「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」 [映画]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は土曜日で午前午後とも石原が外来を担当する予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
ハリウッド版ゴジラ映画の新シリーズの2作目が、
今ロードショー公開されています。
最初のハリウッドゴジラは、
東宝特撮映画のゴジラとは別物でしたが、
2014年に新シリーズ化されたゴジラは、
東宝とも連携して製作に当り、
アメリカのスタッフにも怪獣オタクが揃って、
その世界観も東宝特撮映画を、
かなり意識したものに仕上がっていました。
今回の続編はハリウッド製作として、
初めてキングギドラ、ラドン、モスラが、
ゴジラと共に顔を揃え、
かつての「三大怪獣地上最大の決戦」と、
「怪獣総進撃」を、
かなり意識した映画になっています。
要するに、とても馬鹿馬鹿しく楽しい映画です。
映画の前半はアメリカSFアクションという雰囲気で展開されるので、
正直それほど乗れませんでした。
ただ、中段でゴジラとキングギドラが相対する、
という辺りになると、
東宝特撮映画を再現しようという、
意図がかなり明確になって来るので、
その後の馬鹿馬鹿しくも楽しい展開は、
「そうだよね。怪獣映画はこうじゃなくちゃね」
という感じで楽しむことが出来ました。
怪獣が善悪に分かれて、
プロレスもどきに対決するでしょ。
ラドンが洗脳されて敵になって、
キングギドラが目茶苦茶強いので、
一旦はゴジラが負けて海に沈んじゃうんでしょ。
それを人間が放射能で助けようとして、
尊い犠牲が生まれるんだよね。
生き返って二度目の対決があって、
またゴジラ危うしとなると、
モスラが助けに来るんだよね。
まあ、とてもとても定石通りで、
小気味よい感じです。
頭の悪い悪役に、家族の絆に、少女の活躍でしょ。
マッドサイエンティストに、
秘密兵器でオキシジェンデストロイヤーも出て来るんだよ。
ラストにね、
破壊された地球に、ゴジラの力で自然が蘇る、
というようなクレジットが流れるでしょ。
これはもう水木しげるのだいだらぼっちの思想でしょ。
この脳天気な楽天主義と破滅思想。
もうモロに60年代のユートピアです。
東宝特撮映画の黄金時代は、
1960年代ですが、
当時はヒットはしても、
批評家からは馬鹿にされて酷評しかなかったんですよね。
石上三登志さんとか双葉十三郎さんとか、
本当にもうケチョンケチョンで、
当時のアメリカの「放射能X」とか「宇宙戦争」とか、
そういう映画は褒めてたんだよね。
今考えると下らないというか、分かってないというか、
別におバカ映画にはアメリカも日本も、
変わりはないんだよね。
それなのにアメリカ映画は絶賛して、
東宝特撮映画は罵倒するというのは、
単純に日本製は駄目、という先入観があっただけだったのだと、
今は明らかにそう思えます。
当時もっと正当な評価というか、
こんな荒唐無稽な馬鹿馬鹿しい映画を、
精魂込めて作っていたということに、
少しでも理解のある批評があったら、
もっと違った発展が、
日本特撮映画にもあったと思いますよね。
結局素晴らしい未来に繋がる映画の可能性を、
当時の知識人と称する人達が潰してしまったんだよね。
今じゃさあ、
同じような馬鹿丸出しの映画を、
世界中で同じように作ってヒットしているでしょ。
これで良かったんだよ。
でも、今もきっと同じように日本の可能性を、
皆さんが潰しているのだと思います。
これが多分悲しいけれど日本人の個性ですね。
今思うと良かったのは世界観とデザインですよね。
世界で怪獣をコントローラーで制御して、
人間と共存させていると宇宙人がそれを妨害してとか、
斬新だったのじゃないかなあ。
怪獣のデザインが素晴らしいよね。
人間が入る着ぐるみが原点で、
それを感じさせないようにカモフラージュする、
というところに神経を使ったのが、
かえって良かったのではないかしら。
今回の映画でもね、
新たに創造された怪獣のデザインは本当にクズで、
キングギドラやモスラ、ラドンは、
それぞれにCG用にちょっと変えているとは言え、
やっぱり素晴らしいんだよね。
これはもう誇って良いことだと思います。
それなのにね、
公開当時はそれも馬鹿にされたんだよ。
恐竜が放射能で復活したのであれば、
もっと恐竜そのものの形でないとおかしい、
とか悪口を書かれていたんだよ。
何を言ってるんだか。
おバカ映画なんだから、
格好良ければいいんだよ。
生きてる恐竜なんか誰も見たことはないんだし。
正直CGの絵作りは好きじゃないのです。
画面も暗くて、
殆どアンバーとブルーだけの照明でしょ。
もっと原色じゃないと怪獣映画は詰まらないよね。
ただ、後半になると、
割と意識的に着ぐるみの感じを出していて、
それはなかなか良かったです。
人間に救われたゴジラが、
海から出て来るところとか、
着ぐるみっぽくていいよね。
好きです。
そんな訳で東宝怪獣映画が好きな人には、
必見と言っても良い映画です。
ラストとか、ちょっと泣けますよ。
中国資本になって、
モスラは中国に取られちゃった感じですけど、
それも時代だから仕方がないですね。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は土曜日で午前午後とも石原が外来を担当する予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
ハリウッド版ゴジラ映画の新シリーズの2作目が、
今ロードショー公開されています。
最初のハリウッドゴジラは、
東宝特撮映画のゴジラとは別物でしたが、
2014年に新シリーズ化されたゴジラは、
東宝とも連携して製作に当り、
アメリカのスタッフにも怪獣オタクが揃って、
その世界観も東宝特撮映画を、
かなり意識したものに仕上がっていました。
今回の続編はハリウッド製作として、
初めてキングギドラ、ラドン、モスラが、
ゴジラと共に顔を揃え、
かつての「三大怪獣地上最大の決戦」と、
「怪獣総進撃」を、
かなり意識した映画になっています。
要するに、とても馬鹿馬鹿しく楽しい映画です。
映画の前半はアメリカSFアクションという雰囲気で展開されるので、
正直それほど乗れませんでした。
ただ、中段でゴジラとキングギドラが相対する、
という辺りになると、
東宝特撮映画を再現しようという、
意図がかなり明確になって来るので、
その後の馬鹿馬鹿しくも楽しい展開は、
「そうだよね。怪獣映画はこうじゃなくちゃね」
という感じで楽しむことが出来ました。
怪獣が善悪に分かれて、
プロレスもどきに対決するでしょ。
ラドンが洗脳されて敵になって、
キングギドラが目茶苦茶強いので、
一旦はゴジラが負けて海に沈んじゃうんでしょ。
それを人間が放射能で助けようとして、
尊い犠牲が生まれるんだよね。
生き返って二度目の対決があって、
またゴジラ危うしとなると、
モスラが助けに来るんだよね。
まあ、とてもとても定石通りで、
小気味よい感じです。
頭の悪い悪役に、家族の絆に、少女の活躍でしょ。
マッドサイエンティストに、
秘密兵器でオキシジェンデストロイヤーも出て来るんだよ。
ラストにね、
破壊された地球に、ゴジラの力で自然が蘇る、
というようなクレジットが流れるでしょ。
これはもう水木しげるのだいだらぼっちの思想でしょ。
この脳天気な楽天主義と破滅思想。
もうモロに60年代のユートピアです。
東宝特撮映画の黄金時代は、
1960年代ですが、
当時はヒットはしても、
批評家からは馬鹿にされて酷評しかなかったんですよね。
石上三登志さんとか双葉十三郎さんとか、
本当にもうケチョンケチョンで、
当時のアメリカの「放射能X」とか「宇宙戦争」とか、
そういう映画は褒めてたんだよね。
今考えると下らないというか、分かってないというか、
別におバカ映画にはアメリカも日本も、
変わりはないんだよね。
それなのにアメリカ映画は絶賛して、
東宝特撮映画は罵倒するというのは、
単純に日本製は駄目、という先入観があっただけだったのだと、
今は明らかにそう思えます。
当時もっと正当な評価というか、
こんな荒唐無稽な馬鹿馬鹿しい映画を、
精魂込めて作っていたということに、
少しでも理解のある批評があったら、
もっと違った発展が、
日本特撮映画にもあったと思いますよね。
結局素晴らしい未来に繋がる映画の可能性を、
当時の知識人と称する人達が潰してしまったんだよね。
今じゃさあ、
同じような馬鹿丸出しの映画を、
世界中で同じように作ってヒットしているでしょ。
これで良かったんだよ。
でも、今もきっと同じように日本の可能性を、
皆さんが潰しているのだと思います。
これが多分悲しいけれど日本人の個性ですね。
今思うと良かったのは世界観とデザインですよね。
世界で怪獣をコントローラーで制御して、
人間と共存させていると宇宙人がそれを妨害してとか、
斬新だったのじゃないかなあ。
怪獣のデザインが素晴らしいよね。
人間が入る着ぐるみが原点で、
それを感じさせないようにカモフラージュする、
というところに神経を使ったのが、
かえって良かったのではないかしら。
今回の映画でもね、
新たに創造された怪獣のデザインは本当にクズで、
キングギドラやモスラ、ラドンは、
それぞれにCG用にちょっと変えているとは言え、
やっぱり素晴らしいんだよね。
これはもう誇って良いことだと思います。
それなのにね、
公開当時はそれも馬鹿にされたんだよ。
恐竜が放射能で復活したのであれば、
もっと恐竜そのものの形でないとおかしい、
とか悪口を書かれていたんだよ。
何を言ってるんだか。
おバカ映画なんだから、
格好良ければいいんだよ。
生きてる恐竜なんか誰も見たことはないんだし。
正直CGの絵作りは好きじゃないのです。
画面も暗くて、
殆どアンバーとブルーだけの照明でしょ。
もっと原色じゃないと怪獣映画は詰まらないよね。
ただ、後半になると、
割と意識的に着ぐるみの感じを出していて、
それはなかなか良かったです。
人間に救われたゴジラが、
海から出て来るところとか、
着ぐるみっぽくていいよね。
好きです。
そんな訳で東宝怪獣映画が好きな人には、
必見と言っても良い映画です。
ラストとか、ちょっと泣けますよ。
中国資本になって、
モスラは中国に取られちゃった感じですけど、
それも時代だから仕方がないですね。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。