毎日の歩数とうつ病リスク(2024年メタ解析) [医療のトピック]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

JAMA Network Open誌に、
2024年12月2日付で掲載された、
毎日の歩数とうつ病のリスクとの関係についての論文です。
毎日の歩数と健康との間には関連があり、
1日5000歩から8000歩くらいの歩行習慣により、
心血管疾患の予防効果や、
総死亡リスクの低下が確認されることは、
国内外の精度の高い疫学データにより、
ほぼ実証されている事項です。
ただ、うつ病などの精神疾患においても、
運動療法に一定の有効性のあることは分かっていますが、
毎日の歩数とうつ病リスクとの関係については、
まだあまり明確なことが分かっていません。
そこで今回の研究では、
これまでの臨床研究のデータをまとめて解析する、
システマティックレビューとメタ解析の手法により、
毎日の歩数とうつ病リスクとの関係を検証しています。
複数の研究のデータを比較するため、
うつ病の症状を、
標準化平均差(SMD)という指標で数値化し、
SMDの変化が大きいほど改善度が大きいと判断しています。
効果量は-0.20が少、-0.50が中、-0.80が大、
というのが大まかな目安です。
これまでの33の観察研究に含まれる、
トータルで96173名の患者データをまとめて解析したところ、
1日5000歩未満しか歩いていない場合と比較して、
1日5000から7499歩歩いている人は-0.17(95%CI:-0.30から-0.04)、
1日7500から9999歩歩いている人は-0.27(95%CI:-0.43から-0.11)、
1日10000歩以上歩いている人は-0.26(95%CI:-0.38から-0.14)、
それぞれSMDが有意に低下していました。
つまり1日5000歩以上歩いている人は、
うつ病の症状が軽く、
その変化は1日7500歩以上でより明確化している、
という言い方が可能です。
また前向きコホート研究という、
今回抽出した研究の中では精度の高いデータでの推計では、
1日7000歩未満しか歩いていない場合と比較して、
7000歩以上歩いている人では、
うつ病のリスクが31%(95%CI:0.62 から0.77)低下していて、
1日1000歩歩数を増やすと、
うつ病のリスクは9%(95%CI:0.87から0.94)低下すると推算されました。
このように、
1日の歩数が5000から7000歩以上と、
増加するにつれてうつ病のリスク低下が認められていて、
その影響は軽微なものではありますが、
決して無視すべきものではなく、
特に軽症のうつ状態を悪化させないために、
ウォーキングを含めた運動での対応は、
重要な選択肢となるような気がします。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

JAMA Network Open誌に、
2024年12月2日付で掲載された、
毎日の歩数とうつ病のリスクとの関係についての論文です。
毎日の歩数と健康との間には関連があり、
1日5000歩から8000歩くらいの歩行習慣により、
心血管疾患の予防効果や、
総死亡リスクの低下が確認されることは、
国内外の精度の高い疫学データにより、
ほぼ実証されている事項です。
ただ、うつ病などの精神疾患においても、
運動療法に一定の有効性のあることは分かっていますが、
毎日の歩数とうつ病リスクとの関係については、
まだあまり明確なことが分かっていません。
そこで今回の研究では、
これまでの臨床研究のデータをまとめて解析する、
システマティックレビューとメタ解析の手法により、
毎日の歩数とうつ病リスクとの関係を検証しています。
複数の研究のデータを比較するため、
うつ病の症状を、
標準化平均差(SMD)という指標で数値化し、
SMDの変化が大きいほど改善度が大きいと判断しています。
効果量は-0.20が少、-0.50が中、-0.80が大、
というのが大まかな目安です。
これまでの33の観察研究に含まれる、
トータルで96173名の患者データをまとめて解析したところ、
1日5000歩未満しか歩いていない場合と比較して、
1日5000から7499歩歩いている人は-0.17(95%CI:-0.30から-0.04)、
1日7500から9999歩歩いている人は-0.27(95%CI:-0.43から-0.11)、
1日10000歩以上歩いている人は-0.26(95%CI:-0.38から-0.14)、
それぞれSMDが有意に低下していました。
つまり1日5000歩以上歩いている人は、
うつ病の症状が軽く、
その変化は1日7500歩以上でより明確化している、
という言い方が可能です。
また前向きコホート研究という、
今回抽出した研究の中では精度の高いデータでの推計では、
1日7000歩未満しか歩いていない場合と比較して、
7000歩以上歩いている人では、
うつ病のリスクが31%(95%CI:0.62 から0.77)低下していて、
1日1000歩歩数を増やすと、
うつ病のリスクは9%(95%CI:0.87から0.94)低下すると推算されました。
このように、
1日の歩数が5000から7000歩以上と、
増加するにつれてうつ病のリスク低下が認められていて、
その影響は軽微なものではありますが、
決して無視すべきものではなく、
特に軽症のうつ状態を悪化させないために、
ウォーキングを含めた運動での対応は、
重要な選択肢となるような気がします。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
2025-01-28 07:27
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