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「AI崩壊」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で、
午前午後とも石原が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
AI崩壊.jpg
入江悠監督が完全オリジナルの近未来アクション映画、
「AI崩壊」を完成させて、
今ロードショー公開されています。

これは日本の娯楽映画としては、
相当頑張った部類だと思います。
ハリウッドのB級のアクション映画や、
韓国のアクション映画の水準作と比較しても、
そう引けは取らないのではないでしょうか。

でもこれだけ頑張ったのに、
あまり批評などは良くないですね。

残念なことだと思います。

個人的には「ご苦労様」と言いたいです。

勿論かつての東宝特撮大作や、
角川映画と同じように、
「かなり背伸びした感」はあるのです。
「地球防衛軍」の、
地球を攻撃する宇宙人と富士の裾野で大決戦とか、
「妖星ゴラス」の、
地球をロケットで動かして星の追突を避けるとか、
「復活の日」の、
新型インフルエンザで人類絶滅とか、
それをこの低予算で、この技術力とスタッフでやるのですか、
それ無理ですよね、無理でもやるんですか、
どうするの?
というような感じの背伸び感です。

どの映画も公開当時は批評はケチョンケチョンでした。

でも今観ると結構カルトで面白いし、
東宝映画はその先見性や中毒性が、
その後世界的にも評価されたでしょ。

いつの時代にも、
日本映画の同時代の評価は、
専門家からただの映画ファンまで、
先見性がなく、
本当に頑張った映画人の、
足を引っ張る役目しか果たさないのではないでしょうか?

話を戻します。

入江監督は「22年目の告白」を観て、
これはオリジナルではないのですが、
ハリウッドや韓国映画の良いところを、
研究して換骨奪胎するようなセンスに感心しました。

今回の映画はしかも監督の脚本によるオリジナルで、
そのセンスは今回も随所に発揮されていました。

最初を2023年という、
今より数年後にもってきて、
そこからバババっと時の流れを早回しして、
2030年に進むというオープニングが上手いですよね。
最後の台詞を含めて、
大風呂敷を広げた話を、
最後に1つの家族の物語に帰着させる、
という作劇も定番ですが良いと思います。

主人公は医療用AIを開発した天才科学者で、
何故かAI暴走の犯人にされて追われるのですが、
超人的な働きで逃げ続けます。
そんな訳ないじゃん、と思うところですが、
そう突っ込まれるのを想定の上で、
主人公をスーパーマンにするのは、
これはハリウッド映画の呼吸だと思います。

これね、予告編とは映像が質感も含めて全く違うんですね。
多分予告編の段階で本編がまだ仕上がっていなくて、
ギリギリのタイミングだったのだと思うのですが、
それでいてしっかり全場面が撮り切れていて、
「あっ、このカットが撮れてない」
というようなところがないでしょ。
その辺のこだわりは凄いと思います。
角川映画はその辺が全然駄目でしたもんね。

キャストも非常に頑張っていました。
大沢たかおさん、賀来賢人さん、岩田剛典さん、
という3人がいずれも熱演で、
脇に至るまで、
出なくてもいいような特出みたいな人は、
殆どいなかったですね。
これも凄いと思います。

うーん、ちょっとほめ過ぎかも知れないな。

あくまで今の日本映画の水準でみれば、
という話なので、
期待し過ぎてガッカリはしないで下さい。
ほどほどの期待を持って、
温かい目で鑑賞して頂ければと思います。
(お前は誰だよ!)

でもこの5年くらいは映画をコンスタントに観ていて、
昨年くらいから、
日本映画はそう悪くないですよね。

もっと自国の頑張った映画を、
褒めて育てて上げても良いのではないかしら。

そんな風に思いました。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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