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深夜の部屋の明るさと2型糖尿病リスク [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
夜の明るさと糖尿病リスク.jpg
the Lancet Regional Health-Europe誌に、
2024年6月5日付で掲載された、
深夜の部屋の明るさと糖尿病リスクとの関連についての論文です。

昼に起きて夜に寝るという日内リズムが崩れると、
身体の代謝状態が乱れて、
それが2型糖尿病のリスクになると想定されています。
夜中にずっと起きていることは勿論ですが、
たとえば夜に照明を点けたままで寝ていたり、
テレビなどを点けたままで寝ていると、
それだけでもホルモンなどの日内変動に、
影響を与えると考えられています。

たとえば寝ている間部屋の明かりを点けておくと、
翌日のインスリン抵抗性が悪化した、
という研究結果などが報告されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35286195/

ただ、実際に夜中の時間帯の光の曝露量自体が、
どの程度その後の2型糖尿病のリスクに繋がるのか、
というような点については、
実証的なデータは不足しています。

そこで今回の研究では、
イギリスの大規模な医療データである、
UKバイオバンクの住民データを活用して、
84790名の一般住民に1週間ウェアラブルの端末を装着して、
その個人の光の曝露量を計測。
その後7.9±1.2年の経過観察期間における、
2型糖尿病の発症との関連を検証しています。

その結果、
午前0時30分から午前6時という、
深夜から早朝の時間帯に、
暗い部屋で寝ていた場合と比較して、
48ルクス(街灯くらい)を超えるくらいの光曝露があると、
その後の2型糖尿病のリスクが、
53%(95%CI:1.32から1.77)有意に増加していました。

つまり、深夜に少し明るい中で寝ているだけでも、
それが続けば糖尿病のリスクになるという結果です。

夜は暗い部屋で寝ることが、
糖尿病の予防においても、
重要な生活習慣の1つであるようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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