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「ベイビー・ブローカー」(是枝裕和監督) [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ベイビー・ブローカー.jpg
是枝裕和監督の新作の韓国映画で、
赤ちゃんを売買するブローカーを副業としている、
クリーニング店の男をソン・ガンホさんが演じ、
訳ありの女性や児童養護施設の子供などと、
得意の「疑似家族」となって旅をする話です。

「真実」でヨーロッパ映画、今度は韓国映画と、
海外での仕事が多い最近の是枝監督ですが、
「真実」も何かモヤモヤする感じの映画でしたが、
今回の「ベイビー・ブローカー」も、
確かに是枝監督らしい映画ではあるものの、
何かやり切れていないような、
モヤモヤする作品になっていました。

全体に山田洋二監督が昔作った家族物映画、
みたいなタッチなんですよね。
赤ちゃんが急に熱を出して、
でも身分を偽っているから病院に行けない、とか、
そっくりのパートがありましたよね。
それから観覧車の長回しとか、
勿論印象的な場面ではあって、さすがと思わなくもないのですが、
でも今更こんな手垢の付いたようなことをしなくても、
というようにはどうしても思ってしまいます。

赤ちゃん売り渡しの現場を押さえようとして、
女性2人組の刑事が追って来るんですね。
追われている女性は男を殺している訳ですし、
もっと緊迫感があっても良い筈ですが、
殆どそうしたものはないんですね。
刑事も女性に同情してしまったりもして、
大した犯罪とも思えないのに、
随分と時間を掛けておとり捜査みたいなことまでして、
どうにもリアリティを感じませんし、
コメディにしては笑えるところがありません。
後半はかなりグッタリしてしまいました。

トータルには「万引き家族」の劣化版という感じで、
新しい魅力はあまり感じませんでした。
多分監督もなかなかご苦労があったのだと推察しますが、
おそらくはやりたいことの、
半分程度しか出来ていなかったのではないかと、
そんな風にも感じました。

こういう欲求不満的な作品になるようであれば、
日本で新作を撮ってくれればいいのに、
というようには思いますが、
色々と事情はあるのだと思いますので、
どのような形であれ、
また是枝ワールドの新作を期待したいとは思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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