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古知谷阿弥陀寺感得阿弥陀如来立像 [仏像]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は連休狭間の土曜日ですが、
午前午後ともいつも通りの診療になります。

今日は土曜日なので趣味の話題です。
今日はこちら。
阿弥陀寺 阿弥陀如来立像.jpg
古知谷阿弥陀寺というのは、
大原の三千院から更に少し北にある山寺です。

駐車場と山門が山の麓にあり、
そこから600メートルほど山道を登ります。
道はかなり整備されているので快適です。

こちらをご覧ください。
阿弥陀寺全景.jpg
山道を登り、お寺のお堂を見上げるくらいの位置です。
樹齢800年以上という、
大きなケヤキが見事です。

この古知谷阿弥陀寺は、
1609年に彈誓上人(たんぜいしょうにん)様という方が、
独自の宗派として開かれたお寺だということで、
要するに江戸初期の新興宗教の教祖様のお寺、
ということのようです。

上人様は独自の悟りを体得され、
後に阿弥陀様の化身となられたということのようです。
何かきっかけがあったのだと思いますが、
皇室との関わりが深くその信仰を集め、
また周辺の金鉱の情報を江戸幕府に伝えるという、
隠密のような仕事もされていて、
江戸城への登城も許されていたそうです。
その証である鉄の履が宝物として残っています。

何かただならない感じのする方ですよね。
歴史小説の素材にはもってこいの感じです。

このお寺のご本尊は上人が自らを刻んだ、
70センチほどの開山彈誓佛立像で、
これは上人様がご自分で彫った上に、
自分の髪の毛を植えこんだという珍しいもので、
その髪の毛もまだわずかに残っています。

そして、最後に上人様は即身成仏され、
ミイラとなってお寺の奥にある石室の中の、
石棺の中に安置されているということになっています。

その石室を実際に見ることが出来ますが、
上人様のミイラは、
明治年間に一度その存在が確認されているだけで、
その後は石棺が開けられたことなく、
誰もそのお姿は見ていない、ということです。

なかなか凄みのある話です。

さて、今回の特別公開では、
石室やご本尊と共に、
開山当時に謎の老爺(実は阿弥陀様)から、
上人様が頂いたという逸話のある、
開山当時のご本尊である、
感得阿弥陀如来立像が初公開されています。

それが上の看板にあるお写真です。

桜の霊木から彫り上げられたもので、
いわゆる壇像です。

それほど出来の良い仏像ではないのですが、
粗削りで霊的な魅力があります。
そのお顔には貞観彫刻を思わせる雰囲気があり、
平安期のものという説もあるのですが、
もっと新しいような感じもあり、
はっきりとはしていません。

当日は連休中ということもあって、
ひなびた山寺は観光客でごった返していました。

柄の悪いマニアのような方もいて、
正直嫌な気分での拝観となりましたが、
非常に不思議で奇妙な寺院であり寺宝の数々で、
貴重な体験ではあったと思います。

初公開という言葉に騙されて、
思わず僕も山の中まで足を運んでしまいました。

それでは今日はこのくらいで。

今日は皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。