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小児期の喫煙が脳に及ぼす影響 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は産業医面談で都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。

JAMA Network Open誌に、
2022年8月10日ウェブ掲載された、
小児期の喫煙が脳の発達に与える影響についての論文です。
小児の喫煙の影響.jpg
喫煙習慣に多くの健康上の悪影響があることは、
科学的に実証され、一般にも認知された事実です。

ただ、未だに明確ではないのは、
脳の機能が完成していない小児期に喫煙を習慣とした時の、
その後の脳機能に与える影響です。

アメリカでは小学生くらいの年齢でも、
喫煙習慣のある小児が少なからず存在しているようです。
また、仮に受動喫煙にもこうした影響があり得るとすると、
ヘビースモーカーの家に生まれたお子さんも、
そうした影響を受ける可能性があるのです。

今回の研究はアメリカの複数施設において、
小児の脳の発達を検証した疫学データを活用して、
小児の喫煙習慣と脳の機能との関連を比較検証しています。

9から10歳の11729名を対象として聞き取りを行なったところ、
そのうちの116名が喫煙習慣を持っていました。

非喫煙と比較して喫煙習慣のある子供は、
経験に基づいて形成される脳の働きである、
結晶性知能の指標が有意に低下しており。
形態的には皮質の容量も小さくなっていました。

この結果は他に認知機能に影響を与えるような因子を、
補正して検証されていますが、
小児期に喫煙習慣のある子供は、
他にも脳や発達に悪影響を与える習慣を、
持っている可能性は高いと想定されるので、
この結果を鵜呑みにすることは危険です。

ただ、これまであまり触れられることのなかった、
小児期の喫煙の影響についてのデータが、
発表された意義は大きく、
今後この分野の研究が進むことを期待したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

(付記)
添付画像が間違っていました。
指摘を受け差し替えました。
(2022年8月17日午後1時15分修正)
nice!(4)  コメント(2) 

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コメント 2

緒方剛

喫煙ではなくコロナの論文のような気がします。
by 緒方剛 (2022-08-17 11:42) 

fujiki

緒方様
すいません。うっかりしていました。
画像入れ替えました。
by fujiki (2022-08-17 13:19) 

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