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「麻雀放浪記2020」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で、
午前午後とも中村医師が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
麻雀放浪記.jpg
今最も脂の乗っている白石和彌監督がメガホンを取り、
当代随一の映画マニアである斉藤工さんが主役を勤めた、
公開直前にはピエール瀧さんの問題などもあって、
色々と話題になった映画です。

これは初日に足を運びました。

阿佐田哲也さんの「麻雀放浪記」のリメイクを、
主人公が戦後すぐの焼け跡の日本から、
架空の2020年にタイムスリップするという、
何か絶対に成功しそうにないアレンジで、
自由奔放な映画として成立させたものです。

これはまあ、明らかな失敗作で、
おバカ映画の系列に属するものです。

良いところを言うと、
ヒロインで地下アイドルを演じたももさんが、
自然体の演技でなかなか良く、
如何にもB級映画のヒロインといった風情が素敵でした。

ただ、それ以外は良いところを探すことが非常に困難で、
物語自体も行き当たりばったりですし、
2020年の架空世界は、
リアリティも虚構の楽しさもいずれもなく、
変なエロ描写や上滑りのギャグを含めて、
見てしまったことを途中で何度も後悔するような有様でした。

深夜に何となく見てしまう、
新人ディレクターの創作ビデオと変わらないクオリティで、
とても苦痛に満ちた時間でした。

白石監督は多作で、
それほど多くを観ている訳ではありませんが、
監督の趣味的な作品は概ね駄作で、
頼まれ仕事の大作が、
「虎狼の血」にしても「彼女が名前を知らない鳥たち」にしても、
なかなかのクオリティという、
不思議な作家だなあ、というのが率直な印象です。

とてもとても時間の無駄でした。

ちなみにピエール瀧さんの登場シーンはとても少なく、
簡単に再編集もカットも出来そうですが、
作品内容自体に不祥事の謝罪などが登場して、
それを否定した内容に近いのに、
現実の不祥事に対して同じ対応をしては、
作品の根幹に関わるという判断から、
修正をしなかったように思われます。

ただ、作品全体のクオリティから考えれば、
どうでも良かったかな、というように思いました。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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