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「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
フライミートゥザムーン.jpg
アポロ計画を巡る悲喜劇を、
人気者同士の恋愛ドラマに絡めて描いた、
娯楽映画を観て来ました。

個人的にはなかなか良かったと思います。

これはね、昔のハリウッド映画の感じなんですね。
それも1970年代くらいに、
キネマ旬報の洋画ベスト10で、
8位か9位くらいを獲得する感じの映画。
ベスト10の上位には絶対ならないのですが、
観てちょっとほっこりするような、
「映画ってこんなんでいいよね」と思えるような映画。

それをかなり忠実にやっているんですね。
主役の2人もちょっとお人形さんみたいで、
このノスタルジックな世界にフィットしていますよね。
時代の雰囲気の出し方がとてもいいですよね。
リアルではなく、その時代の虚構をやっているんですね。
うん。とても素敵です。

1970年代に「アポロは月に行かなかった」という本が、
ベストセラーになったんですね。
それから「カプリコン1」という映画が、
ちょっとしたヒットになって、
これは火星ロケットをでっちあげる話なのですが、
アポロ計画の陰謀論は当時思春期以降の人にとっては、
「ノストラダムスの大予言」と一緒に、
まあ定番のネタではあったのですね。

この映画はその空気感もテーマの1つにしているのですが、
実際にはそれが本筋ということではなくて、
アポロは勿論月に行くのですが、
それをバックアップするフェイク映画の話があって、
それがラブロマンスの彩になっている、
という感じの趣向です。

「夢を見ずして何が人生だ!」というのが、
こうした映画の一貫したテーマで、
でもそれが「アポロ計画」ということになると、
今の世の中の雰囲気としては、
素直にそれを夢だとは言えないですよね。
どちらかと言えば否定的に扱った方が喝采を浴びるのが現在ですが、
この映画はそんな時の流れも分かった上で、
昔風の夢を信じる昔の人達を、
「こんな考え方もあったんですよ、どうですか?」
と肯定も否定もしないで提示しているんですね。
その控え目な感じが僕にはとても好ましくて、
ネットの感想などを読むと、
真面目にそれを批判しているような感じのものも多くて、
何だかなあ、という気分になってしまいます。

これは意図的にノスタルジックな映画で、
今の人には多分批判的にしか見えないかも知れないのですが、
僕も古い人間の1人なので、
これはこれで良かったなあ、
という感じで観ていました。

今の映画はギスギスするなあ、という感じを持たれる、
昔の映画ファンの方にはお勧めの1本です。
ウェス・アンダーソンに似た感じもあるのですが、
あそこまでひねくれた感じではなくて、
もっと素朴でウェルメイドな世界です。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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