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オミクロン株の中和抗体活性(ブースター接種の効果) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は事務作業などの予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
オミクロン株の中和抗体活性.jpg
the New England Journal of Medicine誌に、
2021年12月30日ウエブ掲載されたレターですが、
オミクロン株の中和抗体活性を測定した内容です。

オミクロン株によると思われる、
新型コロナウイルスの感染が全国で猛威を振るっています。

そこで問題となるのは、
新型コロナウイルス感染症の中和抗体活性の主体となる、
スパイク蛋白の部位に多くの変異のあるオミクロン株が、
同じようにワクチンの有効性が担保されるのか、
ということと、
従来株の自然感染後に産生される抗体が、
同じように有効であるのか、
ということです。

今回の検証では、
新型コロナウイルス感染症に自然感染したか、
mRNAワクチン接種後の47名から得られた、
169の検体を利用して、
元の新型コロナウイルス、
スパイク蛋白に対する抗体が産生されない、
20カ所の変異を実験的に持つ抗原(PMS20)、
そしてオミクロン株の検体に反応させ、
その反応の差を比較しています。

その結果、
自然感染後1ヶ月後の中和抗体活性(NT50を指標)は、
元のウイルスと比較して、
20カ所のスパイク変異のあるPMS20株では60±47倍、
オミクロン株では58±51倍低くなっていました。

つまり、オミクロン株は、
実験的に作られたスパイク蛋白への抗体が殆ど産生されない変異と、
ほぼ同等の中和抗体活性しか持たない、
という結果です。

ここで2種類のmRNAワクチンのいずれかを接種すると、
元のウイルスの場合238倍、
PMS20株で214倍、
オミクロン株でも154倍の中和抗体活性の上昇が認められました。

これとほぼ同じ現象は、
自然感染ではなくmRNAワクチンの2回接種後にも認められていて、
ワクチン接種後の中和抗体活性も、
PMS20株やオミクロン株では非常に低いのですが、
それが3回目のブースター接種後には、
元のウイルスの場合26倍、
PMS20株で35倍、オミクロン株で38倍、
それぞれ上昇が認められました。

要するに中和抗体活性の主体はスパイク蛋白の部位にありますが、
それ以外の場所にも免疫を誘導するような作用はあり、
オミクロン株への中和抗体活性の上昇にも、
ブースター接種には一定の有効性は間違いなくあるようです。

ただ、これは敢くまで実験室レベルのもので、
その有効性については今後もより詳細な検証が必要と考えられます。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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by 洗脳からの覚醒は学問道場を見ろ! (2022-02-09 15:33) 

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