ナッツと心血管疾患リスク [医療のトピック]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
2018年のHeart誌に掲載された、
ナッツの摂取量と心血管疾患リスクとの関連についての論文です。
ナッツは不飽和脂肪酸やポリフェノール、
ビタミンEや食物繊維、
各種ミネラルなどをバランス良く含有し、
ナッツ単独の効果とは言えませんが、
ナッツやオリーブオイルを多く使う食事である、
地中海ダイエットという食事パターンは、
脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患を予防する働きが、
複数の精度の高い疫学データによって確認されています。
その一方でナッツ単独の摂取習慣と、
個別の心血管疾患との関連を見たデータは、
それほど多くはありません。
今回の研究はその点に着目したもので、
スウェーデンの大規模疫学データを解析して、
ナッツを食べる回数と、
その後の心血管疾患の発症リスクとの関連を個別に検証しています。
対象者は一般住民61364名で、
17年という長期の経過観察が行われています。
ナッツの摂取は、
1か月に0回から1から3回、
週に1から2回、週に3回以上という形で、
アンケート結果から集計されています。
その結果、
ナッツの摂取量が多いほど、
心筋梗塞、心不全、心房細動、そして腹部大動脈瘤のリスクは、
低いものとなっていました。
ただ、これを喫煙や血圧などの他のリスク因子を補正して解析すると、
その関連は弱いものとなり、
補正しても摂取量とリスクの低下との間に明確な相関があったのは、
心房細動の発症リスクのみでした。
殆どナッツを摂取しない場合と比較して、
月1から3回の摂取では3%(0.93から1.02)、
週に1から2回の摂取では12%(0.79から0.99)、
週に3回以上の摂取では18%(0.68から0.99)、
用量依存的にリスクは低下していました。
それ以外に心不全のリスクについては、
週に1から2回の摂取では20%(0.67から0.97)と、
有意に低下していましたが、
週に3回以上の摂取では有意な低下はありませんでした。
つまり、用量依存的な低下ではありません。
このように今回の検証においては、
ナッツの摂取が明確に関連していたのは、
心房細動の発症リスクのみでした。
今回のデータはナッツの摂取量を、
アンケートでの接種回数で判断していて、
具体的な量などは分からないので、
その意味で精度の高いデータとは言い切れないのですが、
個々の疾患とナッツの摂取との関連については、
今後再検証される必要がありそうです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
2018年のHeart誌に掲載された、
ナッツの摂取量と心血管疾患リスクとの関連についての論文です。
ナッツは不飽和脂肪酸やポリフェノール、
ビタミンEや食物繊維、
各種ミネラルなどをバランス良く含有し、
ナッツ単独の効果とは言えませんが、
ナッツやオリーブオイルを多く使う食事である、
地中海ダイエットという食事パターンは、
脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患を予防する働きが、
複数の精度の高い疫学データによって確認されています。
その一方でナッツ単独の摂取習慣と、
個別の心血管疾患との関連を見たデータは、
それほど多くはありません。
今回の研究はその点に着目したもので、
スウェーデンの大規模疫学データを解析して、
ナッツを食べる回数と、
その後の心血管疾患の発症リスクとの関連を個別に検証しています。
対象者は一般住民61364名で、
17年という長期の経過観察が行われています。
ナッツの摂取は、
1か月に0回から1から3回、
週に1から2回、週に3回以上という形で、
アンケート結果から集計されています。
その結果、
ナッツの摂取量が多いほど、
心筋梗塞、心不全、心房細動、そして腹部大動脈瘤のリスクは、
低いものとなっていました。
ただ、これを喫煙や血圧などの他のリスク因子を補正して解析すると、
その関連は弱いものとなり、
補正しても摂取量とリスクの低下との間に明確な相関があったのは、
心房細動の発症リスクのみでした。
殆どナッツを摂取しない場合と比較して、
月1から3回の摂取では3%(0.93から1.02)、
週に1から2回の摂取では12%(0.79から0.99)、
週に3回以上の摂取では18%(0.68から0.99)、
用量依存的にリスクは低下していました。
それ以外に心不全のリスクについては、
週に1から2回の摂取では20%(0.67から0.97)と、
有意に低下していましたが、
週に3回以上の摂取では有意な低下はありませんでした。
つまり、用量依存的な低下ではありません。
このように今回の検証においては、
ナッツの摂取が明確に関連していたのは、
心房細動の発症リスクのみでした。
今回のデータはナッツの摂取量を、
アンケートでの接種回数で判断していて、
具体的な量などは分からないので、
その意味で精度の高いデータとは言い切れないのですが、
個々の疾患とナッツの摂取との関連については、
今後再検証される必要がありそうです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。