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コーヒーとお茶の脳卒中への影響(2024 年発表の疫学データ) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
産業医面談などで都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
コーヒーとお茶の脳卒中への影響.jpg
International Journal of Stroke誌に、
2024年6月18日付で掲載された、
コーヒーとお茶の脳卒中への影響についての論文です。

コーヒーの健康効果については多くの報告があり、
生命予後の改善作用や、
糖尿病、肝臓病、心臓病などの予防効果については、
その有効性はほぼ確立されていると言って良いと思います。

ただ、脳卒中に対するコーヒーの有効性については、
一定の有効性が確認されたというデータはあるものの、
無効であったというデータもあって、
必ずしも一致した結論に至っていません。

むしろお茶については紅茶でも緑茶でも、
脳卒中の予防効果が見られたという報告があります。
その辺りについては以前のブログ記事にまとめたありますので、
こちらをご覧ください。
https://rokushin.blog.ss-blog.jp/2018-04-18-1

今回の研究は脳卒中のリスクを解析した、
INTERSTROKE研究という、
世界32か国142施設で行われた国際的な疫学研究のデータを、
二次的に解析したもので、
トータル13462名の初発脳卒中患者を、
年齢などをマッチングした、
13488名と比較して、
コーヒーやお茶(紅茶、緑茶など全て含む)の習慣的摂取と、
脳卒中の発症リスクとの関連を検証しています。

その結果、
コーヒーについては、
1日4杯までの摂取習慣では、
脳卒中リスクとの間に有意な関連はありませんでしたが、
1日5杯以上飲む人は、
飲まない人と比較して、
脳梗塞や脳出血など全てを含む脳卒中のリスクを、
37%(95%CI:1.06から1.77)有意に増加させていました。
脳卒中の内訳では、
虚血性梗塞のリスクが、
32%(95%CI:1.00から1.74)と増加していましたが、
脳内出血のリスクの有意な増加は認められませんでした。

一方でお茶については、
1日1から2杯で18%(95%CI:0.73から0.92)、
3から4杯で20%(95%CI:0.70から0.91)、
5杯以上で19%(95%CI:0.69から0.94)と、
いずれの量でもトータルな脳卒中のリスクを低下させていました。
このリスク低下は緑茶でより強く認められ、
紅茶単独ではそれほど明確ではありませんでした。

このように今回の検証では、
コーヒーは1日5杯を超えると、
脳卒中のリスク増加に結び付いていて、
お茶、特に緑茶については、
その量に関わらず一定のリスク低下が認められました。

これは過去のデータともほぼ一致しているもので、
現状で脳卒中予防の飲み物としては、
緑茶が最も優れていて、
コーヒーは1日3から4杯に留めておくのが、
安全な選択であるように思われます。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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