カフェインの思春期の使用が他の物質依存に与える影響について [医療のトピック]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
2018年のAddiction誌に掲載された、
カフェインの思春期の使用が、
その後の飲酒や喫煙などの習慣に与える影響についての論文です。
コーヒーが健康に良さそう、
というお話をさせて頂いた時に、
質問されたことの1つが、
子供がコーヒーを飲むことをどう考えるか、
という疑問でした。
1日100ミリグラムを超えるカフェインの常用は、
その程度は軽いとは言え一種の依存を形成します。
常用していて中止すれば、
弱いとは言え離脱症状も生じます。
その濫用は心臓に負担を掛ける可能性も否定できません。
そのためアメリカ医学研究所は16歳未満に対しての、
カフェインを含むエナジードリンクの学校内での販売の禁止を提唱しています。
つまり、アメリカの専門機関は、
16歳未満のカフェインの常用を、
健康上のリスクと考えているのです。
しかし、その一方で世の中には、
特に年齢制限なくカフェインが溢れています。
コーヒーやお茶は言うに及ばず、
エナジードリンクにコーラ、
眠気覚ましのガム、
風邪薬に頭痛薬など、
子供でも知らないうちに、
カフェインの虜になってしまいます。
世の中にはアルコールやタバコなど、
簡単に手を出すことの出来る、
依存性のある嗜好品がありますが、
カフェインは多くの人の人生において、
最も早い時期に接する依存性のある物質です。
それでは、
カフェインの依存と、
その後に生じる可能性のある、
アルコールやタバコへの依存とは、
何らかの関連があるのでしょうか?
それを検証する目的で、
アメリカの中学生に当たる12歳から13歳くらいの年齢の学生3932例を対象として、
コーヒー、紅茶、エナジードリンクなどからのカフェインの摂取量が、
その後1年の他の依存性物質の摂取行動に与える影響を観察しています。
その結果、
カフェイン摂取量が多いほど、
その後のアルコール摂取や喫煙、電子タバコ使用、
酩酊などのリスクが有意に高まることが認められました。
電子タバコの使用は、
逆にカフェインの摂取を誘発していましたが、
それ以外のアルコールや喫煙が、
カフェインの摂取増加に影響を与えることはありませんでした。
このように、
カフェインの摂取量が12歳から13歳くらいの年齢で多いと、
その後のアルコールやタバコの摂取に結び付きやすい、
という関連が認められました。
これがカフェインの依存による影響なのか、
それともカフェインを多く摂るような生活の影響であるのかは、
今回のデータからは明確ではありませんが、
少なくとも16歳未満の年齢層におけるカフェインの常用は、
その後の健康に悪影響を与える可能性があると、
そう考えておいた方が良さそうです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
2018年のAddiction誌に掲載された、
カフェインの思春期の使用が、
その後の飲酒や喫煙などの習慣に与える影響についての論文です。
コーヒーが健康に良さそう、
というお話をさせて頂いた時に、
質問されたことの1つが、
子供がコーヒーを飲むことをどう考えるか、
という疑問でした。
1日100ミリグラムを超えるカフェインの常用は、
その程度は軽いとは言え一種の依存を形成します。
常用していて中止すれば、
弱いとは言え離脱症状も生じます。
その濫用は心臓に負担を掛ける可能性も否定できません。
そのためアメリカ医学研究所は16歳未満に対しての、
カフェインを含むエナジードリンクの学校内での販売の禁止を提唱しています。
つまり、アメリカの専門機関は、
16歳未満のカフェインの常用を、
健康上のリスクと考えているのです。
しかし、その一方で世の中には、
特に年齢制限なくカフェインが溢れています。
コーヒーやお茶は言うに及ばず、
エナジードリンクにコーラ、
眠気覚ましのガム、
風邪薬に頭痛薬など、
子供でも知らないうちに、
カフェインの虜になってしまいます。
世の中にはアルコールやタバコなど、
簡単に手を出すことの出来る、
依存性のある嗜好品がありますが、
カフェインは多くの人の人生において、
最も早い時期に接する依存性のある物質です。
それでは、
カフェインの依存と、
その後に生じる可能性のある、
アルコールやタバコへの依存とは、
何らかの関連があるのでしょうか?
それを検証する目的で、
アメリカの中学生に当たる12歳から13歳くらいの年齢の学生3932例を対象として、
コーヒー、紅茶、エナジードリンクなどからのカフェインの摂取量が、
その後1年の他の依存性物質の摂取行動に与える影響を観察しています。
その結果、
カフェイン摂取量が多いほど、
その後のアルコール摂取や喫煙、電子タバコ使用、
酩酊などのリスクが有意に高まることが認められました。
電子タバコの使用は、
逆にカフェインの摂取を誘発していましたが、
それ以外のアルコールや喫煙が、
カフェインの摂取増加に影響を与えることはありませんでした。
このように、
カフェインの摂取量が12歳から13歳くらいの年齢で多いと、
その後のアルコールやタバコの摂取に結び付きやすい、
という関連が認められました。
これがカフェインの依存による影響なのか、
それともカフェインを多く摂るような生活の影響であるのかは、
今回のデータからは明確ではありませんが、
少なくとも16歳未満の年齢層におけるカフェインの常用は、
その後の健康に悪影響を与える可能性があると、
そう考えておいた方が良さそうです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。