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多量の飲酒習慣と心房細動リスク [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
アルコールと心房細動リスク.jpg
JAMA Network Open誌に2022年9月2日ウェブ掲載された、
アルコールの摂取と心房細動リスクとの関連についての論文です。

心房細動は年齢に伴って発症する不整脈の代表ですが、
頻度は少ないものの20代や30代の若者にも発症しています。
その場合長期に渡る不整脈の持続は、
心不全や脳梗塞などのリスクを高めるという点で、
無視できるものではありません。
カテーテル治療などの方法はありますが、
再発のリスクも高いことが課題として残っています。

それでは、若年性の心房細動は、
どのような理由で起こるのでしょうか?

これについてはあまり明確なことが分かっていません。

飲酒は高齢者においては、
心房細動のリスクになることが分かっていますが、
若い年齢層においても同じことが言えるかどうかは、
データが乏しいのが実際なのです。

そこで今回の研究では韓国において、
登録時点で20から39歳の一般住民1537836名を、
中間値で6.13年の経過観察を行っています。

その結果観察期間中に3066名の心房細動が新たに診断され、
1週間にアルコールを210グラム以上摂取する習慣のある人は、
アルコールを飲まない人と比較して、
心房細動の発症リスクが47%(95%CI:1.18から1.83)
4年以上の期間において有意に増加していました。
この1週間に210グラムというのは、
1日に馴らすと日本酒1合半くらいの分量ですから、
当て嵌まる方は結構多いのではないかと思います。

1日20グラムを超えるようなアルコールの摂取の習慣化は、
多くの病気のリスクを増加させることが報告されていますが、
今後は不整脈のリスクについても、
同様に考えることが必要となるのかも知れません。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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