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三谷幸喜「ショウ・マスト・ゴー・オン」(2022年上演版) [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前午後とも須田医師が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ショウ・マスト・ゴー・オン.jpg
三谷幸喜さんが東京サンシャインボーイズ時代に上演し、
再演もされた劇団時代の代表作の1つ「ショウ・マスト・ゴー・オン」が、
内容はほぼそのままながら、
主人公の舞台監督を男性から女性にするなど、
かなり設定に手を入れた改訂版として、
今上演されています。

これまでに4人のキャストが一時的に欠場し、
その都度三谷さん自身がその役を演じる、
という商業演劇ではほぼあり得ないような試みが、
注目されていますが、
僕は運が良かったのか悪かったのか、
全キャストが揃った公演を鑑賞しました。

この作品はある劇団の公演が、
幾つもの危機に見舞われる中、
何とかそれを乗り越えて、
ある日の舞台を終えるまでを描いた、
三谷さんのシチュエーションコメディを、
代表する作品の1つです。
僕は1994年に紀伊国屋ホールで上演された再演版を観ていますが、
劇団がこうした中劇場に進出し始めた頃でした。
前年にシアタートップスで「ラジオの時間」を観ていて、
それが僕にとっては三谷作品の初体験だったのですが、
その印象が結構強烈だったので、
「ショウ・マスト・ゴー・オン」はあまり乗れませんでした。
実際には「ショー・マスト・ゴー・オン」の方が、
書かれたのは前なのですが、
ほぼ同一の構成のシチュエーションコメディで、
一方は演劇で他方は生のラジオドラマでしょ。
一発撮りのラジオの方が、
小劇場で上演するには密度があるんですね。
演劇のハプニングは結局キャストや小道具がメインなのですが、
ラジオの方は内容がどんどん変更されてしまって、
収集がつかなくなったところで、
それが力業で着地する、という魅力がありました。
もともと「ショウ・マスト・ゴー・オン」の改良型が、
「ラジオの時間」という側面があるので、
そうした感想になるのは仕方のないことなのかも知れません。

今回リニューアルされた「ショウ・マスト・ゴー・オン」は、
非常に豪華キャストが揃っていて、
その顔ぶれと演技を見るだけで、
まあ、元は取ったな、という気分になります。

ただ、1994年に観た時の、
「何かもたつくなあ」という感じは、
特に後半は強く感じる部分はありました。
この作品はバックステージが舞台で、
観客から見えないところで舞台が進行している訳ですが、
それを感じにくいという側面があるので、
どうしても緊張感が途切れがちになるんですね。
その欠点は今回もあまり変わりはありませんでした。

そんな訳で、三谷作品としては、
やや乗れなかった本作ですが、
それでも一級のシチュエーションコメディであることは確かで、
多彩なキャストの競演も楽しく、
まずは充実した気分で劇場を後にすることが出来ました。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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