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極私的新型コロナウイルス感染症の現在(2022年1月8日) [仕事のこと]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

2021年9月下旬以降、
クリニックでのRT-PCR検査で陽性の事例は、
長くありませんでしたが、
2022年1月5日の今年の仕事始め(発熱外来は除く)に1例陽性となり、
1月6日も1例が陽性となって、
濃厚接触者などの検査依頼も急増しています。

まあ本格的な流行に入ったことは間違いがありません。

陽性者の2名は、
いずれも2回ワクチン接種は済ませていて、
2回目接種後3か月程度の時期での、
いわゆるブレイクスルー感染です。
オミクロン株の検査はしていますが、
まだ結果は届いていません。
いずれも年末年始で国内での移動と、
飲み会などでの飲食歴があり、
その経緯の中で感染したことが強く疑われます。
潜伏期は3から5日程度と思われます。
熱はあっても微熱程度。
咽頭痛、咳、鼻水が少しというくらいの症状です。

その一方で高熱で受診された方が、
2日で10人程度いて、
検査はインフルエンザ、COVID-19、
いずれも陰性でした。
インフルエンザは抗原のみですが、
COVID-19は抗原とRT-PCRを適宜組み合わせて実施しています。

つまり、重症感があったり、
以前であれば積極的に新型コロナを疑ったような事例が、
今はそうではないということになっています。

これが変異株の特徴であるのか、
ワクチン接種を2回済ませているための軽症化であるのか、
現時点では判断は難しいと思います。

1月6日の検査で陽性となった事例は、
5日に近隣の呼吸器内科を受診して、
「ただの風邪でコロナではないので検査はしません」
と言われ、メジコンのような咳止めなどが処方されていました。
勿論当院でも見落としはあると思います。
他院を貶めるつもりで書いているのではなく、
そのくらい分からないので決めつけは出来ない、
ということを記録しておきたいのです。
近隣の他の耳鼻科は、
「風邪の人は一切診ません」という方針で、
普段かかっている患者さんでも、
風邪症状が少しでもあれば受け付けず、
耳鼻科の薬を出してください、
というご要望の方も増えています。

現状は「ただの風邪」とこれまで想定されていた患者さんが、
実はコロナで、
高熱などで発症した患者さんの方が、
そうではないことが多いという、
ねじれ現象になっています。

昨年末から経口薬のラゲブリオの処方が可能となり、
クリニックでも処方の登録をしてウェブの説明会も済ませました。
東京都からウェブを活用した経過観察の登録のお願いがあり、
それにも登録を済ませました。
ただ、軽症者を内服にて迅速に処方するという方針になると、
迅速な診断が不可欠になりますが、
RT-PCR検査の結果は大手ほど初動が遅いので、
軽症の事例が多く潜伏期も以前より短いとすると、
現実的に感染拡大を抑止するような対策は、
困難というか何か抜本的に迅速化を図るような方策がないと、
不可能に近いように思われます。

いずれは「普通の風邪」になることが、
見えつつあるような気はするのですが、
現時点でそうした対応は取れないし、
取ることは適切ではないと思うので、
むしろ対応はより厄介になったようにも思います。

そんなこんなで今後はまだバタバタになることが想定されますが、
なるべくアンテナは高く保ちつつ、
日々出来ることを続けたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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