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「ゴースト・イン・ザ・シェル」(2017年実写版) [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ゴーストインザシェル.jpg
その後に多大な影響を与えた押井守監督の
「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」をベースに、
そこに原作のコミックと、
その後に制作されたアニメシリーズのエッセンスなども入れ込んで、
アメリカ映画として制作された実写版が、
今封切り公開されています。

主役のサイボーグの「少佐」はスカーレット・ヨハンソンで、
その上司をビート・たけしが、
人間時代の母親を桃井かおりが、
彼女をサイボーグ化した科学者をジュリエット・ピノシェが演じる、
というなかなか豪華で興味深いキャストで、
小出しにされる紹介映像などもなかなか凄そうなので、
期待された方も多いのではないかと思います。

僕もそんな訳で期待して初日に行ったのですが、
実際には典型的なエクスプロイテーション映画(見世物映画)で、
個人的には今年一番ガッカリの鑑賞になりました。

ただ、褒めている方や、
なかなか頑張っている、というような意見の方も多いので、
これはもう本当に個人の感想ということで、
ご容赦頂きたいと思います。

以下、悪口大会なのでご容赦下さい。

押井監督の「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」と、
その続編の「イノセンス」は好きなのですが、
映画はその哲学的で難解な感じは皆無で、
「人形遣い」も出て来ません。
ビジュアルは確かにそのままに再現されている部分はあるのですが、
1995年には斬新だったビジュアルについては、
もう他の映画でさんざんパクられているので、
目新しい感じは全くありません。

物語はほぼ「ロボ・コップ」で、
その上悪役に魅力のないロボ・コップです。
「ロボ・コップ」の映画の魅力の多くは、
その悪役の造形と大暴れにこそあったので、
それがない「ロボ・コップ」というのはもう、
見る値打ちがほぼないと言って間違いがありません。
それが今回の映画です。

最初にエクスプロイテーション映画と言ったのは、
それほどお金が掛かっている映画ではなく、
トータルにはかなりしょぼいのですが、
一点豪華主義でお金を掛けた場面のみを、
封切り前に何度も何度も見せてしまって、
「出だしでここまで凄いのなら、本編はさぞ凄いだろう」
と思わせて観客を騙そう、
という魂胆がありありとあるからです。

実際にはこの映画はオープニングのみがまあまあ凝っていて、
その後はどんどんしょぼくなり、
最後まで大して盛り上がることもなく終わってしまいます。

予算規模としては、
「ドクターストレンジ」や「キングコング髑髏島の巨神」の、
10分の1くらいかなあ、と感じるスケールです。
それを同じくらいの大作のように宣伝する手法が、
エクスプロイテーションです。

唯一この映画で素晴らしかったのは、
主役のスカーレット・ヨハンソンで、
この映画の彼女は全てが完璧に素晴らしく素敵で、
こんなしょぼい映画に出てもらったことが、
申し訳なくなるような感じです。
ビートたけしさんは日本語の台詞が棒読みの上聞き取れないという、
何か唖然とするような芝居で、
乗り気な仕事であったとは到底思えません。

いずれにしても、
典型的なB級からC級くらいの娯楽映画で、
お金があまりないのに無理をしている感じは、
アメリカ制作とは言え、日本のSF映画のようです。
あまり3D仕様にはなっていないので3Dで観る必要はなく、
スケールはしょぼいので、
アイマックスなどの大画面で観る必要もないと思います。

勿論以上は個人の感想ですので、
違う感想をお持ちの方はお許し下さい。

個人的にはとてもガッカリでした。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。