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大脳辺縁系優位型老年期TDP-43脳症(LATE)の臨床 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの面談などには廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
LATE.jpg
2019年のBrain誌に掲載された、
最近その重要性がクローズアップされている、
新しい認知症のタイプについての総説です。

老年期認知症の代表と言えばアルツハイマー型認知症です。

この病気は物忘れで始まり、
脳の海馬という部分が萎縮することが特徴です。
進行すれば、全ての認知機能が低下します。
アルツハイマー病の脳では、
老人斑という変化と神経原繊維変化という変化が認められます。
老人斑の主成分はアミロイドβ蛋白で、
神経原繊維変化の主成分はタウ蛋白です。

アルツハイマー病で起こる最も初期の変化は、
アミロイドβ蛋白の蓄積です。
このアミロイドβ蛋白は、
正常の神経細胞からも分泌される物質で、
神経の保護やその成長の促進などに、
一定の役割を持っていると考えられています。
つまり、それがあること自体は害ではないのです。

ところが、
この蛋白が重合し凝集することで、
組織に蓄積し、老人斑を形成します。

最近の研究により、
通常のアミロイドβより2個アミノ酸の多い、
アミロイドβ42という変性アミロイドβ蛋白質が、
互いにくっつきやすい性質を持ち、
それが固まることで排泄されずに、
組織に沈着することが分かりました。

アミロイドβ42が凝集し蓄積すると、
髄液のアミロイドβは減少します。
このため現時点で最も早くアルツハイマー病の始まりを診断する検査は、
髄液検査で髄液中のアミロイドβ42の減少を確認することです。

アミロイドβ42の蓄積から10年から15年が経過してから、
今度はリン酸化したタウ蛋白の蓄積が起こります。
(20年とする記載もあります)
異常にリン酸化したタウ蛋白が、
神経細胞内に蓄積し、
それに伴って神経細胞が死滅してゆきます。

アミロイドβ42の蓄積が始まってから、
最短で10年でタウ蛋白の蓄積が始まり、
それから更に15年くらいでようやく物忘れなどの症状が出現します。

つまり、
70歳で発症したアルツハイマー病の最初の変化は、
45歳くらいから既に始まっている、
ということが言えます。

このように、
認知症の症状があって、
アミロイドβの沈着を伴うような脳の変化があれば、
ほぼアルツハイマー型認知症として考えるのが現状の認識です。

タウ蛋白の蓄積自体は、
アルツハイマー型認知症以外でも、
高齢になれば生じることは知られていて、
高齢でゆっくり進行する物忘れなどの症状は、
アルツハイマー型認知症とは別個に、
高齢者タウオパチーと呼ばれていて、
神経原繊維変化型老年期認知症や、
嗜銀顆粒性認知症と病名が付けられています。

ところが…

アルツハイマー型認知症と臨床的に診断されている患者さんのうち、
実は少なからずが別の病気ではないか、
というのが今回の論文の内容です。
その比率は3分の1に達するのではないかという推測もあり、
もし本当であればこれまでの考え方が、
ひっくり返るような事態です。

その本態は、
TDP43という、
アミロイドβともタウ蛋白とも違う、
別個の異常タンパクが脳に沈着するという、
全く別の病気なのです。

これが大脳辺縁系優位型老年期TDP-43脳症、
略してLATEです。

TDP-43というのは、
認知症にもなることがある前頭側頭葉変性症や、
難病の筋委縮性側索硬化症において、
変性した神経細胞などに発現している異常タンパク質で、
その構造は2006年に同定されました。

神経変性疾患の一部は、
このTDP-43の沈着による病気であることが、
徐々に明らかになっているのです。

この中でアルツハイマー型認知症と臨床的には診断されていた事例や、
アミロイドβの沈着が生前に確認されていない老年期認知症の事例で、
死後の解剖所見により、
脳神経細胞にTDP-43が異常に沈着したケースが多く報告されました。

その所見には一定の傾向があり、
一部の事例は海馬の硬化症を伴っていて、
TDP-43の沈着は偏桃体から始まり、
海馬から前頭葉の中前頭回に広がるという特徴のあることが確認されました。
臨床的には比較的高齢発症で、
ゆっくりと進行する認知症の症状が生前に確認されており、
これを大脳辺縁系優位型TDP-43脳症と定義したのです。

TDP-43の同定以降に行われた解剖による病理所見の検討では、
80歳以上の年齢層で2割を超える事例に、
LATEを示唆する所見が認められています。
その多くは生前にはアルツハイマー型認知症と診断をされていました。
その生前のMRI所見は広範な脳萎縮を示し、
アルツハイマー型認知症と違いのない所見です。

ゆっくりと進行する高齢の認知症で、
アミロイドβの沈着が検査により確認されなければ、
従って高率にLATEの可能性が示唆されますが、
アミロイドβのマーカーが陽性であっても、
LATEでβアミロイドの蓄積も伴う事例もあるので、
その認知症の主体がどちらであるかは確実とは言えません。
アルツハイマー型認知症のリスクを高める遺伝子素因は、
同時にLATEのリスクであることも確認されていて、
このことからは、
両者が全く別の病気であるとも言い切れません。

現状明確に両者を鑑別するような検査や症状は見つかっておらず、
その生前診断のための方法の開発が、
今後緊急の課題であると思われます。

アルツハイマー型認知症の治療や研究は、
現時点でやや行き詰まりを見せていますが、
実はその裏にLATEの存在があるのでは、
というのが最も興味深い点で、
今後の研究の進捗を、
大きな興味を持って見守りたいと思います。

認知症についての考え方は、
おそらく今後大きく変わることになりそうです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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電子タバコの肺疾患リスク [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
電子タバコの肺疾患リスク.jpg
2019年のBritish Medical Journal誌に掲載された、
電子タバコの吸引と関連した肺疾患の流行についての解説記事です。

アメリカで今大きな問題となっているもので、
日本でも対岸の火事とは言えないものです。

タバコの代替品として、
急速にその利用が広まっているのが、
非燃焼・加熱式タバコや電子タバコです。

非燃焼・加熱式タバコというのは、
葉タバコを燃焼させる代わりに、
加熱して吸引することにより、
その煙による害を和らげようという商品で、
基本的にはタバコとその性質は同じです。

一方で電子タバコは、
タバコに似た匂いのある液体を、
専用の器具で蒸気にして吸引するもので、
タバコとは基本的に別物です。
その液体には少量のニコチンが含まれている場合とない場合があり、
日本ではニコチンを含む商品は認められていません。

非燃焼・加熱式タバコに有害性のあることは、
間違いがありませんが、
電子タバコにどの程度の有害性があるのかについては、
まだ結論が出ていません。

2017年に日本呼吸器学会が発表した見解では、
非燃焼・加熱式タバコのみならず、
電子タバコも健康に悪影響がもたらされる可能性があり、
使用者から拡散するエアロゾルが、
周囲に悪影響を与える可能性があるので、
飲食店や公共の場所、公共交通機関での使用は認められない、
とされています。

ただ、その根拠がそれほど現時点で明確、
という訳ではなく、
禁煙治療に一定の有効性があるという報告もあり、
それを後押しするような意見もあります。

ところが…

直近の2ヶ月間にアメリカの30の州において、
電子タバコの吸引後に発症した、
450件を超える重篤な肺疾患の事例が報告され、
そのうち死亡事例も5件を超えています。

共通する症状は咳や呼吸困難や胸部痛ですが、
吐き気や嘔吐、下痢を伴う事例も複数報告されていて、
だるさや発熱、体重減少を伴う事例もあります。

こうした状況を踏まえてアメリカのCDC(米国疾病予防管理センター)は、
原因がはっきりするまで電子タバコの使用を控えるように警告しています。

アメリカではニコチンを含む電子タバコも流通していますが、
報告はニコチンのあるなしに関わらず認められていて、
どうやら電子タバコによる肺臓炎などの症状は、
ニコチンなどのタバコ特有の成分とは、
無関係の現象という可能性が高いのです。

それでは危険ではない筈の電子タバコの、
一体何が病気の原因となっているのでしょうか?

1つの可能性は電子タバコの吸引器を利用して、
大麻由来の成分であるテトラヒドロカンナビノールや、
カンナビスオイルを吸引している人がアメリカでは多く、
それが影響しているという可能性があります。

もう1つ電子タバコに含まれている可能性のある成分のうち、
ビタミンEから得られる油であるビタミンEアセテートが、
吸引することにより有毒な影響を肺組織に与えるのではないか、
という仮説があります。

ただ、これもまだ実証されたものではありません。

いずれにしても、
電子タバコによる肺障害は日本においても起きる可能性は否定出来ず、
その使用はアメリカと同じように、
現時点では慎重に考えた方が良さそうです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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ソフトドリンクと死亡リスク(2019年ヨーロッパの疫学データ) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日なので、
診療は午前中で終わり、
午後は産業医の面談などで都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
ソフトドリンクと死亡リスク.jpg
2019年のJAMA Internal Medicine誌に掲載された、
ジュースなどのソフトドリンクを飲む習慣と、
生命予後との関連を検証した論文です。

砂糖などの糖質を含むジュースなどの甘い飲み物が、
血糖値を上昇させて肥満の原因となり、
糖尿病や心血管疾患のリスクとなって、
生命予後にも悪い影響を与えることは、
これまでにも複数の疫学データで指摘をされていて、
そうした健康リスクを背景に、
イギリスでは砂糖税が導入されていることは、
これまでにも話題にしたことがあります。

その代用品として広く出回っている、
カロリーのほぼない人工甘味料を、
砂糖やブドウ糖の代わりに使用した飲み物の健康リスクについては、
砂糖加糖飲料と比べればリスクが少ないことは、
ほぼ間違いがありませんが、
一定の健康リスクがあるのではないか、
というようなデータや意見もあり、
その使用には賛否があって一定の結論には至っていません。

今回の研究はヨーロッパの10カ国において、
451743名の一般住民を中間値で16.4年という長期の経過観察を行っています。

その結果、
1日にソフトドリンク(砂糖加糖飲料と人工甘味料を含む)を、
250ミリリットルは飲まない人と比較して、
1日500ミリリットル以上飲む人は、
総死亡のリスクが17%(95%CI: 1.11から1.22)有意に増加していました。
これを砂糖加糖飲料と人工甘味料飲料に分けて分析すると、
砂糖糖加飲料では総死亡リスクは8%(95%CI: .1.01から1.16)、
人工甘味料飲料では総死亡リスクが26%(95%CI: 1.16から1.35)、
こちらも有意に増加していました。

死亡原因を癌と血管系の病気、消化器系の病気、その他、
に分けて分析すると、
総死亡と同様の比較において、
砂糖加糖飲料は消化器系の病気による死亡のリスクを、
59%(95%CI: 1.24から2.05)、
他方人工甘味料飲料は血管系の病気による死亡のリスクを、
52%(95%CI: 1.30から1.78)、
それぞれ有意に増加させていました。

これまで報告されたデータにおいては、
概ね体重増加や肥満と関連が高く、
血糖値の上昇や内臓脂肪の増加との関連が、
指摘されることが多かったのですが、
今回のデータでは肥満と飲み物との関連は、
それほど明確ではなく、
体重増加とは別個のメカニズムが、
ソフトドリンクと死亡リスクとの間にはあることを示唆しています。

また、これまでのデータでは、
人工甘味料飲料の健康リスクは、
砂糖加糖飲料のリスクよりは低いことが殆どでしたが、
今回は意外なことに、
総死亡のリスクは人工甘味料飲料の方が高くなっていて、
死亡原因にも差が認められました。

これは1つの可能性としては、
体調の悪い人が健康を気にして、
砂糖加糖飲料を避けて人工甘味料飲料に乗り換えた、
というようなバイアスの影響も考えられますが、
ひょっとしたら人工甘味料の現在認識されていないリスクの発見に、
繋がる可能性も秘めているような気もします。

今後の検証と知見の積み重ねに期待したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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成人のRSウイルス感染症 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
RSウイルス.jpg
2019年のBritish Medical Journal誌に解説記事ですが、
成人のRSウイルス感染症についてまとめたものです。

RSウイルスは、
急性気管支炎や肺炎を起こす代表的なウイルスの1つで、
いわゆる「風邪症候群」の代表的な原因ウイルスでもあります。

その発見は1957年のことですが、
2016年以降新しい分類が適応され、
それ以前のパラミクソウイルス科から、
ニューモウイルス科、オルトニューモウイルス属に変更されています。

ただ、ネットなどの医療情報は、
日本語のウィキペディアを含めて、
大多数が古い分類のままの記載になっているようです。

1本鎖のRNAウイルスで11の遺伝子から構成され、
インフルエンザウイルスにも似通った構造で、
AとBという2つの血清型が存在しています。

特に1歳未満の年齢において重症化するため、
お子さんのみの感染症のように思われがちですが、
実際には全ての年齢層において、
風邪症状の原因ウイルスとなり、
インフルエンザと同じように、
高齢者や免疫不全のある患者、喘息や慢性気管支炎など、
肺の慢性の病気のある患者では重症化することが知られています。

その感染は、
北半球では主に冬の寒い時期に流行があり、
一方で熱帯地域では、
夏の雨季に流行があります。

日本でも以前はもっぱら冬のみの流行でしたが、
ここ数年は夏場の流行も見られていて、
気候変動の影響を伺わせています。

RSウイルス感染症には、
インフルエンザ感染症と同じように、
鼻の奥の粘膜から綿棒で検体を取って、
5分程度で診断が可能な迅速診断のキットがあり、
日本の臨床でも広く使用されています。

ただ、健康保険の適応となるのは、
主に入院患者と1歳未満の乳児のみですから、
外来で大人の患者さんにこの検査をすることは、
実際にはあまりありません。

迅速診断は症状が出現してから2時間以内に陽性化するので、
インフルエンザの迅速診断と比較すると、
より早期の診断が可能です。
ただ、上記の記事にはその感度は23から74%と記載されていて、
その信頼性はそれほど高いものではありません。
キットも改良は加えられていると思いますから、
この数値より感度も上がっているとは思われますが、
インフルエンザのキットと比較しても、
その感度は低いということは、
押さえておく必要はありそうです。

いずれにしても、
インフルエンザと比較して診断自体がされないというのは、
これは海外でもそうした傾向はあり、
成人のRSウイルス感染症は軽症という先入観があるので、
あまり検査はされずに「風邪」として処理されることが多いのです。

しかし、
治療を要する急性の呼吸器感染症のうち、
RSウイルスを原因とするものは12%に上るという報告もあります。

ある疫学データにおいては、
同時期にインフルエンザやヒトメタニューモウイルスより、
RSウイルスによる入院の事例の方が多かった、
という結果が報告されています。

ただ、小児と比較して重症の事例が少ないことは事実で、
感染者のうち入院が必要となるのは1%未満とされています。
その一方で成人の感染事例で症状がないのは5%未満とされていて、
RSウイルスに感染すると、
風邪症状はほぼ間違いなく出現するけれど、
それが重症化されることは少ない、
というのが実際であるようです。

ウイルスの性質として、
RSウイルスは下気道を含む気道の表面のみで増殖し、
軽度のダメージを与えるだけなので、
感染される人間の側に大きな問題がなければ、
その感染は軽い咳や痰などの症状のみで軽快します。

高率に肺炎や気管支炎を起こすのは、
高齢者などで免疫機能が低下していたり、
心不全や喘息、慢性気管支炎など、
心臓や肺の病気を持っているような状態に限られているのです。

RSウイルスは基本的にAとBの2種類の血清型しかなく、
その両者の免疫が維持されれば、
感染することはありません。
しかし、実際に感染しても抗体は高いレベルでは維持されず、
成人では1年以内には再感染すると考えられています。
子供でも大人でも繰り返し感染するのがRSウイルスで、
大人が軽い感染で済むことが多いのは、
免疫があるからではなく肺の機能などの違いによっているようです。

現時点で確実にRSウイルス感染症を予防するような方法はありません。

有効なワクチンの開発は成功していません。

RSウイルスに対するモノクローナル抗体として、
パリビズマブ(シナジス)が感染の重症化予防のために使用されています。
日本においては2002年から、
早産児と気管支肺異形成症を対象として使用が認可され、
現在では先天性心疾患や免疫不全症、
ダウン症候群と適応が拡大しています。

また、抗ウイルス剤であるリバベリンの吸入が、
海外では使用されていますが、
現状日本では保険適応はありません。

こうした治療は現時点では小児に限定したものですが、
成人にも有効な可能性はあります。

ただ、その明確な有効性は確認されておらず、
その使用は世界的にも推奨はされていません。

このように、
感染症としては成人でも重要でかつ重症化も多いRSウイルス感染症ですが、
その治療や予防の適応など、
整備されるべき問題点は多く、
今後成人においても、
有用なガイドラインの作成が必要だと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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「ダンスウィズミー」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は祝日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら、
ダンスウィズミー.jpg
娯楽映画の名人矢口史靖監督の新作が、
今ロードショー公開されています。

多分「ラ・ラ・ランド」が発想の原点と思われますが、
等身大の人間味のあるミュージカルを、
これまでにない切り口で娯楽映画にしよう、
というような方向性の作品です。

よくミュージカル映画の悪口として、
「普通にお芝居をしているのに、急に歌ったり踊ったりするのは、変だよね」
というパターン化された発言がありますが、
それを逆手に取って、
過去にミュージカルへのトラウマのある主人公が、
催眠術によって、
「音楽が聞こえると、どこでもいつでも歌って踊り出す」
という状態になり、
そのために人生の危機が訪れるので、
催眠術を解いてもらおうと、
借金で姿をくらましている催眠術師を追いかけて、
全国を旅するというロードムービーにしています。

主人公は三吉彩花さん演じる若いOLなので、
女性主人公の自分探しという定番の女性映画の要素に、
楽しいミュージカルの要素と、
これも定番のロードムービーの要素を、
一緒にしてしまえばヒットするだろう、
というそれだけ聞いても、
ちょっと安易だな、大丈夫かしら、
と思ってしまうような企画です。

観た感想としては、
予想をはるかに下回る詰まらなさで、
今年一番と言っていいくらい、
落胆して劇場を後にしました。

ネットで良い感想をいくつか読んだので見ることにしたのですが、
…騙されました。
いわゆるステマであったようです。

勿論個人的感想ですので、
面白かったと思われる方もあれば、
意外に悪くなかった、と思われる方もあるかと思います。

個人的な感想ですのでご容赦下さい。

以下少し悪口になります。
ご不快な方は飛ばして下さい。

これね、そもそも企画として成立していないと思うのです。

催眠術で音楽が聞こえると歌って踊るんでしょ。
でも周囲の人は催眠術には掛かっていないので、
おそらく呆れて見ているだけになる筈です。
それじゃミュージカルにならないので、
最初の2つくらいの場面については、
周囲の人も歌って踊るという、
一生の「妄想シーン」にしているのです。
ただ、妄想ではこれまでのミュージカル映画と変わらないので、
音楽が終わってみると、
みんなは呆れていて、辺りは散らかり放題、
という感じになっています。
でも、結局実際に行われたことはどうだったのかしら。
その辺が胡麻化されているのでよく分かりません。

主人公はレストランで歌って踊った時に、
シャンデリアや高価な食器やワインなどを、
大量に破壊してしまうので、
それで一文無しになってしまう、という設定です。

そこまで破壊的な言動をしているのに、
その後の歌唱シーンは至って穏当で、
ストリートミュージシャンとキャンディーズを歌うところなど、
別に普通の人の歌や踊りと何ら変わるところはありません。

こうした部分を見ると、
凶悪な催眠術で歌わされているというより、
もっと周囲を理解しつつ理性を持って歌っているとしか、
思えないんですよね。

催眠術による歌と踊りというのが、
どういうものなのか、
ただ、普通に歌って踊るだけなのか、
それとも「ジキルとハイド」のように、
別人格が浮かび上がって、
秘められていた力が解放されて、
超人的な身体能力を発揮するものなのか、
その辺りも不明です。

レストランの時はアクロバティックな大暴れをしているので、
超人的な能力が発揮されたようにも思います。
その一方でダンスも歌もお世辞にも上手いように見えませんし、
レストラン以外の場面では、
普通のカラオケか、それ以下のクオリティなので、
とても超人的とは思えません。

この辺りもまるで整合性がないのです。

実際ミュージカル映画という割には、
ミュージカルの場面は極めて少なく、
予告編で流れているのがほぼ全て、と言って、
言い過ぎではないくらいです。

後半のロードムービーの部分では、
もう設定自体をあきらめたのかしら、
と思ってしまうくらいです。

人間ドラマもかなりお寒い感じで、
ちょっと背伸びをして良い会社に入ったOL、
という設定ですが、
仕事や職場の描写にリアリティがないので、
ラストに主人公のする決断にも、
何ら説得力がありません。
やしろ優の役柄もありきたりですし、
「ウェディングベル」を歌って、
不実な男性の結婚式に殴り込むなど、
あまりに捻りのない設定には開いた口が塞がりませんでした。

総じてノスタルジックでベタな感じを売りにしているのですが、
そもそも日本にミュージカルの伝統などはなく、
仮にあるとすれば、
劇団四季と東宝ミュージカルでしょうから、
パロディにするならそうした部分に切り込むべきで、
今回題材になっているのは、
歌謡曲が全盛の時代の「歌謡ショー」ですよね。
歌謡ショーがテーマであるなら、
それをもっと前面に打ち出すべきではなかったのかな、
というように感じました。
今回の作品で描かれているミュージカル部分は、
歌謡ショーなのかミュージカルなのかが不明瞭で、
その点が一番の計算違いであったように思います。

多分企画の時点で迷走したのでしょうが、
設定が思いつきの域を出ないままに作品化され、
最後まであいまいなまま終わってしまった、
という作品であったように思います。

テレビで見る価値もないかな、というようには思いますが、
勿論三吉彩花さんのファンであれば、
必見とは思います。
でも、どこかのCMの三吉さんの方が、
正直100倍良かったですね。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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「アス」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
アス.jpg
「ゲット・アウト」というSFホラーの快作で、
鮮やかなデビューを飾った鬼才ジョーダン・ピールの、
長編劇映画第2作「アス」が今ロードショー公開されています。

今回も前作に負けず劣らず面白い映画でした。

個人的には最高と言って良いくらい。
ホラー色のあるSFミステリーというジャンルなのですが、
このジャンルの作品としては、
歴史的に見ても最上の部類の作品です。

小児期のトラウマを抱えて成長した女性が、
家族と共に生まれ故郷に戻ると、
そこで奇怪な事件に遭遇します。
闇から現れた自分達そっくりの化け物じみた家族が、
自分達に成り代わろうと襲って来るのです。

自分達そっくりの怪物の正体は、
一体何なのでしょうか?
怪物は何の目的で、何処から現れたのでしょうか?
謎をはらみながら過激に物語は展開し、
意外に奥の深い謎の答えと、
予想外の展開が観客を待っています。

前作「ゲット・アウト」と同じように、
今の時代の空気を反映している作品ではあるのです。
ただ、何かを比ゆ的に表現したり揶揄したり、
社会批評的なことはしていません。
つまり、フィクションとしてしっかり完結していて、
現実の要素を必要とするような作品ではないのです。

その点がまずとても好印象です。

これは骨格は古典的なミステリーの、
使い古されたワンアイデアなのですが、
それを仰々しくも荒唐無稽で大袈裟な設定に覆い隠すことによって、
先が読めないスリラーに仕立てている点がとても巧みです。
SFミステリーはこうでなくちゃな、という感じです。
これはイギリスのミステリー作家、
ジョン・ブラックバーンやピーター・ディキンスンが得意とした手法で、
それを巧みにオリジナルの脚本に取り入れています。

これだけで思わず踊り出したくなるほど歓喜します。

演出もとても巧みで、
それほど予算を掛けているという訳ではないのですが、
パニック描写やアクションシーンに、
様々な別種のパターンを織り込んでいて、
物語ではなく演出技巧だけでも楽しめるという、
マニアックな世界を出現させています。

この辺りはヒッチコックを彷彿とさせます。

ヒッチコックの作品は色々な形で使われていますが、
特に「鳥」が今回はモチーフとなっていて、
最初にはそっくりのカットもありますし、
鳥の恐怖が伝染しつつ拡大するタッチを、
巧みにこの物語に取り入れています。

ネットなどの感想では、
設定が辻褄が合わない、とか、
説明されない部分がある、というような点が、
この作品の欠点として語られていますが、
個人的な意見としてはそれはナンセンスで、
こうしたSFスリラーでは、
半分くらいだけ理屈で説明して、
残り半分は意味不明のまま宙吊りにしておくのが、
1つのセオリーで、
全て説明してしまうと理が勝ちすぎて、
作品の怖さはなくなってしまうのです。

今回の映画に関しては、
その説明する部分としない部分とのバランス、
辻褄の合う部分と合わない部分とのバランスは、
こうしたジャンル作としては絶妙であったと思います。

これでいいのです。

そんな訳で個人的にはとてもとてもお気に入りの1本で、
同じ趣味の方には「絶対に見逃すな!」と強く言いたい作品です。
こうした映画を大スクリーンで観る機会は、
とても貴重なものだからです。
シャマラン監督にも昔は同様の期待をしたのですが、
今になってみると彼は偽物でした。
その点ジョーダン・ピールは、
間違いのない本物です。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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鵺的「悪魔を汚せ」(2019年再演版) [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前中は中村医師が、
午後2時以降は石原が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
悪魔を汚せ.jpg
アングラ色の強い舞台が魅力の鵺的が、
2016年に初演されて好評であった「悪魔を汚せ」を、
ほぼオリジナルキャストで再演しています。

高木登さんによるドロドロの家庭崩壊劇を、
アングラ演出では当代随一の演出家寺十吾(じつなしさとる)さんが、
外連味たっぷりに演出しています。

これは歴史のある製薬会社の創業者の一族が、
当主である老人の死をきっかけにして、
家族同士の闘争が加速し、
屋敷は燃え尽き終焉を迎えるという物語です。

一応現代に時間は設定されているようですが、
とても現代という感じではなく、
ゴシックロマンや横溝正史の作品を彷彿とさせるような物語です。
子供たちの世代が悪魔として暗躍するというのも、
古典的なミステリーを想起させるような趣向です。

ただ、内容に意外性のあるような展開はほぼないので、
ミステリーに傾斜している感じはあまりありません。

正直同じような話が続くので、
退屈に感じる部分はあります。
最初に「家族の嫌な姿を思う存分見せる」
というようなことをセリフで言ってしまうので、
観客としてはどうしても過度な期待を持ってしまい、
「その割には…」という感想になってしまいます。
より過激なものを、と期待をしてしまうのです。
その辺りは構成にもやや問題があるように感じました。
途中で明らかになる家族の秘密と称するものも、
とてもありきたりなのでガッカリします。

ただ、ラストに至る展開の意外性と、
ラストに対決する2人の少女が、
絶叫しつつ終わるというのはとても面白くて、
この部分は斬新で一気に覚醒するような思いがありました。
作家としての高木さんの個性が良く表れた、
名シーンであったと思います。

キャストはトータルにはなかなか頑張っていたと思います。
ただ、親子の年齢差があまりない感じなので、
設定に違和感を感じるという部分はありました。
しかし、作者の高木さんも若者3人をそのままのキャストで再演したかった、
と言われているので、
それは承知の上であったのかな、
という気はしました。

特筆するべきは矢張り演出で、
狭い空間に作り込んだ、
奥行と立体感のあるセットも素晴らしいですし、
闇と光を巧みに使った効果も抜群です。

来年もまた高木さんの作品と寺十さんの演出で、
新作が予定されているようですから、
これはもう最大の期待を持って待ちたいと思います。

アングラ小劇場の好きな方には絶対の贈り物です。
臭って来るような血みどろ家族崩壊劇で、
観劇の夜の悪夢に登場することは確実の、
「残る」芝居です。

ただ、明るさや軽みや笑いや勧善懲悪などの要素は皆無で、
通常の倫理観を踏みにじるようなところがありますから、
「まっとうな感覚のお芝居」を希望される向きには、
全く向いていないということは、
補足しておきたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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甲状腺機能低下症の治療と予後との関係(2019年イギリス疫学データ) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
甲状腺機能と生命予後.jpg
2019年のBritish Medical Journal誌に掲載された、
甲状腺機能低下症の患者さんの治療経過とその長期予後についての論文です。

この分野においては、
とてもとても重要なデータであると思います。

甲状腺機能低下症の多くは橋本病で、
TSH(甲状腺刺激ホルモン)の数値が10mIU/Lを超えるような場合に、
甲状腺ホルモン剤(通常T4製剤)による補充療法が推奨されます。

高度の甲状腺機能低下症は心臓病のリスクになり、
生命予後にも悪影響を与えることが、
これまでの疫学データから推測されているからです。

この場合治療の目標は、
甲状腺機能を正常範囲に保つことです。

具体的にはTSHを0.4から4.0mIU/Lに維持することが、
国際的な甲状腺のガイドラインにおいて推奨されています。

ただ、これはかなり幅のある数値です。

この範囲にあれば、
本当に患者さんの予後には差がないのでしょうか?

こうした疑問が生じるのは、
TSHが基準値内であってもやや高めであったり、
やや低めであることが、
生命予後や心臓病の予後に、
影響を与えることを示唆する疫学データが存在しているからです。

ただ、これまでのそうしたデータは、
甲状腺ホルモン剤による治療の事例は除外していたり、
含まれていても明確に区別をされていないものが殆どで、
逆に治療中のデータに関しては、
特定の甲状腺専門病院の単独施設のデータが多く、
それを一般化することは難しいのが実際でした。

今回の研究はイギリスのプライマリケアの電子データを活用したもので、
甲状腺機能低下症で治療をされている、
トータル162369名の患者さんの、
のべ863072回のTSH測定データが対象となっています。

TSHが2から2.5mIU/mLを基準にすると、
TSHが10mIU/mLを超える状態では、
心血管疾患の発症リスクは18%(95%CI: 1.02から1.38)、
心不全の発症リスクは42%(95%CI: 1.21から1.67)、
それぞれ有意に増加していました。

TSHが抑制されていると、
心不全のリスクは低下するという関係が見られ、
TSHが0.1から0.4では24%(95%CI: 0.62から0.92)、
TSHが0.1未満では21%(95%CI: 0.64から0.99)、
それぞれ有意に低下が認められました。

総死亡のリスクについては、
TSHが基準値以上でも以下でもリスクの増加が見られ、
TSHが0.1未満では1.18倍(95%CI: 1.08から1.28)、
TSHが4から10では1.29倍(95%CI: 1.22から1.36)、
TSHが10を超えていると2.21倍(95%CI: 2.07から2.36)、
それぞれ有意な増加が認められました。

骨折リスクについては、
TSHが10を超える時のみ、
15%(95%CI: 1.01から1.31)と増加が認められました。

このように、
TSHの基準値を2から2.5と設定すると、
現状の目標値である0.4から4の間であっても、
場合によっては有意な心疾患などのリスクの増加が認められました。

従来はTSHの抑制が良くないとする知見が多かったのですが、
今回の検証においては、
軽度の抑制はむしろ心不全には予防的に働いていて、
生命予後により大きな影響を与えていたのは、
TSHが0.1未満よりも4以上という軽微な上昇の方でした。

つまり、トータルに考えて、
TSHは4を超えないようにコントロールし、
0.1から0.4程度のTSHの抑制は、
患者さんの予後に大きな影響を与えない、
とそう考えて良いようです。

この結果はこれまでのガイドラインなどの記載とは、
少し乖離のあるものですが、
個人的にはこの結果は臨床的な経験からもしっくり来るもので、
甲状腺機能低下症の患者さんにおける甲状腺機能は、
軽微な機能亢進より、
軽微な機能低下をより病的状態と認識する、
という考え方が適切であるように思いました。

あまり言えませんが、
矢張り甲状腺専門施設の単独データは、
国内外を問わずあまり信頼のおけるものではないな、
というのが個人的な見解です。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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亜鉛濃度と脳卒中リスクとの関連について [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
亜鉛濃度と脳卒中リスク.jpg
2019年のStroke誌に掲載された、
血液の亜鉛濃度と脳卒中リスクとの関連を検証した、
中国の研究者による疫学データの論文です。

亜鉛は身体の健康を保つために必須のミネラルで、
貝類、魚、肉などに多く含まれ、
その欠乏は味覚障害や皮膚炎、脱毛や下痢など、
多くの症状の原因となり、
また免疫力の低下などを招くことも知られています。

身体で働く多くの酵素は、
亜鉛が欠乏するとその働きが低下するため、
そのことが亜鉛欠乏による健康影響の、
大きな原因であると考えられていますが、
その詳細は不明の点も多いのが実際です。

2018年には日本の研究者が、
生体の炎症や酸化ストレスなどの調整に、
重要な役割を果たしている細胞外ATP代謝が、
亜鉛の欠乏により影響を受けるのでは、
という仮説の元に、
ネズミの動物実験と培養細胞を用いた実験によって、
その関与を検証し、
一定の関連があるとの報告を論文化しています。
ただ、現状はこうした知見は仮説の域を出ていないものです。

これまでに心血管疾患や感染症など、
多くの病気が亜鉛の欠乏により起こりやすくなる、
というように考えられています。

ただ、その影響がどの程度であるかについては、
あまり精度の高いデータが存在していないので、
明確ではありませんでした。

今回の研究では中国において、
脳卒中の一次予防に関わる臨床試験のデータを活用して、
亜鉛濃度と脳卒中の発症リスクとの関連を検証しています。
599件の脳卒中の患者さんを、
年齢などをマッチングさせたコントロールと比較しています。
(a Nested Case-Control Study)

亜鉛濃度は一般住民の中央値である106.9μg/dL以下であるか、
より高いかで2分しての比較を主に行なっています。
ちなみに明確に亜鉛欠乏と判断されるのは、
日本では60から80μg/dL未満の時とされています。

中央値で4.5年の経過観察において、
新規発症の出血性梗塞のリスクは、
亜鉛濃度が標準以下と比較して、
標準以上では55%(95%CI: 0.21から0.94)有意に低下していました。
一方で虚血性梗塞についてはそうした関連は認められませんでした。
この亜鉛による出血性梗塞の予防効果は、
BMIが25.0以上の過体重で、血液の銅濃度が低値であると、
より高くなる傾向が認められました。

このように亜鉛濃度が低いことは特に肥満の患者において、
出血性梗塞のリスクになることが推測されました。
銅の低値との関連は、
過剰な亜鉛が銅の排泄を促すなどの関係から、
こじつけは出来ますがたまたまの所見であるかも知れません。

これはまだ検証の必要な知見ですが、
亜鉛の欠乏が色々な病気のリスクに関連していることは事実で、
今後より厳密な検証が行われることを期待したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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第47回健康教室のお知らせ [告知]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日なので、
診療は午前中で終わり、
午後は別件の仕事で都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。

今日はいつもの告知です。
こちらをご覧下さい。
47回健康教室.jpg
次回の健康教室は、
9月21日(土)の午前10時から11時まで(時間は目安)、
クリニック2階の健康スクエアにて開催します。

今回のテーマは「身近な痛みの基礎知識」です。

痛みは最も身近で人間を最も悩ませる症状の1つです。

痛みのあるなしで毎日の生活は大きく変わります。

痛みのある人生はつらく、
モチベーションは下がり、
何もする気はしなくなります。
人生の全てを、
「この痛みがもしなかったら」という夢想と、
痛みを改善するための方法の探索に、
費やすようになってしまいます。

つまり、痛みは自由な人間を、
ある種の「奴隷」に変えてしまうのです。

一般の方がお医者さんに行く理由も、
比率として最大と言って良いのが「痛み」です。

その一方で医療機関や医者の側からは、
痛みというのは数値化出来るような客観的な指標ではないので、
やや軽視しがちな傾向があり、
命に関わるような病気でないことが確認されると、
「様子をみてください」のような杓子定規の対応になることの多いのが、
残念ながら現状であるように思います。

以前にも痛みをテーマにしたことがありますが、
今回は頭痛、腰痛、胸痛、腹痛などの部位に分け、
すぐに役立つような情報を中心にまとめる予定です。

今回もいつものように、
分かっていることと分かっていないこととを、
なるべく最新の知見を元に、
整理してお話したいと思っています。

ご参加は無料です。

参加希望の方は、
9月19日(木)18時までに、
メールか電話でお申し込み下さい。
ただ、電話は通常の診療時間のみの対応とさせて頂きます。

皆さんのご参加をお待ちしています。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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