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歌舞伎座八月納涼歌舞伎(2019年第三部) [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
2019年8月大歌舞伎.jpg
歌舞伎座の納涼歌舞伎に足を運びました。

年毎に通俗味を増し、
観るのが辛いような演目が増える歌舞伎座ですが、
今回は玉三郎丈が初めて納涼歌舞伎に出演し、
市川中車が5役を演じて雪之丞変化を再構成するという趣向に、
少し興味が湧いたので伺ってみました。

ただ、実際に観てみるとビックリで、
舞台には殆どセットはなく、
登場するのはほぼ4人の役者のみで、
要するに1人の独白か2人の掛け合いが殆どで、
それ以外は映像を流して処理するという、
ディナーショーの余興のような舞台でした。
市川中車丈も確かに5つのお役を演じはしますが、
そのうちの1役は映像のみの出演です。

これが本当に歌舞伎座で上演する必要性のある舞台でしょうか?

こうした物を求めている観客が何処かにいるのかしら?

かれこれ30年以上は歌舞伎座に足を運んでいますが、
ここまでの手抜きの舞台を観たことは、
未だかつてありませんでした。

色々予算的な問題や企画上のゴタゴタもあったのかしらと、
推測は出来なくもありませんが、
歌舞伎座に足を運ぶ以上、
歌舞伎座でしか観られないものを観たいと思いますし、
こうした低予算の自主公演のようなことが行われるのであれば、
事前に「これはいつものお芝居とは違いますよ」という、
アナウンスはして欲しかったと思いました。

よく宣伝文句などを読むと、
確かにそれらしい怪しげなことは書かれていたので、
行間を読まないお前が悪いのだと、そう言われればそれまでですが、
玉三郎丈の演出と主演で、
中車を相手役に「雪之丞変化」と言われれば、
それなりの本格的な歌舞伎劇を想像するでしょ。
玉三郎丈も確かに自主公演では、
こうしたディナーショーもどきの演出もあったと思いますが、
歌舞伎座の舞台は特別、という認識は、
以前から持たれていたように思いますし、
その美意識には絶大の信頼を置いていたので、
今回の裏切られ感は大きかったのです。

ちょっとダメージが大きくて、
しばらくは歌舞伎を観る元気はなくなりそうです。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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