのような雰囲気で、
記事を書いてしまいましたが、
実は見逃していました。
2018年の11月の終わりでしょ。
何故かなあ、こういうのは逃さないようにしていたのに、
と悔やんでいて、
たまらずブルーレイも買ってしまったのですが、
小空間とは言え映画館で公開されたので、
これは大変と無理に観に行きました。

これは凄いですよ。

「ミッドサマー」はホラーの要素を外しているでしょ。
長編デビューのこちらはホラー色全開で素晴らしいですね。
ラス前の辺り、怖いですしその濃縮度が凄いのです。

これはね、
「ミッドサマー」と同じように、
2つのホラーのジャンルを組み合わせて成立しているのです。
そのうちの1つは、
現代版幽霊屋敷もので、
昔の幽霊屋敷というのは、
如何にもお化けの出そうな古城などの仰々しい道具立ての中で、
幽霊や怪物が登場するというもの。
それが60年代に「たたり」という作品があって、
シャーリー・ジャクソンが原作ですが、
古典的な幽霊屋敷の道具立てなのに、
1人の女性の病的な心理が幽霊と共鳴するという仕掛けで、
より現代的な心理劇として再構成されています。
これ以降、幽霊屋敷ものは、
心理スリラーのような要素を持つようになります。
更に「悪魔の棲む家」や「家」などの作品では、
古城などではなく、
普通の住宅に住む普通の一家が、
その場の魔力で精神に異常を来すという、
新たなフェーズに入ることになりました。

この現代的幽霊屋敷ものが、
この映画の1つの元ネタです。

そしてもう1つはそれとは別個のあるホラーのジャンルで、
それを組み合わせることにより、
物語は先の読めない展開となり、
ホラーの歴史に残る傑作となったのです。

これね、一番近い雰囲気の作品を探せば、
ロマン・ポランスキーですね。
物語の構成は「ローズマリーの赤ちゃん」ですし、
主人公の狂気の描写は「反撥」や「テナント」を彷彿とさせます。
いずれも大傑作ですが、
この作品決してポランスキーに退けは取っていないですね。
意識は絶対していますよね。
ガラスに映った自分がニヤリと笑うところや、
窓の向こうの小屋に明かりが点くところなど、
「テナント」そっくりの場面があります。
首がゴロンと落ちるのも、
「マクベス」や「テナント」の呼吸ですし、
ラストは「ローズマリーの赤ちゃん」の影響が強いと思います。
魔女は「マクベス」に瓜二つですね。

ポランスキーはホラーを藝術にした映画作家の1人です。

その薫陶を強く受けたこの作品は、
その志においてはポランスキーに及びませんが、
同じ映画藝術の高みに達していると思います。

上映時間は2時間7分。
ホラーのジャンルとしては長いですね。
前半を非常に悠然としたテンポで、
丁寧に描写を積み重ねる形で繊細に表現し、
後半はそれまでに積み重ねたものが、
一気に奔流のように迸るクライマックスになります。
後半の堂々たる仰々しさも凄いですし、
それを実現するための不穏な空気と緊張だけで見せきった、
前半も凄いと思います。

ポランスキーだけではなく、
ジャパニーズホラーを研究したような部分も、
随所に認められ、
特にラス前に女の幽霊(?)が高速移動して襲って来る、
という辺りはジャパニーズホラーを意識しながら、
ある意味それを超えた奇観でした。

それ以外にもドールハウスを巧みに使って、
ヒロインの心理を表現しつつ、
現実とミニチュアの区別があいまいになるような、
奇妙なムードを漂わせたり、
少年が痙攣を起こして倒れる場面で、
1人だけそれをスマホで摂っているクラスメートがいたりとか、
あらゆる技巧や映像手法を駆使して、
「不穏な空気」を表現する手際が鮮やかです。

ホラーのジャンル作でありながら、
それを超えた傑作で、
全く肌合いは違う作品でありながら、
ラストは「ミッドサマー」と同じになるという点も面白く、
監督はポランスキーと同じく、
おそらく倫理的には破綻している人格ではないかと思わせながら、
藝術ホラーを極める孤高の天才の今後には、
目を離せない状態が続きそうです。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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新型コロナウイルス感染と投薬との関連 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
ACE2受容体と感染リスク.jpg
Lancet Respiratory Medicine誌に2020年3月11日ウェブ掲載された、
高血圧と糖尿病の患者さんが、
新型コロナウイルス感染症で重症化しやすいのは何故なのか、
という点を考察した解説記事です。

まとまった論文というものではなく、
1人の専門医の見解を示したものである、
という点には注意が必要です。

これは僕自身はスルーしていたのですが、
フランスの大臣が「イブプロフェンを新型コロナに使うのは良くない」
という趣旨の発言をして、
それに追随する内容をWHOでも示したことによって、
注目を集めている内容の元ネタなので、
改めて読んでみました。

新型コロナウイルス(SARS-CoV2)は、
その名の通りSARSの原因ウイルス(SARS-CoV)と似通っていて、
遺伝子自体も非常に高い相同性があります。

この2つのウイルスは、
いずれもACE2という受容体に結合して、
人間に感染するという特徴を持っています。

ACE2受容体は人間の身体では、
下気道の上皮細胞、腸管、腎臓、そして血管上皮細胞に、
主に発現しています。

高血圧の患者さんに使用される、
ACE阻害剤やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬は、
結果としてACE2受容体を増やす作用があります。
ACE2受容体はまた、
インスリン抵抗性改善剤で糖尿病の治療に使用される、
チアゾリジンジオン(ピオグリタゾンなど)と、
解熱鎮痛剤のイブプロフェンによっても、
増加することが報告されています。

ここで上記論考の著者は、
糖尿病の患者さんや高血圧の患者さんは、
上記のACE2受容体を増やすような薬剤を使用していることが多く、
そのために新型コロナウイルスの感染を、
より受けやすいのではないか、
という推論を行なっています。

ただ、他方でACE2には炎症を抑制するような働きもあり、
その点はむしろ上記の推論に反するものです。
ACE2発現に関わる遺伝子多型が、
その重症化に関連しているのではないか、
という仮説もあり、
今後の検証を要する事項だとしています。

シンプルに考えると、
ACE阻害剤やARBの方が継続的に使用されている方が多く、
ACE2の誘導も高いと想定されるので、
仮にそうした薬剤の使用と、
新型コロナウイルスの重症化との間に、
関連があるとすればこれは大きな問題ですが、
今のところ本当に推論に過ぎないので、
当該の薬をお飲みの方は、
あまり無用の心配はされない方が良いように思います。

これは今の時点で、
実臨床的な根拠はない推論ですし、
個人的には差はあっても、
大勢には影響しないレベルであるように思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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ACE阻害剤やARBの中止とそのリスク [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日で診療は午前中で終わり、
午後は産業医面談などで都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
ACEsogaizai.jpg
2020年のJAMA Internal Medicine誌に掲載された、
腎保護作用のある降圧剤の、
腎機能低下時の中止のリスクについての論文です。

ACE阻害剤とアンジオテンシン2受容体拮抗薬(ARB)は、
いずれも体液とナトリウムを身体に保持する作用のある、
レニン・アンジオテンシン系を抑制することにより、
血圧を下げる降圧剤として広く使用されています。

このタイプの薬剤は血圧を下げる作用以外に、
心臓や腎臓などの臓器保護作用があり、
軽度の腎機能低下においては、
その進行予防効果があることが知られています。

ただ、その使用により腎機能の指標である糸球体濾過量は、
低下することがあるため、
推計糸球体濾過量が30mL/min/1.73㎡未満と、
腎機能が高度に低下した状態においては、
その使用は中止されることが通常でした。

海外のデータによると、
ACE阻害剤やARBが開始されても、
その半数は5年以内には中止されている、
という統計もあるようです。

しかし、その根拠はそれほど明確ではなく、
腎機能は低下していても、
その使用継続は患者さんにメリットがある、
という見解もあります。

今回の研究はこの点を検証したもので、
アメリカにおいてACE阻害剤もしくはARBを使用していて、
その経過中に推計糸球体濾過量30mL/min/1.73㎡未満となった、
トータル3909名の経過を観察しています。
後からデータを解析しているもので、
最初に患者さんを登録して経過をみるような臨床試験ではありません。

その結果、
患者さんの平均年齢は73.7歳で、
糸球体濾過量が30mL/min/1.73㎡未満となって6ヶ月以内に、
1235名は投薬が中止されていて、
2674名はそのまま継続されていました。

投薬が中止された患者さんを、
そうでない患者さんとマッチングさせて、
その後中間値で2.9年の経過を解析すると、
ACE阻害剤とARBが中止されることにより、
中止しない場合と比較して、
総死亡のリスクは39%(95%CI:1.20から1.60)、
心血管疾患のリスクが37%(95%CI: 1.20から1.56)、
それぞれ有意に増加していました。
一方で透析が必要となるような末期腎不全のリスクについては、
両群で有意な差は認められませんでした。

このように今回の検証においては、
糸球体濾過量が30mL/min/1.73㎡未満の状態でも、
ACE阻害剤やARBは中止しない方が、
その後の心血管疾患に関わる患者さんの予後には、
メリットが大きいという結果でした。

ただ、これは後からデータを付き合わせたものなので、
今後より精度の高い臨床研究において、
データが積み重ねられることが、
必要であるように思います。

ACE阻害剤やARBを腎機能の低下を理由に中止する時には、
これまでより慎重な検討が必要であるようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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新型コロナウイルス感染症の上気道ウイルス量の推移 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
コロナウイルスの上気道ウイルス量.jpg
the New England Journal of Medicine誌に、
2020年2月19日にウェブ掲載された、
新型コロナウイルスSARS-CoV-2)の上気道感染についての、
書簡形式の論考です。

ここでは17名の新型コロナウイルス感染症で、
発熱などの症状のある患者さんに対して、
経時的に鼻腔と咽頭の検体を採取して、
その推定されるウイルス量の推移を検証しています。
家族内感染で無症状である患者1名においても、
同様の検証を行なっています。

その結果、
症状のある患者さんでは、
症状出現とほぼ同じ時期には、
既に鼻腔や咽頭にウイルスは検出されていて、
推定されるウイルス量は、
咽頭より鼻腔の方が多くなっていました。

無症状の1名の患者においても、
同様の咽頭や鼻腔におけるウイルス量の増加は認められていて、
症状のあるなしに関わらず、
想定される潜伏期の終わりから、
少なくとも5日間は周辺に感染力を持つことが、
推測ではありますがほぼ確認されました。

このウイルスの上気道での検出のパターンは、
SARSを引き起こしたコロナウイルスより、
インフルエンザに似たパターンであると説明されています。

SARSは症状のない潜伏期には感染力はほぼなく、
症状が出現してから早い時期に上気道のウイルス増加は始まって、
10日後くらいにピークに達します。
そして血液中でウイルスに対する抗体が増加する14日後くらいになると、
ウイルス量も減少します。

一方でインフルエンザは、
症状の出現する少し前からウイルスの上気道での増加は始まり、
症状の出現時にはほぼピークに達しています。

症状の出た時点で14日間の隔離という、
新型コロナウイルス感染症の現時点での対策は、
このウイルスがSARSコロナウイルと同様の性質を持っている、
ということを前提としていた訳ですが、
それは異なっている可能性が高いのです。

現状の問題は今回の新型コロナウイルスが、
無症状の時期にも感染力を持っていることで、
通常の症状が出現した時点からの対応では、
その封じ込めは困難である理由の1つは、
この点が原因であるようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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新型コロナウイルスのPCR採取部位と陽性率 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
コロナウイルスの採取部位と陽性率.jpg
JAMA誌に2020年3月11日にウェブ掲載されたレターですが、
中国の複数の病院で様々な部位から採取された検体による、
PCR検査の陽性率を比較したものです。

PCR検査でウイルス遺伝子が増幅され検出されれば、
少なくとも新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の、
感染があること自体は確認出来ます。

しかし、不顕性感染があり、
持続的にウイルスが検出されるような事例の報告もある以上、
検査が陽性であるからと言って、
その人が病気であるとは言えません。

また、検査が陰性であっても、
それは新型コロナウイルスの感染が否定された、
ということにはなりません。

病気があっても検査の陽性率は、
検体を採取した部位やウイルス量などによって、
大きく左右されてしまうからです。

先日クルーズ船の不顕性の感染者を受け入れた、
病院の医師の話を聞く機会がありましたが、
日本では多くの場合咽頭から検体を採取して、
PCR検査を行っていたのに対して、
オーストラリアやアメリカでは、
鼻腔からの検体採取がスタンダードになっていて、
鼻腔からの採取でないと陰性でもそうだと認めてくれないので困った、
というようなお話をしていました。

それでは、
採取部位によってどの程度陽性率には差があるのでしょうか?

今回の研究は中国の3箇所の病院において、
臨床診断と遺伝子検査によって、
新型コロナウイルス感染症と診断された205名の患者の、
部位を変えた1070の検体のPCR検査陽性率を検証したものです。

各患者さんにおいて、
いずれかの検査では陽性になっている訳ですが、
感染が確認されている患者でも、
採取部位を変えると陰性となってしまうことがある訳です。

その結果、
最も陽性率が高かったのは、
気管支鏡検査で採取される気管支肺胞洗浄液で、
15検体中13件、93%で陽性となっています。
その次が痰の検体で、
こちらは104検体中75件で陽性で72%の陽性率です。

通常検査されることの多い、
咽頭もしくは鼻腔の検体では、
咽頭が398検体中陽性は126件に満たず、
何と陽性率は32%という低率でした。
鼻腔の検体は8検体中5件で陽性で、
数は少ないのですが陽性率は63%です。

血液サンプルは307検体検査されましたが、
1%に当たる3件のみ陽性でした。
興味深いのは便の検体で、
こちらは153検体中44件が陽性で、
陽性率は29%でした。

このように通常は鼻腔や咽頭の検査で、
PCRが陽性であったとかなかったとかと判断され、
それで陰性であれば感染はない、
というように言われていますが、
実際には同じ患者さんの検査でも、
鼻腔は陽性であるけれど、咽頭は陰性ということもあり、
喀痰では陽性であるけれど、
鼻腔も咽頭も陰性ということが、
決して珍しいことではないのです。

新型コロナウイルスは下気道で増殖することが典型的で、
それは遺伝子からACE2受容体をターゲットとすることが分かっているので、
理屈にも合っている訳です。
そのため痰や気管支鏡検査で採取された洗浄液を検体とすれば、
PCR検査の陽性率は最も高くなるのですが、
咽頭や鼻腔の検体を使用している限り、
その診断能は決して高くはないということを、
その特徴として良く理解しておく必要があります。

それでは全例で下気道の検体を採取すれば良いではないかと、
言われる方があるかも知れませんが、
そうした手技は医療従事者の感染リスクを格段に高め、
特別の防御策を講じる必要があるのです。
簡単にその適応を増やすべきではありません。

少し前に中国から、
PCR検査よりCTによる肺野病変の方が、
より新型コロナウイルス感染症の診断能が高い、
という報告があり、
「そんな訳がないだろう」と第一観としては思ったのですが、
今回のデータを読み、
特徴的な新型コロナウイルス肺炎のCT画像を多く見ると、
満更妄言とも言えない、ということが分かります。

これも実際に新型コロナウイルス肺炎の診療を行なっている、
医師の方から聞いた話ですが、
全くの無症状であっても、
CT上では微細な肺炎像が診断される事例が結構あり、
この病気を疑えば適切なタイミングでCTを撮って、
微細な肺炎像が確認された事例のみを、
病気として診断するという考え方は、
1つの正論ではないか、という気もします。

もう1つ今回のデータで興味深い点は、
便でのウイルスの陽性率が非常に高いことで、
従来もこうした報告は数例のものはありましたが、
今回150件を超える検体検査で、
3割近いウイルス検出率をみたことは、
この病気の性質上非常に重要な知見で、
集団感染はトイレから広がるというケースが、
多い可能性があることを示していると思います。

トイレ後の手洗いと、
トイレの衛生管理が、
極めて重要である可能性が高いのです。

PCR検査を増やせと言われる方は、
仮にこの検査を100倍に増やせば、
診断される患者さんの数も増える一方で、
実際は感染しているのに検査で陰性とされたために、
その患者さんが大手を振って周囲に感染を広げ、
感染が拡大するリスクも格段に増えるということも、
是非理解の上発発言をして頂きたいと思います。

咽頭や鼻腔のPCR検査が陰性であるということは、
感染していない、
ということとは全くの別物なのです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。
このパンデミックの事態が早期に収束しますように。

石原がお送りしました。
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小泉明郎「縛られたプロメテウス」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
プロメテウス.jpg
あいちトリエンナーレ2019で創作され、
「VR演劇史の幕開けを告げる衝撃作」と銘打たれた作品が、
シアターコモンズトウキョウ2020の参加作品として、
東京で初公開されました。

VRで…演劇?
とちょっと興味が沸いたので、
急遽チケットを入手して出掛けてみました。

結果としては発想や構成は、
なかなか面白く刺激的なのですが、
VR自体は最先端という感じのものではなく、
またかなりアートに振っている作品で、
演劇としての面白みは個人的にはあまり感じませんでした。

ただ、これは個々の人の演劇観に左右される事項なので、
「これぞ未来の演劇だ」とお感じになる方もいると思います。

これは60分ほどの作品で、
前半と後半の30分ずつに分かれています。

十数人の観客が暗いホールに入ると、
立ち位置を決めてからVRの機器を装着します。
それで前半はそこで画像を見て、
それから別の部屋に移動します。
そこでは座って今度はモニターを前にヘッドホンで音を聴く、
という趣向になっています。

この構成がなかなか上手いんですね。
30分毎に半分ずつ人を入れるという形で、
人員をスムースに捌く効果もありますし、
この前半と後半が連動する形になっているのですね。
面白くクレヴァ―な発想だと思います。

ただ、結局前半と同じことを、
見方を変えてもう一度繰り返すので、
後半はどうしても退屈にはなるのですね。
僕が観た時にも、
隣で半分寝ている方もいました。

後VRの画像がね、
白黒なんですよね。
出て来るのもモノリスみたいな直方体だったり、
白い線だったりして、
あまりワクワクするような映像ではなかったのが、
期待していただけに少し残念でした。
初期のCGみたいな映像なんですよね。
これじゃ詰まらないと感じました。

もっとカラーで現実にはないようなものが、
リアルに出現して欲しかったですね。
残念!

総じてちょっと理屈先行なんですね。
藝術というか、アートの関連の方は割とそうですね。
それを「演劇」と言われると個人的には抵抗があって、
僕の思う演劇というのは、
もっといかがわしさや疚しさがあって、
それは結局人間の肉体の持つ、
いかがわしさや疚しさのようなものだと思うのですね。
そういう要素は今回の作品には存在していなくて、
だから後半は理屈で理解しろという感じなので、
退屈に感じてしまうのだと思います。

そんな訳で、
演劇を期待したのでやや落胆してしまったのですが、
1つのパフォーマンスとして、
なかなか考えさせる優れた作品であることは確かで、
今後もこうした試みが行われることを期待したいと思いますし、
演劇人がもっとこうした技術を活用して、
演劇と真に融合した作品が生まれることもまた期待をしたいと思います。

演劇の記事が最近少ないのですが、
それなりに観てはいます。
ただ、面白いと思える芝居がなく、
「詰まらなかった」みたいな感想を書くことは、
あまり建設的ではないので書いていません。
特に小劇場は、
批判的に書くと気にされて、
お気を悪くされるような方が多いので、
余計に筆が進みません。
後数本はコロナの影響で中止になりました。

演劇は社会の役に立つから中止にするな、
みたいな意見を言う演劇人の方がいるでしょ。

僕は嫌いなんですよね、そうした言い方。

何の役にも立たないから、
無意味だから、
そこが演劇の魅力ではないかしら。
「意味も価値もないものがあってもいいでしょ。
それを楽しんだっていいでしょ」
というのが、
こうした娯楽の本質ではないかしら。

少なくとも僕はそうしたものが芝居だからこそ、
魅力を感じるのです。

小劇場が中止になったら、
やってる人が破産しちゃうから、
中止にするな、みたいに言うでしょ。
それはそれで深刻な問題だし、
正当な主張であると思いますが、
大きな声で言うようなことじゃないよね。
もっとこっそり申し訳なさそうに言うのが、
それが節度というものじゃないかしら。

そんな風に思います。

密室劇は感染の温床になる、
ということは事実だと思うのです。
だったら、野外劇をやればいいでしょ。
この時期だけ規制緩和して、
みんなで野外劇をすればいいのじゃないのかな。
家にいる観客がネットで繋がって、
そこにフィクションが生まれるような、
そうした演劇もありだよね。
演劇界の重鎮の人も、
そうしたアジテーションをこそするべきではないのかな。
311の計画停電の時も思ったのですが、
こうした危機的な時期だからこそ、
やれるような藝術、やれるような演劇というものが、
あるのじゃないかな。
それを探すことこそが、
演劇人なのじゃないかしら。
演劇にとって劇場は必須のものじゃないでしょ。
寺山修司や唐先生はそうした主張で一世を風靡したんでしょ。
劇場で出来なかったら他でやればいいじゃん。

「コロナがあったって、
ない時と同じように芝居をやらせろ!
1か月以上も練習したんだぞ!」というのは、
ちょっと違うのじゃないかな、
と思ってしまうのです。
芝居は「状況」が作るものだからです。
新型コロナのパンデミックになっていて、
そこでコロナの前に作ったお芝居を、
そのまま演じることが演劇のあるべき姿なのかしら。
それは違うのじゃないかな。
数日で演目を変えて、
状況に合った芝居を創造することも、
それはそれで小劇場ならではの魅力ではないかしら。
小劇場でしか出来ないことではないかしら。

こうしたことが出来る集団に対して、
誰も「演劇など要らない」などとは言わないと思います。

今小劇場に行くでしょ。
入口で「消毒にご協力をお願いします」と言われて、
すし詰めの狭い座席に隣の人と密着して腰を下ろして、
「携帯など音の出るもののスイッチを切って下さい」
というようなお願いと共に、
「コロナ対策で咳エチケットやマスクにご協力下さい」
と言われて、
隣の咳にもビクビクして、
それで正面の舞台で行われる芝居に目を移しますよね。
舞台で行われているこの束の間の虚構と、
この客席のいつもと違う状況や、
その劇場を取り囲む世界の禍禍しさとを比較する時、
果たして劇的なのはどちらでしょうか?

言うまでもないですよね。
劇的なのはこの世界の方で、
舞台ではないのです。

であるとすれば、
予定された芝居を状況と無関係に演じることは、
あるべき姿ではないのではないかしら。
演劇人の皆さんが真に恐れるべきなのは、
予定された上演を中止に追い込まれることではなく、
フィクションの世界より現実の重みが途方もなく大きい、
この不均衡の存在ではないかしら。
そして真に演劇人が考えるべきなのは、
この現実と虚構の刃でどう立ち向かうのか、
ということではないかしら。

そんな風に思います。

すいません余計な繰り言でした。

また面白いお芝居があるといいな。
感染防御には気を配りつつ、
劇場に足を運び続けたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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「初恋」(三池崇史監督) [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前午後とも石原が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
初恋.jpg
三池崇史監督の新作「初恋」が、
今ロードショー公開されています。

三池監督というと、
日本映画が元気だった頃の、
プログラムピクチャーの熱気を、
再現してくれるような熱のある作品がある一方、
「金返せ!」と絶叫したくなるような、
絶望的な大作映画や話題作を、
多く演出している監督でもあります。

従って、蓋を開けてみるまで分からないのが、
三池監督の映画なのですが、
今回はかなり会心作ではないかしら、
徹底してプログラムピクチャーの極意を披露していて、
石井輝夫監督の黄金時代に匹敵するような、
異様でデタラメで暴力的で下品でエロチックな、
猥雑な魅力が満載の素敵な映画でした。

役者がまた良かったですよ。

身体を作り込んだ、
ボクサーの窪田正孝もそれらしいオーラがあり、
ベッキー凄かったよね。
ヤケクソすれすれの体当たりの演技には涙が出ました。
ベッキーは何処に行くつもりなのかしら。
好きなタレントではありませんでしたが、
ここまでされたら応援しないではいられません。
偉そうで薄っぺらな芝居をする「演技派女優」に、
爪の垢でも飲ませてやりたいくらい。
染谷将太さんの国宝級のゲスな小物芝居も素晴らしく、
1970年代にタイムスリップしてもらって、
小池朝雄や金子信雄とゲス対決をしてもらいたいくらい。
風格あるヤクザの内野聖陽さんも抜群の安定感で惚れ惚れしますし、
脇にも大森南朋さん、村上淳さん、塩見三省さんと、
これはもう鉄壁の布陣です。
ちょっと石川さゆりみたいな、
チャイニーズマフィアの藤岡麻美さんも良かったですね。

台本も演出もなかなかいいんですよ。
ちょっと主人公があまり活躍しないな、
と言う感じはあるのですが、
群像劇としては人物の絡ませ方も上手くて、
とても充実していますよね。
最初からテンションが高いと、
観ている方もだんだん疲れて来て、
中だるみするのがこうした映画の常なのですが、
染谷将太さんの姑息で何処か間抜けな企みを中心において、
それがどんどん見当違いの方向にずれてゆく、
というシンプルな物語に、
房に付いたブドウのように、
個性的な登場人物の個々の物語を絡め、
それをホームセンターでの深夜の大乱闘に、
収斂させてゆく手際が鮮やかです。

オープニングで、
ヒロインの登場は目のアップからでしょ。
それも貞子みたいな妙なアップ。
意表を突きますよね。
それから汚物の散乱した部屋の中で、
半裸でうごめくようなヒロインの姿に、
タイトルの「初恋」が重なるというセンス。
「ああ、70年代だ」という感じがとても素敵です。

ヒロインがシャブ中で、
かつて犯された父親の妄想を見るのですね。
白いシーツが不気味に盛り上がって、
人間の形になるところ、
シュールでいいですよね。
これ元ネタは大和屋竺ですね、多分。
そのお父さんが山中アラタさんで、
彼女が妄想を見ながら沖縄民謡を聴くと、
それに合わせて踊りだすのです。
このデタラメで滑稽で無残なセンス。
とても良いです。

それ以外にもイチイチ書いていても切りがないのですが、
内野聖陽さんにかつて日本刀で片腕を切り落とされた、
チャイニーズマフィアの暴れん坊が、
内野さんの片腕を切り落とそうと、
青龍刀を持って勝負するとか、
何かワクワクするでしょ。
そして矢張りベッキーですね。
この映画の彼女の存在こそ、
かつての東映プログラムピクチャーそのものです。

ラストも綺麗に終わるでしょ。
きちんとシャブ中からの更生も描いて、
前半の台詞で登場する高倉健を伏線に、
雪の遠景で締め括る辺りにも、
作り手のセンスを感じました。

そんな訳で多分これまで観た中では、
最も好きな三池崇史映画で、
「スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ」も良かったですが、
少しくどくて長かったですし、
その点この作品は締まるところは綺麗に締まって完成度が高く、
三池崇史監督でなければなし得ぬ世界で、
とても素敵な時間を過ごすことが出来ました。

監督素敵な映画をありがとうございます。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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新型コロナウイルスの2つのタイプについて [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
コロナウイルスの2つのタイプ.jpg
National Science Review誌に2020年3月3日ウェブ掲載された、
新型コロナウイルスの2つのタイプについての論文です。

北京大学などの研究者によるもので、
一般にも報道されるなどして話題になりました。

ただ、この区分けが臨床的に意味のあるものかどうか、
と言う点については、
どちらかと言うと否定的な意見が現時点では多いようです。

この論文においては、
103名の新型コロナウイルス感染症の患者さん由来の、
ウイルス遺伝子を解析し、
その遺伝子配列の微妙な差異について検証しています。

その結果、
ウイルス自体はほぼ同一であったものの、
特徴的な2つのSNPs(一塩基多型)が認められ、
それにより28144という部位でアミノ酸がロイシンになるものをL型、
セリンになるものをS型と上記論文の著者らは命名しています。

そして、
この変異により新型コロナウイルスを2つに分けると、
L型が70%を占め、S型が30%を占めることが確認されました。
遺伝子の系統的な解析から、
S型がより古く、
途中でL型が生まれた可能性が示唆されました。

ここまでは一応事実と言って良いものです。

ただ、新聞記事などでは、
S型はより重症化し易く致死率が高く、
そのため流行は拡大しにくく、
その一方でL型は重症化はより少ないものの、
感染はより広がりやすいと説明されていますが、
そうした推測はあまり論文上では重視されていませんし、
何より症例の詳細がそれほど明確に分かっているものではないので、
そこまでのことが言えるデータではありません。
S型の方が毒性が強いという性質が、
別に証明されている訳ではないからです。

また、そもそも2つのSNPsでウイルスを分類することが、
妥当であるかどうかははなはだ疑問で、
単純にウイルス遺伝子の変異の解析から、
1つのパターンとして仮定されているだけです。

今後はS型に的を絞った対策が必要ではないか、
というところまで突っ込んだ解説もありましたが、
もうそこまで行くと、
砂上の楼閣のようなあやふやな議論に過ぎません。

個人的な意見としては、
そこまで明確な差異が、
この2つのタイプにあるとは考えにくく、
マイナーな変異を針小棒大に表現しているだけのように、
現時点では思われます。
シンプルに考えれば2つの一塩基多型が見つかる程度で、
今回の新型コロナウイルスの遺伝子は、
現時点ではほぼオリジナルのままに維持されながら、
世界中に感染を広げているという想定の方が、
より確からしい見解であるように思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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カリウムによる脳卒中予防効果 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
カリウムの脳卒中予防効果.jpg
2014年のStroke誌に掲載された、
食事に含まれるカリウムの脳卒中予防効果についての論文です。

食事のカリウムを多く摂ると、
脳卒中になるリスクが低下する、
という知見は以前からあります。

有名なものでは1987年のNew England…誌の論文があり、
ここではカリウムの摂取量が多いほど、
脳卒中の発症リスクが低下するという関連が、
特に女性において明確に見られていました。

他にも複数の報告があり、
何故か主に女性において、
カリウムによる脳卒中発症抑制効果が報告されています。
その一方で少数ですが無関係というデータもあります。

今回の研究はアメリカにおいて、
50から79歳の女性93676名を登録し、
平均で11.1年の経過観察を行って、
食事調査によるカリウムの摂取量と、
観察期間中の脳卒中の発症との関連を検証しています。

その結果、
1日のカリウムの摂取量が最も少ない1925.5mg未満と比較して、
最も多い3193.6mgより多い群では、
脳卒中全体のリスクが12%(95%CI: 0.79から0.98)、CI
虚血性梗塞のリスクが16%(95%CI:0.74 から0.96)、
総死亡のリスクも10%(95%CI:0.85から0.95)
それぞれ有意に低下していました。
この関連は虚血性梗塞で高血圧のない女性でより大きく、
27%(95%CI:0.60から0.88)虚血性梗塞のリスクを低下させていました。
一方で出血性梗塞とカリウムの摂取量との間には、
明確な関連は認められませんでした。

通常カリウムはナトリウムと拮抗し、
カリウムの摂取はナトリウムの排泄を促すので、
血圧を低下させる効果があるとされていて、
それが脳卒中予防に有効なのではないか、
というのは想定されるところです。

ただ、今回のデータでは、
血圧が正常である女性の方が、
カリウムの予防効果は強くなっています。

それはどうしてでしょうか?

上記文献の考察では、
カリウムに血流改善作用があり、
それが有効に働いているのではないか、
という推測をしています。

その真偽はまだ不明ですが、
血圧とはあまり関わりなく、
カリウムの摂取に女性において虚血性梗塞の予防効果があることは、
ほぼ間違いのない知見で、
その性差の理由を含めて、
今後の知見の積み重ねに期待したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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