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「スマホを落としただけなのに」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
スマホを落としただけなのに.jpg
昨年11月公開の映画ですが、
見落としていたので新年に劇場で観て来ました。
原作は先に読んでいました。

若い男性がスマホをタクシーに落としてしまい、
それをある人物に拾われてしまうところから、
次々とトラブルが、
その男性の恋人の身に降りかかります。

原作は多視点の構成で、
事件の犯人と、ヒロインと、警察の捜査、
という3つの視点が切り替わります。

基本的には猟奇殺人犯を巡るミステリーですが、
そこにスマホの情報を乗っ取られたり、
なりすましで被害に遭ったりといった、
現代的な情報が盛り込まれているのが特徴で、
印象的な題名も相まって、
ベストセラーになったのだと思います。

ただ、スマホの情報が悪用されるのは、
物語の中でそれほど大きな位置を占めてはいないので、
題名に偽りあり、という印象も少しあります。

映画版はほぼ原作に忠実で、
原作の怖さや面白さは、
比較的そのままに活かされていたと思います。
犯人の設定は悪くないと思うのですが、
その点もキャスティングを含めて、
上手く映像化されていたと思います。

ただ、中田秀夫監督の映画なのですよね。

まあ少し前にも「劇場霊」という、
仰天するような駄作を見ているので、
もうそう驚かないのですが、
かつてのジャパニーズホラーの神様が、
一体どうしてこんなことになってしまったのでしょうか?
今回の演出も極めて凡庸で、
作家性の欠片もありませんでした。
作家性を出さないことを決めて仕事をされているのかしら?
今回もクライマックスは閉園した遊園地が舞台なのですから、
幾らでも遊べそうなのに、
何1つ面白いこともしていませんし、
魅力的なカットもありません。

今回の作品など得意ジャンルだと思うので、
とてもとても不思議でした。

それでも、監督の情報がなければ、
「まあこんなものかな」という程度には仕上がっていて、
ラストの処理はかなり杜撰で不自然でしたが、
それ以外は娯楽ミステリーの水準作として、
まずは楽しく見ることが出来ました。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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