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豚から人間への心臓移植事例 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
豚の心臓の人間への移植事例.jpg
the New England Journal of Medicine誌に、
2022年6月22日ウェブ掲載された、
複数の遺伝子を欠損させた豚の心臓を、
重症の心筋症の患者に移植した、
異種臓器移植の事例報告です。

これは2022年1月にニュースになって、
一般にも話題となった事例の、
正式な症例報告です。

臓器移植は通常は同種移植、
つまり人間の臓器を人間に移植する、
という形で施行されています。

しかし、同種移植が始まる前には、
他の哺乳類の臓器を移植する、
異種移植が試みられていました。
ただ、強い拒絶反応のために成功はせず、
それで同種移植に移行した経緯があります。

ただ、同種移植は脳死状態の人間の臓器が必要となるため、
その数には限りがあり、
全ての臓器移植が必要な患者さんに、
手術を行うことは困難です。

そこで再度注目されているのが異種移植で、
心臓移植に関しては、
その構造や大きさに似たところのある、
豚の心臓の移植が検討されています。

ただ、そのままでは勿論拒絶反応が起こってしまうので、
拒絶反応に関連する免疫系の遺伝子を、
発現しなくなる豚を作って、
それを移植するという方法が検討され、
今回初めてそうした作られた豚の心臓が、
人間に移植されたのです。

患者は57歳で心筋症に罹患していて、
僧帽弁の弁置換術後ですが、
駆出率が10%という重症の心不全の状態でした。
そこでCD40の関連遺伝子を含む10種類の遺伝子を除去した、
免疫不全の豚の心臓の移植手術を施行したのです。
移植後はECMO(人工肺)の離脱にも成功しました。。
ただ、移植後49日に突然移植された心臓機能が低下し、
60日に生命維持装置が外されて患者は死亡しました。
死後の解剖所見では、
心臓は浮腫状でその重量は2倍になっていました。
組織所見では心筋細胞の壊死と間質の浮腫と出血が認められましたが、
血栓の所見はありませんでした。
この組織所見は拒絶反応としては典型的ではなく、
ウイルス感染など、
拒絶反応以外の原因が想定されました。

このように、
今回の事例は2か月で死亡に至ったのですが、
拒絶反応なしで2か月安定した状態が維持されたことは、
「臨床研究」としては一歩前進の結果ではあり、
素直に喜ぶような結果ではもとよりありませんが、
良くも悪くもこうして医学の進歩というのは、
なされてゆくものであるようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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aki

ブログ主様書込みお許し下さい。
中国ロシア軍艦の日本侵犯が増す中、日本が侵攻されぬ為どうか皆様に知って頂きたい、中韓へ忠誠を表明した野党が阻止する改憲の必要性を、危機感を持ち知って頂きたく誠に恐縮ですが書込ませて頂きました。

報道するテレビが無い中、中国等の日本領海侵犯が激しさを増す現状は、かつて9条の様に非武装中立で平和的であったチベット等を現在も中国が武力で侵略虐殺を行う惨状を連想させ、

現在対馬を狙う韓国が日本の竹島を不法占拠した際、多くの船員が機関銃で襲撃され死傷し、北朝鮮には国民を拉致され、
尖閣を狙い中国が侵犯する現状でも、9条により日本は国を守る為の手出しが何一つ出来ません。

中朝ロの数千発の核ミサイル標準は常時日本に向けられており、尖閣、台湾周辺の動きも激化する中、9条を改正し自立した戦力を持たなければ、
有事に敵地攻撃力を持たぬ現状防衛力では日本人の命と領土は守れません。

中韓による侵略は、野党が法制化を目指す外国人参政権や(円安悪の民主党政権での円高誘導は日本経済を破綻危機に追い込みました)

又「朝鮮の役に立ちたい」と表明した維新による、国の権限を弱め、地方独立から国家分断を図る道州制等、多様性と言う名の文化破壊活動からも始まっており、

外国人参政権は米国始め世界的に認める国は少なく、これを与えた事でハワイは米国に、ウクライナクリミア半島もロシアに乗っ取られた過去があります。

又背乗りやスパイ等の犯罪発見の役割も果たしている戸籍廃止に繋がる夫婦別姓や、日本人のみを処罰対象とした、特定国への反論を封じるヘイトスピーチ条例等、

先進国で唯一スパイ防止法が無い日本で、
中韓に軸足を置き、友好を刷り込む野党やメディアが、制度の危険性を隠し国民を誘導する現状からも、既に浸透工作は最終段階である事、
日本でウクライナの悲劇を生まない為に投票の大切さと、一人でも多くの方に目覚めて頂きたいと切に思い貼らせて頂きます。
https://pachitou.com
長文、大変申し訳ありません。
by aki (2022-06-28 04:50) 

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