新薬師寺夜間拝観 [仏像]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日はもう1本奈良の話です。
新薬師寺は仏像好きには欠かせない名寺で、
本尊の薬師如来は貞観彫刻の傑作で凄みのある仏様ですし、
周辺で睨みを利かす天平時代の十二神将も、
東大寺戒壇院の四天王像や元法華堂の日光月光菩薩と並ぶ、
天平塑像の代表作です。
ただ、数年前までお堂の照明が、
全て蛍光灯という無粋なもので、
火災のリスクもあって昔のように蝋燭も殆ど点けませんから、
とても扁平な印象でガッカリでした。
それが1、2年前に遅ればせにLED照明となり、
面目が一新されました。
今年から更に夏の燈花会に合わせて、
夜間拝観が始まりました。
こちらをご覧下さい。
本堂前に190個の燈火が並べられ、
本堂正面の3枚の扉が開かれて、
外からご本尊を直接拝むことが可能となっています。
これまであまり新薬師寺ではなかった、
とても幽玄で素敵な光景です。
もう少し近づいてみます。
これはお寺の方に、
外からの撮影であればOKと、
確認して撮ったものです。
こうして見ると、
仏像というのは当たり前のことですが、
外からこうして拝むのが最も素晴らしい、
ということが分かります。
今回の夜間拝観では、
外からだけではなく、
いつものように堂内での拝観も、
同時に出来るようになっていました。
これは今回の奈良行きの中で、
最も感銘の深いひとときでした。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日はもう1本奈良の話です。
新薬師寺は仏像好きには欠かせない名寺で、
本尊の薬師如来は貞観彫刻の傑作で凄みのある仏様ですし、
周辺で睨みを利かす天平時代の十二神将も、
東大寺戒壇院の四天王像や元法華堂の日光月光菩薩と並ぶ、
天平塑像の代表作です。
ただ、数年前までお堂の照明が、
全て蛍光灯という無粋なもので、
火災のリスクもあって昔のように蝋燭も殆ど点けませんから、
とても扁平な印象でガッカリでした。
それが1、2年前に遅ればせにLED照明となり、
面目が一新されました。
今年から更に夏の燈花会に合わせて、
夜間拝観が始まりました。
こちらをご覧下さい。
本堂前に190個の燈火が並べられ、
本堂正面の3枚の扉が開かれて、
外からご本尊を直接拝むことが可能となっています。
これまであまり新薬師寺ではなかった、
とても幽玄で素敵な光景です。
もう少し近づいてみます。
これはお寺の方に、
外からの撮影であればOKと、
確認して撮ったものです。
こうして見ると、
仏像というのは当たり前のことですが、
外からこうして拝むのが最も素晴らしい、
ということが分かります。
今回の夜間拝観では、
外からだけではなく、
いつものように堂内での拝観も、
同時に出来るようになっていました。
これは今回の奈良行きの中で、
最も感銘の深いひとときでした。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
夕日観音再訪(2018年夏定点観測) [仏像]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日までクリニックは夏期の休診となります。
明日からはいつも通りの診療になります。
今日は僕が最も好きな石仏の話題です。
今年もお逢いして来ました。
こちらです。
奈良の北方柳生街道の滝坂道にいらっしゃる、
鎌倉期と思われる古い磨崖仏、
一般に夕日観音と呼ばれている仏様のお姿です。
この仏様には30年ほど前に初めてお逢いして、
間近に拝ませて頂いて非常な感銘を受けました。
それ以前に小学校の頃から、
カラーブックスの「柳生の里」を愛読していて、
いつかは柳生街道を歩いてみたいと思っていました。
それが初めて適ったのが大学生の時に春休みで、
それから大分時が経ってから、
2011年の夏に震災後で妻も入院して、
というようなタイミングで再訪することになりました。
それからは定期的に奈良に行くたびに再訪していたのですが、
2012年にはうっかり山道を駆け下りていて転倒し、
左肘の骨折と手首の靱帯損傷で、
生まれて初めて手術をすることになってしまいました。
それから数年はさすがに行かなかったのですが、
この数年は再び訪問を続けています。
もう1枚画像をアップで見て頂きます。
素晴らしいフォルムですよね。
この威厳と風格が、
室町以降の大量生産の石仏にはない、
古仏の味わいなのです。
ただ古い写真と比べると、
ここ数十年の間に、
岩自体に出来た亀裂や雨水の浸食による変色が増え、
風化自体も確実に進んでいることが分かります。
それ以上に深刻なのは、
ここ数年の豪雨による周辺の岩盤の崩落で、
この仏様が刻まれた岩のすぐ下でも、
新しい崩落が確認出来ました。
石仏特に岩に刻まれた磨崖仏というのは、
いつかはなく消えてなくなることが必定の、
はかなくも美しい藝術ですから、
これはもう仕方がないこととも言えるのですが、
最近の異常気象とそれに伴う多くの破壊や、
生活や文化、藝術の消滅については、
改めて暗澹たる思いに囚われざるを得ないのです。
最後にもう1つこの夕日観音と同じ岩の別の面にある、
もう1つの素晴らしい仏様を見て頂きます。
こちらです。
鎌倉時代後期から室町時代の、
非常に完成度の高い磨崖仏です。
ただ、これは2014年の写真です。
今はこちら。
周辺の木々が生い茂ってしまい、
おそらく2011年以降で、
最も街道から見えづらい状態となっています。
このように日々変わり続ける柳生街道ですが、
可能な限りこれからも再訪を繰り返したいと思います。
今日はもう1本奈良の記事が続きます。
北品川藤クリニックの石原です。
今日までクリニックは夏期の休診となります。
明日からはいつも通りの診療になります。
今日は僕が最も好きな石仏の話題です。
今年もお逢いして来ました。
こちらです。
奈良の北方柳生街道の滝坂道にいらっしゃる、
鎌倉期と思われる古い磨崖仏、
一般に夕日観音と呼ばれている仏様のお姿です。
この仏様には30年ほど前に初めてお逢いして、
間近に拝ませて頂いて非常な感銘を受けました。
それ以前に小学校の頃から、
カラーブックスの「柳生の里」を愛読していて、
いつかは柳生街道を歩いてみたいと思っていました。
それが初めて適ったのが大学生の時に春休みで、
それから大分時が経ってから、
2011年の夏に震災後で妻も入院して、
というようなタイミングで再訪することになりました。
それからは定期的に奈良に行くたびに再訪していたのですが、
2012年にはうっかり山道を駆け下りていて転倒し、
左肘の骨折と手首の靱帯損傷で、
生まれて初めて手術をすることになってしまいました。
それから数年はさすがに行かなかったのですが、
この数年は再び訪問を続けています。
もう1枚画像をアップで見て頂きます。
素晴らしいフォルムですよね。
この威厳と風格が、
室町以降の大量生産の石仏にはない、
古仏の味わいなのです。
ただ古い写真と比べると、
ここ数十年の間に、
岩自体に出来た亀裂や雨水の浸食による変色が増え、
風化自体も確実に進んでいることが分かります。
それ以上に深刻なのは、
ここ数年の豪雨による周辺の岩盤の崩落で、
この仏様が刻まれた岩のすぐ下でも、
新しい崩落が確認出来ました。
石仏特に岩に刻まれた磨崖仏というのは、
いつかはなく消えてなくなることが必定の、
はかなくも美しい藝術ですから、
これはもう仕方がないこととも言えるのですが、
最近の異常気象とそれに伴う多くの破壊や、
生活や文化、藝術の消滅については、
改めて暗澹たる思いに囚われざるを得ないのです。
最後にもう1つこの夕日観音と同じ岩の別の面にある、
もう1つの素晴らしい仏様を見て頂きます。
こちらです。
鎌倉時代後期から室町時代の、
非常に完成度の高い磨崖仏です。
ただ、これは2014年の写真です。
今はこちら。
周辺の木々が生い茂ってしまい、
おそらく2011年以降で、
最も街道から見えづらい状態となっています。
このように日々変わり続ける柳生街道ですが、
可能な限りこれからも再訪を繰り返したいと思います。
今日はもう1本奈良の記事が続きます。