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「シェイプ・オブ・ウォーター」 [映画]

こんにちは。

北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で、
午前午後とも石原が外来を担当する予定です。

今日は土曜日なので趣味の話題です。

今日はこちら。
シェイプ・オブ・ウォーター.jpg
昔懐かしい「大アマゾンの半魚人」を元ネタに、
映画ファンの心をくすぐるノスタルジックな趣向満載の、
ファンタジックなラブストーリー映画です。

これはなかなかいいですよ。

色々な理由で社会から弾かれてしまった人間と、
人外の生き物とが交流する話ですが、
1962年を舞台にしているのがミソで、
アメリカが最も力を持っていた時代の、
光と影の部分が描き込まれているのが、
物語に膨らみを与えていますし、
荒唐無稽な話に、
ある種のリアリティを与えているのです。

更には主人公が30年代の映画ファンで、
彼女の住んでいるのが古い映画館の階上、
というような仕掛けもあり、
幻想ですがミュージカルシーンのサービスもあります。

「大アマゾンの半魚人」は1950年代に、
3作品が制作されたSFホラーのシリーズで、
その半魚人の造形はかなりオリジナルに寄せています。
また、悪役の軍人を演じるマイケル・シャノンは、
モンスター役者のボリス・カーロフにかなり寄せていると思います。

そんな訳でかなり盛り沢山の映画です。
基本的にはティム・バートンに近い世界で、
「シザーハンズ」辺りが好きな方には、
気に入って頂けると思います。
主人公にハンディキャップがあるという設定も、
如何にもという感じです。
ただ、かなりキワどい変態的な部分もあり、
R15+という制限があるのはそのためです。

不満は全体にやや詰めが甘いことで、
半魚人にはもう少し大暴れをして欲しいところなのですが、
せいぜい猫を間違えて殺してしまうくらいですし、
悪役も組織ではなく悪い軍人が1人なので、
どうも緊迫感や盛り上がりには欠けるのです。

美術などは素晴らしいですし、
語り口も後味も良いのですが、
少し変態的な割には、
淡泊に終わってしまったという感じがありました。

キャストは主人公のサリー・ホーキンスが文句なく良く、
言葉が喋れない設定でほぼセリフはないのに、
観終わってみると一番喋っているように感じる素敵な芝居です。
彼女の友人で会社を首になったホモの画家のおじさんが、
またとても良い感じなのです。
繰り返しになりますが、
美術や音効のセンスも抜群です。

お薦めですが、
個人的には多くのティム・バートン作品と同じように、
凝りに凝っている割に、
詰めが甘くちょっと物足りない感じはありました。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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