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高尿酸血症と健康との関連について(2017年のメタ解析) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
尿酸値のメタ解析.jpg
今年のBritish Medical Journal誌に掲載された、
高尿酸血症の健康への影響を、
これまでのデータを集積して解析した論文です。

血液の尿酸値が高いことで、
身体にとってどのような問題があるでしょうか?

一番最初に思い付くのは所謂「痛風」の関節炎です。

尿酸が高い人がたとえばお酒を飲むと、
その翌日に足の指の付け根が真っ赤に腫れて、
歩けないような酷い痛みが襲います。

これが痛風の発作です。

この痛風発作は、
必ずしも尿酸が高いことのみを、
原因として起こる訳ではありませんが、
血液の尿酸値が6.0mg/dl 以下では起こり難いことは間違いがなく、
従って痛風の関節炎を起こして、
その時の尿酸値が7.0mg/dl を超えており、
その尿酸値がお酒を控える、体重を減らす、
などの生活習慣の改善によっても低下しない時には、
尿酸値を下げる薬を、
飲むことが推奨されます。

これは世界的にもほぼ共通の認識です。

問題は痛風発作がなく、
それでいて血液の尿酸値が高い時です。

この場合、アメリカやヨーロッパでは、
基本的には尿酸値を下げる薬は推奨されません。
その一方で日本においては、
血液中の尿酸値が9.0mg/dl を超えていれば他に何も病気がなくても、
8.0mg/dl を超えていて腎障害や糖尿病があればその時点で、
いずれも薬物治療の適応となります。

何故このような違いがあるのでしょうか?

ガイドラインを隅々まで読んでも、
どうもその点にはすっきりした説明がありません。

腎機能や高血圧の状態と、
血液の尿酸値に関連性がある、
というデータが複数存在し、
それが1つの論拠となっています。

つまり、尿酸が高いことにより、
腎機能が悪くなったり、
血圧が上昇したりしているのではないか、
というのです。

しかし、それを証明するのには、
尿酸を薬で下げることにより、
それだけで高血圧が発症し難くなったり、
腎機能が悪化し難くなったりすることを、
示さなければなりませんが、
クリアに人間でそうした治療効果を証明したデータは、
「若干の傾向…」程度のものがあるだけで、
実際には存在しないのです。

このことが、
海外では尿酸を下げる薬の使用が、
痛風の患者さん以外では推奨されていない理由です。

ただ、最近になり海外においても、
高血圧や心血管疾患、糖尿病、心不全、慢性腎臓病などの慢性病において、
尿酸が高いことが病気の発症に結び付いているのではないか、
ということを示唆する報告が、
多く寄せられるようになりました。

しかし、尿酸値の高いこと自体が、
血圧を上昇させたり、腎臓の血流に結び付いたりするような、
原因となっているのかどうか、
と言う点については色々な見解があって、
一定の結論に至っていません。

今回の研究はこれまでの臨床試験の結果や、
最近流行りの遺伝子変異を利用した解析などの結果を、
多数収集してまとめて解析する方法で、
現時点でのこの問題の総括を目指したものです。

その結果…

高尿酸血症が原因であることはほぼ確実で、
尿酸降下剤によりその治療効果のあることも明確であるのは、
現時点では痛風関節炎と尿酸結石のみで、
心不全、高血圧、耐糖能異常と糖尿病、慢性腎障害、虚血性心疾患は、
確かに尿酸値が高いほどそのリスクが増加する、
という意味での関連はあるのですが、
それが独立した原因であることを示す根拠は弱く、
尿酸降下剤による治療効果も明らかではない、
という結論が得られました。

今後の知見の積み重ねによって、
状況はまた変わって来る可能性はあるのですが、
日本の臨床でしばしば見られるように、
尿酸値が異常値なので何となく気分が悪いから薬を出す、
というのはあまり科学的な判断ではなく、
痛風関節炎と尿管結石以外は、
治療の有効性の根拠は乏しいという理解に立って、
個々の判断を行う必要があると思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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よろしくお願いします。

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脳へのアミロイドの蓄積と将来の認知症リスクについて [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日なので、
診療は午前中で終わり、
午後は産業医の面談に都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
アミロイドの集積と認知症.jpg
今年のJAMA誌に掲載された、
認知症機能が正常で脳へのアミロイド沈着が認められた人の、
認知症への進展の有無を検証した論文です。

アルツハイマー型認知症においては、
認知機能が多角的に低下し、
日常生活に少なからずの影響が出て初めて、
そうと診断されます。
その前段階として軽度認知障害(MCI)があり、
これは認知機能のうちの一部が軽度に低下しているものの、
日常生活には支障のない軽度の状態があるとされています。

アルツハイマー型認知症においては、
脳細胞にβアミロイドという異常タンパクが蓄積していて、
それが病気の原因であるかどうかは、
まだ議論のあるところですが、
その診断において有用な指標であることは間違いありません。

アミロイドPETと言って、
放射能を使用してアミロイドの異常な沈着を、
検出する検査や、
髄液のβアミロイドの測定で、
このアミロイドの沈着は診断することが可能です。

通常軽度認知障害(MCI)の段階で、
既にアミロイドの沈着は生じています。

それではそれより前の時点、
認知機能は全く正常な段階ではどうでしょうか?

認知機能が全く正常であっても、
65歳から70歳の年齢のおよそ3分の1の人では、
既にβアミロイドの脳への沈着は始まっている、
ということを示すデータがあります。

それでは、
認知機能が正常でβアミロイドの沈着が始まっている人は、
将来的にどの程度が進行し、
認知機能の低下を来すのでしょうか?

この点については、
これまでにあまり明確なことが分かっていませんでした。

そこで今回の研究では、
アメリカとカナダにおいて、
認知機能が正常な445名の平均年齢74歳の高齢者を登録し、
その時点でアミロイドPETと髄液検査で、
βアミロイドの異常な沈着のある202名と、
沈着のない243名を比較して、
中央値で3.1年の経過観察を行い、
認知機能の低下とアミロイドの沈着との関連を検証しています。

その結果…

MMSEなど複数の認知機能の指標において、
登録時点でアミロイドの沈着のない事例と比較して、
沈着のある事例では、
認知機能の有意な低下が認められました。
ただその差はMMSEでは平均で0.56点と軽微で、
本当にそうした事例の多くが、
認知症へと進行するものかどうかは、
まだ確実とは言えないと考えた方が良さそうです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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妊娠中のリチウム使用の心奇形リスクについて [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
リチウムの使用と心奇形リスク.jpg
今月のthe New England Journal of Medicine誌に掲載された、
リチウムという気分安定薬の、
妊娠中の有害事象のリスクについての論文です。

リチウム製剤は、
古くから双極性障碍(昔は躁鬱病)の治療薬として、
その作用のメカニズムが明確ではないながらも、
経験的にその有効性が確認され、
広く使用されている薬剤です。

躁病にも鬱病にも効果がある、
という特徴があり、
最近では自殺のリスクを低下させる、
というデータが報告されて注目を集めました。
これは過去に記事にしています。

ただ、リチウムは副作用や有害事象の多い薬でもあります。
その治療域が狭く、
定期的に血液濃度を測定しながら、
その使用を行なわないといけない、
という煩わしさがあります。
リチウムはまた甲状腺機能や副甲状腺機能、
腎機能にも影響を与えると指摘されています。

また、リチウム製剤の有害事象として、
それ以外に知られているのが、
妊娠中の女性が服用した場合の、
お子さんの先天性の心奇形のリスク増加です。

これは1970年代の前半から、
リチウム製剤の妊娠初期の使用により、
特にエプスタイン奇形と呼ばれる心臓の先天性の異常が、
増加するという報告が相次ぎ、
1979年までに225例のリチウム製剤を妊娠中に使用した事例が蓄積されました。
その中で8%に当たる18例に先天性心疾患が認められ、
そこには3%に当たる6例のエプスタイン奇形が含まれていました。

このため緊急時以外のリチウム製剤の使用は、
妊娠中は禁忌という扱いにアメリカではなっていて、
日本の添付文書では、
特に補足なく妊娠中は禁忌となっています。

しかし、実際には双極性障害の患者さんにおいて、
たとえ妊娠中であってもリチウム製剤を使用した方が、
病状は安定して妊娠の転帰にも、
トータルに考えてメリットの方が大きい、
という見解も根強くあり、
実際にアメリカでは少なからずのそうした患者さんに、
妊娠中も使用が継続をされているようです。

そもそも元になった心奇形のデータは、
症例報告を集積したようなものなので、
実際の頻度とは異なっている可能性もあるのです。

そこで今回の研究では、
アメリカの健康保険の医療データより、
1325563名という膨大な妊娠女性の予後を分析し、
その妊娠初期におけるリチウム製剤の使用と、
心奇形との関連、および、
リチウム製剤の代替薬であるラモトリジン(商品名ラミクタール)
との比較も行っています。

その結果…

先天性の心奇形は、
リチウム製剤使用群の2.41%(663例中の16例)に発症したのに対して、
リチウム未使用群では1.15%(1322955例中の15251例)に発症していて、
ラモトリジン使用群では1.39%(1945例中の27例)に発症していました。
リチウム製剤未使用と比較した場合の、
使用による心奇形のリスクは、
1.65倍(95%CI;1.02から2.68)と有意に増加していました。

リチウムの使用により、
心奇形のリスクが増加すること自体は間違いがありませんが、
以前の8%という報告ほど多い訳ではありません。

リチウム製剤の使用量毎に見ると、
1日600mg以下ではリスクは1.11倍(95%CI;0.46から2.64)、
1日601㎎から900㎎ではリスクは1.60倍(95%CI; 0.67から3.80)、
901㎎以上では3.22倍(95%CI;1.47から7.02)となっていて、
リチウム製剤の量が増加するほど、
お子さんの心奇形のリスクも高まることが確認され、
明確に有意なリスク増加を示しているのは、
901㎎以上の高用量の場合でした。

エプスタイン奇形のリスクのみに限ると、
リチウム製剤使用群の0.60%に発症していたのに対して、
未使用群では0.18%に発症していて、
関連する因子を補正した結果として、
リチウム製剤によるエプスタイン奇形の発症リスクは、
未使用と比較して2.66倍(95%CI;1.00から7.06)、
有意に増加していました。

つまり、
リチウム製剤の妊娠初期の使用により、
確かに胎児の心奇形は増加しますが、
それはこれまで言われていたほどの頻度ではなく、
そのリスクはリチウムの使用量に大きく依存をしています。

従って、
妊娠初期のリチウム製剤の使用を、
可能であれば避けることは適切な判断ですが、
双極性障害の病状が不安定でリチウム製剤が有効なケースでは、
そのリスクと利点とを天秤に掛けた、
より慎重な判断が必要であるように思います。

それでは今日はこのくらいで。

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カルシウムをサプリメントとして摂取するリスクについて [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。

今日はこちら。
カルシウムサプリメントとそのリスクレビュー.jpg
今年のJ Clin Hypertens.誌のレビューですが、
カルシウムをサプリメントとして摂取することと、
心血管疾患のリスクとの関連を解説したものです。

この話題はこれまでにも何度も取り上げました。

カルシウムやビタミンDをサプリメントとして摂ることは、
世界中で広く行われていて、
その理由は骨粗鬆症や骨折の予防と、
高血圧症の予防が2つの柱です。

日本の場合には必要なミネラル成分のうち、
カルシウムだけが必要量の1日600ミリグラムを下回っているとして、
国レベルで積極的な摂取の推奨が行われています。

ただ、最近になり特にサプリメントとしてカルシウムを摂ることが、
心筋梗塞などの心血管疾患のリスクを高め、
生命予後にも悪影響を与えるのではないか、
という疑念が多く寄せられるようになりました。

以前何度かご紹介したことがあるのは、
2013年のBritish Medical Journal誌に掲載されたスウェーデンの疫学データで、
6万人以上の中高年の女性の統計として、
1日のカルシウムの摂取量が1400㎎以上のグループは、
少ないグループと比較して、
心筋梗塞などの心臓病のリスクが2倍以上増加していました。

同様の報告は他にもあります。

こちらをご覧ください。
カルシウムサプリメントと心血管疾患.jpg
これは同じ2013年のJAMA Intern Med.誌に掲載されたものですが、
アメリカで39万人弱の、
50歳から71歳の男女を平均で12年間観察した結果として、
男性で1日1000mgを超えるカルシウムを摂取している男性では、
サプリメントを摂取していない男性と比較して、
心血管疾患のリスクが1.20倍(95%CI;1.05から1.36)、
心臓病による死亡のリスクが1.19倍(95%CI;1.03から1.37)、
とそれぞれ有意に増加していました。
心血管疾患による死亡には有意な増加はなく、
女性での同様の検討では有意なリスクの増加は認めませんでした。
更に食事からのカルシウムの摂取量が多くても、
このような心血管疾患リスクの増加は認められませんでした。

この報告ではBritish Medical Journalのものとは異なり、
女性ではなく男性でリスクが増加している、
という結果になっています。

より直近の2016年にも次のような論文が発表されています。
カルシウムサプリメントと心血管リスク(2016).jpg
これは2016年のAm J Clin Nutr誌に掲載された論文ですが、
アメリカの癌予防の疫学データを元にした解析です。
13万人余りの男女を平均で17.5年という長期に渡り観察した結果、
1日1000mg以上のカルシウムをサプリメントで摂取している男性は、
サプリメントを使用していない男性と比較して、
総死亡のリスクが1.17倍(95%CI; 1.03から1.33)有意に増加していました。
しかし、女性では総死亡のリスクはサプリメント群で有意に低下していました。
食事由来のカルシウムの摂取量と、
総死亡のリスクとの間には関連は認められませんでした。

つまり、どうもサプリメントでカルシウムを、
1000mgを超えて摂取することは、
心臓病のリスクの増加に、
結び付く可能性が高そうです。
その影響はどうやら男性に強そうなのですが、
スウェーデンの検証では女性にも認められています。

しかし、明確な差とまでは言えない上に、
そのメカニズムも明確ではありません。

最近注目すべき研究としては、
冠動脈へのカルシウムの沈着と、
サプリメントとの関連を見た次のような論文があります。
カルシウムサプリメントと冠動脈石灰化.jpg
これは2016年のJ Am Heart Assoc.誌に掲載されたものですが、
5448名を10年間観察した、
動脈硬化に関しての疫学データの解析で、
動脈硬化の指標として、
心臓CTによる冠動脈の石灰化を利用しています。

カルシウムの摂取量をトータルで見ると、
多いほど10年後の冠動脈の石灰化病変の出現は低いのですが、
カルシウム量を補正した上でサプリメントの使用の有無で解析すると、
サプリメントの使用により新規の石灰化病変出現のリスクは、
1.22倍(95%CI;1.07から1.39)有意に増加していました。
このリスクの増加は、
元のカルシウムの摂取量が不足していると、
より大きなものになっていました。

つまり、どうやらサプリメントのカルシウムと、
食品からのカルシウムの摂取とは別個に考えるべきで、
食事からのカルシウムは多いほど健康に良いですが、
サプリメントのカルシウムは、
逆に心血管疾患のリスクを増加させる可能性があるのでは、
ということを示唆する結果です。

何故このような現象が起こるのか、
そのメカニズムは現時点では不明なので、
この結果を鵜呑みにするのは時期尚早と思いますが、
カルシウムのサプリメントの使用については、
今後より慎重に考えた方が良さそうです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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よろしくお願いします

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「俺節」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日3本目の記事も演劇の話題です。
それがこちら。
俺節.jpg
土田世紀さんの漫画を原作に、
福原充則さんが台本と演出に当たり、
関ジャニ∞の安田章大さんが主役の演歌歌手を目指す高校生を演じた、
企画公演を観て来ました。

これはどんなものかなと思って、
何となく乗り気でなく観に行ったのですが、
福原充則さんの趣味全開という感じの楽しい舞台で、
思わず引き込まれ、
最後まで結構楽しく観てしまいました。

今時時代遅れの泥臭い話なのですが、
つか芝居を思わせる大芝居を、
現在を代表するクセ者役者の皆さんが、
全力で演じている様がとても楽しく、
ワクワクする思いで舞台を見守りました。

主人公の安田章大さん自身が、
独特のねばりつくような泥臭い芝居で面白く、
それを囲む面々も強力な個性派ぞろいです。

演歌の大御所を演じた西岡徳馬さんは、
ちょっと台詞覚えを心配しましたが、
不安を払拭する堂々たる力押しで素晴らしく、
全盛期のつかの芝居から抜け出して来たような存在感ですし、
六角精児さん、中村まことさん、高田聖子さんの3人は、
それぞれ個性的な2役を演じ分け、
当代を代表する個性派舞台役者の全力の惚れ惚れするような、
圧倒的な技量を見せてくれました。
この3人の全力の芝居を、
見られるというだけでも、
充分元は取ったと言える作品だったと思います。

正直ラストの趣向などは、
かなりあざとく厭らしい感じもするのですが、
トータルにはつか芝居を巧みにリニューアルした娯楽作品で、
多くの魅力的な演技に満ちた、
楽しい作品であったと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

劇団道学先生「梶山太郎氏の憂鬱と微笑」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日2本目の記事は演劇の話題です。

それがこちら。
道学先生.jpg
大学の先輩の青山さんが主宰の、
劇団道学先生の20周年記念公演に行って来ました。

道学先生は旗揚げから、
数本見なかった作品があるのですが、
ほぼ9割くらいの公演は観ています。

今回は座付き作家の中島淳彦さんの作・演出で、
実際に夫婦の青山さんとかんのひとみさんが、
劇中でも結婚20年の夫婦を演じるという、
見方によってはあざとい感じもする作品です。

ただ、今回は中島さんの台本が快調で、
創作に行き詰まりモチベーションを失った小説家や、
それを取り巻く人々が軽妙に生き生きと描かれていて、
得意の歌ネタも楽しく出来ていますし、
ラストまでそれほど緩むことなく物語は展開されています。

道学先生の芝居としては、
「ザブザブ波止場」や「兄妹どんぶり」辺りと並んで、
一番優れた台本ではないかと思います。

主人公が変わり者の小説家ということでは、
過去に「無頼の女房」という作品があって、
姉妹編的な感じもあるのですが、
今回の舞台の方がより深い物語になっていたと思います。

そして、主人公の小説家を演じた青山さんも、
僕がこれまで観た中では、
最も説得力のある芝居をしていました。
いつも正体不明のおじさんという感じが強かったのですが、
今回はとっつきにくい外見の裏に、
感情の流れが見えていましたし、
タイミングの良いやりとりでは客席の笑いを誘っていました。

これからも新作を楽しみに待ちたいと思います。

頑張って下さい。

それでは次の記事に続きます。

「22年目の告白‐私が殺人犯です‐」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。

今日はこちら。
22年目の告白.jpg
藤原竜也さん、伊藤英明さん、仲村トオルさんの共演も話題の、
サスペンススリラーが今封切り公開中です。

この映画は韓国映画の「殺人の告白」(2012年)が元ネタで、
時効となった連続殺人事件の殺人犯を名乗る男が、
その事件の真相を綴った本を出版し、
ベストセラーになる、
という趣向やその真相については元ネタそのままで、
連続殺人事件の真相などについては、
かなり変更が加えられています。

そのため作品の印象はオリジナルとはかなり異なっていて、
リライトとしては成功と言って良いのですが、
一番興味を引く部分のプロットについては、
元ネタそのままなので、
独立したオリジナルとは言えません。

しかし、今回の映画については、
原作が韓国映画であることは、
あまり積極的には告知されておらず、
映画本編ではラストクレジットに、
その部分だけ「英語」で表記がされています。
宣伝資料やポスターなどでも、
矢張り非常に小さな文字でしかも英語の表記があるだけです。
ノベライズの単行本も出版されているのですが、
単独の筆者名になっていて、
これもものすごく小さな文字で、
それも英語で同じ表記があるだけです。

原作者からの指示もあったのではないか、
というようにも思いますし、
英語でクレジットを入れる、
という契約があるのかな、
かなり原作を改変しているので、
そのままは出さないで欲しい、
ということなのかな、
などと色々な可能性は推察出来るのですが、
何も知らない一観客としては、
ちょっと騙されたような誤魔化されたような、
嫌な気分にはなってしまいました。

映像でのオリジナルのミステリー脚本で優れたものというのは、
非常に値打ちのある、
滅多に存在しないものであるからです。

それはともかく、
作品としてはミステリー映画として、
かなり頑張った部類だと思います。

現実にもありそうな殺人犯によるベストセラーの出版と、
それに伴うあれこれの趣向が面白いですし、
その後の展開も観客の予測の、
少し先を行くようなスピード感が、
なかなか素晴らしいと思います。
最後の真相はまあ読めてしまうのですが、
それでも段取りはキチンと出来ていて、
クライマックスまで過不足なくまとまっている点は、
日本映画には珍しい水準だと思います。

ハリウッド映画の呼吸をかなり参考にしていて、
最初に過去のニュース映像などを交えて、
それまでの経緯や主な登場人物などを、
バババッと短時間で説明するのも良いですし、
人物造形を医者なら病院、やくざなら事務所、
というように、
絵で説明するのも的確です。
シネスコで現在を表現し、
デジタル化以前の映像はスタンダードサイズ、
それ以降の過去の画像はビスタサイズと分け、
それを転換することで、
いつのことであるのかを明確にする工夫や、
緊迫した場面では画格を細かく変化させて、
緊張感を出す工夫も成功していたと思います。
昔スピルバーグが得意とした、
ダブルクライマックス
(クライマックスの後に、
終わったと見せて次のクライマックスを連ねる)
の趣向も成功していたと思いました。

キャストは藤原竜也さん、伊藤英明さん、仲村トオルさんという、
非常に濃いメンバーの熱演が楽しく、
正直年齢的には藤原竜也さんは、
見た目が若すぎて違和感があるのですが、
ストーリーの意外性の多くの部分は、
このキャスティングにあると言って過言ではないので、
その点では成功していたと思います。

オリジナルの意外性を狙ったサスペンス映画というのは、
良いものは非常に少ないので、
今回の作品は元ネタはあるのですが、
細部まで脚本は練れていて、
キャストも踏ん張り、
演出もまずまずで、
娯楽作品としては推奨出来る仕上がりとなっていたと思います。

こうした作品がお好きな方には、
一見の価値は充分にあると思います。

今日はもう2本演劇の記事があります。

川瀬直美「光」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で、
午前中は石田医師が外来を担当し、
午後は石原が担当する予定です。

今日は土曜日なので趣味の話題です。

今日はこちら。
光.jpg
河瀬直美監督の新作が、
今ロードショー公開されています。

永瀬正敏さんが視力低下に苦しむカメラマンを演じ、
水崎綾女さんが、
映画の音声ガイドの制作を携わる女性を演じて、
感覚や思い出、家族を喪失した者同士が、
その欠落を補うように、
惹かれ合う様を描きます。

非常に個性的で河瀬さんしか描きようのない世界で、
安易な感情移入は受け入れてくれませんし、
ただただ見続けるしかない、
という感じの映画です。

主人公の水崎さんの母親は認知症で、
幼い頃に失った父親の記憶が、
強い喪失感となって心に傷を残しています。
そんな彼女が視覚障碍者のための音声ガイドの、
台本を作る仕事をしているのですが、
対象となっている映画は、
藤竜也演じる老人が、
自分の認知症の妻の介護に絶望して…
というような内容です。
主人公はその仕事を続ける中で、
病気で視力を失いつつあるカメラマンの永瀬さんと出会い、
そこに喪失した父親の面影を見て、
次第に惹かれ合うようになります。
そして、完成した音声ガイド付きの映画が、
試写上映される場面で映画は終わります。

基本的にはハッピーエンドのラブストーリーなのですが、
カメラマンの永瀬さんが、
非常に屈折して攻撃的でひねくれた性格なので、
とても感情移入するような気分にはなれません。
ただ、これはかなり意図的なもので、
その証拠には音楽の入れ方なども、
観客の没入を拒否するように作られています。
「簡単に分かったような気になるなよ」
ということかも知れません。

全編露出オーバーの映像で、
逆光も矢鱈と多く、
しかも主人公達のどアップばかりが連続する、
という特殊な絵作りです。
それが全て成功しているとも言えないのですが、
夕暮れを見るために出かけた主人公2人のシルエットが、
逆光で滲むように赤く染まるところなどは、
なかなか幻想的で凄いと思いますし、
永瀬さんの視力がなくなるという恐怖も、
リアルに表現をされていたと思います。

面白いかと言われると、
そうも言えないのですが、
目を離せない他にはあまりない映像体験であることは確かで、
川瀬直美節は健在だ、
という気がしました。

好きな方にはお勧めしたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

SGLT2阻害剤による糖尿病性ケトアシドーシス発症リスク [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
SGLT2阻害剤によるケトアシドーシス.jpg
今月のthe New England Journal of Medicine誌のレターですが、
糖尿病の新薬の有害事象についての報告です。

2型糖尿病の治療において、
最近注目を集めている新薬が、
SGLT2阻害剤です。

この薬は腎臓の近位尿細管において、
ブドウ糖の再吸収を阻害する薬で、
要するにブドウ糖の尿からの排泄を増加させる薬です。

この薬を使用すると、
通常より大量の尿が出て、
それと共にブドウ糖が体外に排泄されます。

これまでの糖尿病の治療薬は、
その多くがインスリンの分泌を刺激したり、
ブドウ糖の吸収を抑えるような薬でしたから、
それとは全く別個のメカニズムを持っているのです。

確かに余分な糖が尿から排泄されれば、
血糖値は下がると思いますが、
それは2型糖尿病の原因とは別物で、
脱水や尿路感染の原因にもなりますから、
あまり本質的な治療ではないように、
直観的には思います。

しかし、最近この薬の使用により、
心血管疾患の発症リスクや総死亡のリスクが有意に低下した、
というデータが発表されて注目を集めました。

こうした効果が認められている糖尿病の治療薬は、
実際には殆ど存在していなかったからです。
2015年のNew England…誌に掲載されたその論文によると、
SGLT2阻害剤の3年間の使用により、
総死亡のリスクが32%、
心血管疾患による死亡のリスクが38%、
それぞれ有意に低下しています。
実際に使用されているのは、
SGLT2阻害剤の1つである、
エンパグリフロジン(商品名ジャディアンス)です。

SGLT2阻害薬のもう1つの特徴は、
血圧の低下作用のあることです。

この薬は一種の利尿剤のようなものですから、
血圧が降下することはある意味当然ですが、
2型糖尿病の患者さんの多くでは、
高血圧を合併していますから、
血糖と共に血圧を降下させる作用のあるSGLT2阻害剤は、
一石二鳥という面があります。

ただ、その一方でSGLT2阻害剤はグルカゴンを上昇させ、
LDLコレステロールを増加させる可能性があり、
骨折リスクを増加させる可能性や、
泌尿器系や婦人科系の感染症を増加させるなど、
その安全性に危惧がないという訳ではありません。

また、最近SGLT2阻害剤の有害事象として、
注目されているのが糖尿病性ケトアシドーシスのリスク増加です。

糖尿病性ケトアシドーシスというのは、
コントロールの悪い糖尿病や、
インスリンが高度に不足した状態において、
インスリン不足でブドウ糖が細胞で利用出来ないために、
脂肪酸から肝臓で大量のケトン体が動員され、
ケトン体の血液中の増加によって、
血液が高度に酸性となって、
意識障害などが起こって、
放置すれば死に至る、という現象です。

このケトアシドーシスが、
そのメカニズムは不明ですがSGLT2阻害剤で多い、
という報告があり、
2015年にアメリカのFDAは警告を出しています。

ただ、実際にどの程度SGLT2阻害剤によるケトアシドーシスは多いのか、
といった具体的な点はまだ明らかではありません。

そこで今回の検討では、
アメリカで2013年から2014年において、
18歳以上の糖尿病の患者さんで、
新規にSGLT2阻害剤を開始された事例を、
同じく新規にDPP4阻害剤が開始された事例と比較して、
その使用後180日以内の糖尿病性ケトアシドーシスの発症頻度を、
検証しています。

それぞれの薬剤の使用者を、
38045人ずつ他の条件をマッチングさせた上で比較すると、
DPP4阻害剤の新規使用者と比較して、
SGLT2阻害剤の新規使用者は、
180日以内の糖尿病性ケトアシドーシスのリスクは、
2.2倍(95%CI;1.4から3.6)有意に増加していました。

その頻度は患者さん1000人当たり年間で、
DPP4阻害剤使用者が2.2件であったのに対して、
SGLT2阻害剤使用者では4.9件となっていました。
これをインスリン未使用の患者さんのみで解析すると、
DPP4阻害剤使用者が1.0件に対して、
SGLT2阻害剤使用者が2.5件で、
頻度自体は少ないものの、
そのリスクは2.5倍(95%CI;1.1から5.5)とより高くなっていました。

ただ、ケトアシドーシスの事例の多くは軽症で、
入院が必要となる事例は極少数でした、

今回の検証では矢張り糖尿病性ケトアシドーシスのリスクは、
DPP4阻害剤よりSGLT2阻害剤で高いという結果になっていて、
その頻度は決して高くはないものの、
服用の際には注意が必要であることは間違いがないと思います。

おそらく糖尿病治療は相次ぐ新薬の発売により、
以前であればインスリンを導入されているようなケースでも、
内服で様子をみるようなことが多くなっていると思います。
インスリン使用者においても、
こうした薬を使用することにより、
インスリンの減量を図るような試みが、
多くなっているように思います。

ただ、特にSGLT2阻害剤は、
メカニズム上インスリン分泌を促進するような作用はないので、
インスリンの欠乏が高度な事例や、
体質的にケトアシドーシスを起こしやすい事例
(以前ご紹介したように、
遺伝的な素因が関与しているという報告があります)
では、ケトアシドーシスのリスクが、
一定レベル上昇することを念頭において、
慎重な対応が必要となるように思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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よろしくお願いします。

誰も教えてくれなかった くすりの始め方・やめ方: ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ

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インクレチン関連薬の使用と生命予後について(2017年のメタ解析) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
インクレチン関連薬と死亡リスク.jpg
今年のBritish Medical Journal誌に掲載された、
今広く使用されている糖尿病の治療薬の、
寿命に与える影響を解析した論文です。

インクレチン関連薬は、
従来のSU剤などとは別個のメカニズムで、
インスリン分泌を刺激する薬で、
一種の消化管ホルモンを薬にしたものです。

インスリン分泌を促進すると共に、
インスリン抵抗性を改善する作用を併せ持ち、
SU剤で問題となる低血糖を、
起こしにくい点がその特徴です。

インクレチンそのものであるGLP-1アナログの注射薬と、
インクレチンの分解酵素の阻害剤であるDPP-4阻害剤の、
2種類のタイプの薬剤が使用されています。

マイルドな作用のDPP-4阻害剤は飲み薬で、
シタグリプチン(商品名ジャヌビア、グラクティブ)、
ビルダグリプチン(商品名エクア)、
アログリプチン(商品名ネシーナ)、
リナグリプチン(商品名トラゼンタ)、
テネリグリプチン(商品名テネリア)、
アナグリプチン(商品名スイニー)、
サキサグリプチン(商品名オングリザ)などがあり、
より強力なGLP-1アナログには、
リラグルチド(商品名ビクトーザ)、
エキセナチド(商品名バイエッタ)、
デュラグルチド(商品名トリルシティ)、
などがあります。

これまでの血糖降下剤の主な副作用は、
低血糖と体重増加ですが、
インクレチン関連薬は他のインスリン分泌促進剤と比較して、
低血糖を起こしにくく、
体重も増加しにくい
(GLP-1アナログは減少させる)、
という利点を持っています。

ただ、SAVOR-TIMI53と呼ばれる、
DPP-4阻害剤の大規模臨床試験では、
サキサグリプチンの使用群で、
心不全による入院のリスクが有意に高く、
総死亡のリスクも有意ではないものの高い傾向を示しました。

その後のインクレチン関連の臨床試験やメタ解析では、
インクレチン関連薬による死亡リスクの増加や、
心血管疾患のリスク増加はほぼ否定をされていて、
心血管疾患のリスクを低下させた、
という報告もあるのですが、
まだこの問題は完全には終息していません。

今回の検証は2016年の最新のデータまでを取り込んで、
これまでのインクレチン関連薬を使用した、
189の精度の高い臨床試験に参加した、
トータル155145名のデータをまとめて解析しています。

その結果、
インクレチン関連薬の使用により、
総死亡のリスクの有意な増加は認められませんでした。
GLP-1アナログに関しては、
死亡リスクの低下が示唆されましたが、
明確なものまでは言えませんでした。

つまり、
インクレチン関連薬の全てにおいて、
生命予後に悪影響が生じるという根拠はなく、
GLP-1アナログ単独では、
そのリスクの低下に結び付く可能性もある、
という結果になっています。

この問題はほぼこの方向でまとまりそうですが、
DPP-4阻害剤とGLP-1アナログを、
同列の薬として考えるべきか、
それとも別個の薬剤として考えるべきかについては、
今後に課題を残しているように思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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