「夜明け」 [映画]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は土曜日で午前午後とも石原が外来を担当する予定です。
土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
是枝監督と西川美和監督の下で助監督を務めた、
広瀬奈々子監督の初監督作品で、
脚本も広瀬監督が執筆しています。
地方都市で木工所を経営している小林薫演じる初老の男は、
自動車事故で妻と息子を失った過去があるのですが、
ある日柳楽優弥演じる謎の若者が河原で倒れているのを助けます。
若者は自分が誰であるのかを語りませんが、
自分の息子のシンイチという名前を名乗ったことから、
初老の男はそこに自分の死んだ息子の姿を重ね、
彼を自分の木工所で見習いとして働かせると、
その危うい関係に深く囚われてしまいます。
互いに孤独な疑似親子のような2人の男が触れ合うという、
昔から良くある設定のドラマなのですが、
柳楽さんの役柄が自分の罪を感じながらも、
何か全てが他人事のような不気味で得体の知れないところがあり、
それが今の若者の1つの側面を、
リアルに活写している点が見どころです。
トータルにはあまりに暗くて痛々しく、
夢も希望もないラストに帰着するので、
あまり好きなタイプのお話ではないのですが、
主役2人の芝居を含めて、
そのディテールには見るべき点がありました。
演出はどちらかといえば無雑作で素朴な感じで、
それが狙いであるのかも知れませんが、
あまり好みではありませんでした。
ラストは是枝さんや西川さんと同じく、
ある瞬間でなで切りにするように終わるのですが、
その前に夜明けや涙や主人公の走る場面が、
ダラダラと長く続くので、
あまりシャープな印象になっていません。
巻頭で小林さんが柳楽さんを見つけるところは、
結構長いワンカットになっているのですが、
見つける寸前でカットを割っているので、
これじゃ意味ないじゃん、と感じました。
地味で暗い映画ですが、
繊細な心理をディテールで積み重ねる辺りは面白く、
如何にも日本映画らしい日本映画として、
昔のATG映画などのお好きな方でしたら、
そのリニューアル版としてお薦めしたいと思います。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は土曜日で午前午後とも石原が外来を担当する予定です。
土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
是枝監督と西川美和監督の下で助監督を務めた、
広瀬奈々子監督の初監督作品で、
脚本も広瀬監督が執筆しています。
地方都市で木工所を経営している小林薫演じる初老の男は、
自動車事故で妻と息子を失った過去があるのですが、
ある日柳楽優弥演じる謎の若者が河原で倒れているのを助けます。
若者は自分が誰であるのかを語りませんが、
自分の息子のシンイチという名前を名乗ったことから、
初老の男はそこに自分の死んだ息子の姿を重ね、
彼を自分の木工所で見習いとして働かせると、
その危うい関係に深く囚われてしまいます。
互いに孤独な疑似親子のような2人の男が触れ合うという、
昔から良くある設定のドラマなのですが、
柳楽さんの役柄が自分の罪を感じながらも、
何か全てが他人事のような不気味で得体の知れないところがあり、
それが今の若者の1つの側面を、
リアルに活写している点が見どころです。
トータルにはあまりに暗くて痛々しく、
夢も希望もないラストに帰着するので、
あまり好きなタイプのお話ではないのですが、
主役2人の芝居を含めて、
そのディテールには見るべき点がありました。
演出はどちらかといえば無雑作で素朴な感じで、
それが狙いであるのかも知れませんが、
あまり好みではありませんでした。
ラストは是枝さんや西川さんと同じく、
ある瞬間でなで切りにするように終わるのですが、
その前に夜明けや涙や主人公の走る場面が、
ダラダラと長く続くので、
あまりシャープな印象になっていません。
巻頭で小林さんが柳楽さんを見つけるところは、
結構長いワンカットになっているのですが、
見つける寸前でカットを割っているので、
これじゃ意味ないじゃん、と感じました。
地味で暗い映画ですが、
繊細な心理をディテールで積み重ねる辺りは面白く、
如何にも日本映画らしい日本映画として、
昔のATG映画などのお好きな方でしたら、
そのリニューアル版としてお薦めしたいと思います。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。