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ナッツの摂取と認知症リスク(2024年UKバイオバンク解析データ) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
ナッツの摂取と認知症リスク.jpg
GeroScience誌に2024年9月30日付で掲載された、
ナッツの摂取量と認知症リスクとの関係についての論文です。

認知症の予防効果のある食事として、
複数のデータのある地中海ダイエットは、
ギリシャなど地中海周辺地域の伝統的な食事で、
その特徴の1つはナッツの摂取です。

ただ、ナッツを強化した食事の認知症予防効果については、
効果のあったとするデータもある一方で、
明確な有効性は見られなかったとするデータもあって、
その評価は一致していません。

そこで今回の研究では、
遺伝情報を含む大規模な健康関連のデータを蓄積している、
イギリスのUKバイオバンクの住民データを活用して、
この問題の検証を行っています。

対象となっているのは、
登録の時点で認知症のない、
平均年齢56.5歳のトータル50386名の男女です。

観察期間において、
そのうちの2.8%に当たる1422例で認知症が診断されています。

ナッツを殆ど食べない場合と比較して、
毎日ナッツを食べる習慣のある人では、
平均で7.1年の観察期間におけるトータルな認知症のリスクが、
他のリスク因子を調整した結果として、
12%(95%CI:0.77から0.99)有意に低下していました。
このリスク低下は、
1日30グラムまでの塩分を含まないナッツで、
最も高い傾向が認められました。

このように、
今回の大規模な疫学データにおいては、
毎日少量の塩分を含まないナッツを食べる習慣が、
認知症リスク低下に、
一定の有効性が確認されました。

勿論ナッツだけで認知症が防げる、
ということはありませんが、
凡百のサプリメントを購入するより、
毎日少量の無塩ナッツを食べる習慣は、
多くの病気の予防効果が確認されていると言って、
間違いはないと思います。

ただ、くれぐれも食べ過ぎにはお気をつけ下さい。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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