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断続的断食の健康効果(2021年メタ解析) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
間欠的絶食療法の有効性.jpg
JAMA Network Open誌に、
2021年12月17日ウェブ掲載された、
断続的絶食法の有効性についてのメタ解析の論文です。

ダイエット法には多くの種類がありますが、
最近国内外を問わず注目されているダイエット法の1つが、
断続的断食法(intermittent fasting)です。

これは一定のサイクルで完全な絶食、
もしくは超低カロリー食を繰り返すことです。

一定時間の絶食をすることにより、
身体は飢餓状態となり、
代謝に一種の転換が起こるのです。
それが体重を減少させるのみならず、
身体のストレス耐性を高め、
炎症を抑制し、身体の酸化を抑えるなど、
多くの健康への良い影響をもたらすというのが、
断続的断食の優れているとされる点で、
これまでに多くの臨床試験も施行され、
一定の有効性を示唆させる結果が得られています。

ただ、断続的断食と一口に言っても、
その方法は様々で、どういう方法が最も優れているのか、
という点についての明確な指針は存在していません。

そこで今回の研究では、
これまでの介入試験と呼ばれる精度の高い臨床試験の結果を、
まとめて解析することで、
この問題の検証を行なっています。

対象となっている断続的断食法は、
次の4種類です。
➀1日おきに完全な絶食を繰り返すというもの。
②週に3から5日というペースで、通常の40%以下、もしくは600キロカロリー以下の、超低カロリー食を繰り返すというもの。
③5:2ダイエットと呼ばれているもので、週のうち2日のみ、超低カロリー食に置き換えるというもの。
④1日のうち12から24時間は食事を摂らないというもの。24時間というのは、1日1食のみということですね。

これまでの130の介入試験の結果をまとめて解析したところ、
多くの断続的断食法には、
体重減少や内臓脂肪の減少、血圧の低下などの、
健康上有益な効果が確認されました。
特に信頼性の高い結果が得られたのは、
方法の②の超低カロリ-と普通食を繰り返すやり方で、
この方法を1から2ヶ月施行することで、
明確な体重減少の有効性が確認されました。

今後この方法がより統一されて検証されるようになれば、
医学的ダイエット法のスタンダードに、
なる可能性も秘めているように思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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