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サディスティックサーカス2017SPRING [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

もう夜ですが今日2本目の記事は、
演劇的なものの話題です。

それがこちら。
サディスティックサーカス2017春.jpg
テレビなどでは上演不能な、
変態的な芸や危険な芸、アングラ的なパフォーマンスを、
オールナイトで猥雑かつ淫靡に上演するイベント、
サディスティックサーカスにまた足を運びました。

最近は秋に豊洲のディファ有明という大きな会場で、
行なわれているイベントなのですが、
今回は以前行われていた新宿歌舞伎町の、
小さなプロレスのイベントなどが行われている、
FACEという比較的小さな会場に場所を移して
少しこじんまりと行われました。

中央にリングを置いてのプロレス興行風の舞台で、
正面が南側なので、
他の3面の観客席は見えない部分が多く、
その点はかなり不満です。
次は正面の席が取れなければ、
行くのをやめようかな、と思いました。

内容はトータルには昨年より良かったと思います。

アメリカから来たスクイドリング・ブラザーズという、
サイドショーのグループは、
皮膚に沢山針を刺して見せるのは、
ペインソリューションというノルウェーのグループのパクリで、
その意味ではやや二番煎じ的なグループなのですが、
二度目に見た今回は、
自分達がメインと心得たステージで、
120%くらいの踏ん張りだったと思います。
ともかく矢鱈と皮膚に針は刺しますし、
剣呑みでは、40センチくらいの剣を、
グイグイ口から押し込みます。

それ以外にAYUMIさんというフラフープのアーティストが、
浮遊感のある演技で素晴らしく、
それでいて最後はほぼ全裸になり、
搾乳しながら踊るという奇怪な様相を呈します。

新宿2丁目のおベガスという猥雑なショーも、
昭和の香りを濃厚に漂わせながらの魅力的なもので、
完成度は抜群です。
Abe“M”ARIAさんという、
ほぼかつての天井桟敷と同じような、
痙攣風のダンスをする方も、
見るのは2回目ですが、
動きにはキレがあって、
楽しく鑑賞しました。
ただ、途中で3点倒立をしたりして、
その時だけ動きのスタイルが変わるので、
そうした点はちょっと不満です。

僕の一番の期待は、
大好きなゴキブリコンビナートでしたが、
とても楽しかったものの、
BBG48とツタンカーメンの対決という趣向で、
時間も他の演目と比べると短く、
やや物足りない印象はありました。
マイクパフォーマンスなのですが、
前半で大暴れをしてマイクを投げ出したりしてしまうので、
マイクが傷んでしまって、
後半は大分グズグズになってしまったのです。
衣装やマイクがめちゃくちゃになる乱闘は、
ラストのみにした方が良かったのではないでしょうか?
同日の上野のイベントが、
仕事中で行けなかったのが残念に思いました。

トータルに今回は、
舞台はスムースに進んで密度が保たれていたのが良かったと思います。

いつもはもっと段取りがグズグズで、
何をやっているのか分からないような舞台が多かったのですが、
今回はそうしたものは少なく、
多くの演目がすっきりと仕上がっていました。

今年は是非ゴキブリコンビナートの本公演を期待したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

ナタリー・デセイ&フィリップ・カサール デュオ・リサイタル(2017年オペラシティ) [コロラトゥーラ]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
デセイ2.jpg
僕の絶対の藝術神のデセイ様が、
先週に引き続いて2回目の東京でのリサイタルを、
オペラシティ・コンサートホールで開催しました。

プログラムは都民劇場の東京文化会館と同一で、
今回はアンコールが4曲に増え、
最後にドリーヴの「ラクメ」のラストにある小アリア、
「美しい夢をくださったあなた」を歌いました。

この曲は最初にデセイ様が来日した、
2004年のリサイタルでも2日目の最終日の最後に歌われ、
ほぼ毎回アンコールのラスト、
それも最終日に1回にみ歌われることが通例です。
2014年のリサイタルの時のみ、
都民劇場版ではプログラムに入っていたと思います。

死の間際の主人公ラクメが、
「あなたは全てを私にくれた」という趣旨のことを歌うもので、
これで終わり、という、
デセイ様の観客への感謝を込めた、
ある種の白鳥の歌的なものなのだと思います。

もっと以前には、
やや他愛なく感じられた小品ですが、
年を経るに連れそこに万感の思いが籠り、
今回は絶品だったと思います。

トータルな出来はただ、
残念ながら初日の都民劇場の時の方が良くて、
比較的高音は出ていて、
アンコールの「カディスの娘たち」では、
初日より高音をしっかり出していたのですが、
声は初日より荒れていて、
細かいアジリタの廻しも、
リスクが高いという判断なのか、
端折り気味に歌っていました。

中ではドビュッシーの「未練」が素晴らしく、
これは今の時点でのデセイ様の代表曲と言っても良いと思います。
繊細で華麗で、その情感と表現力、
声に込められたニュアンスの広がりが圧巻でした。
一方でグノーの「宝石の歌」は、
初日よりかなり落ちました。

当日はデセイ様の誕生日で、
観客がハッピーバースデーを歌うというサプライズもあり、
会場はなかなか盛り上がって良い雰囲気でした。
フライングの拍手もありませんでした。
みんなやる時はやるじゃん。

衣装は前半は黒のドレスで一緒でしたが、
後半は都民劇場では満開の桜を思わせるような花模様のドレスで、
今回はピンクの単色のカクテルドレスでした。
これも都民劇場の方が綺麗でしたね。

いずれにしてもまずまずの2公演で幸せでした。
次はあるのでしょうか?
それだけを期待しつつ、
つらい日々の日常をまた送ろうと思います。

それでは今日はとりあえずこのくらいで。

時間があれば後で別の記事も書く予定です。

石原がお送りしました。