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2種類の新型コロナmRNAワクチンの抗体価比較 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
モデルナとファイザーの比較.jpg
JAMA誌に2021年8月30日ウェブ掲載されたレターですが、
ファイザー・ビオンテック社とモデルナ社によるmRNAワクチンの、
接種後抗体価を直接比較したレターです。

ファイザー・ビオンテック社とモデルナ社にょる、
2種類のmRNAワクチンの高い有効性は、
多くの臨床データにより確認されていますが、
どちらがより高い抗体価を誘導するのか、
というような点については、
あまり直接比較的なデータは発表されていませんでした。

今回のデータはドイツにおいて、
モデルナワクチンを2回接種後の688名と、
ファイザー・ビオンテック社ワクチン2回接種後の959名の、
血液中のスパイク蛋白に対する抗体価を、
GMT(幾何平均抗体価)という指標で比較しているものです。

その結果、
トータルにおいても、
年齢層を分けた解析においても、
抗体価はモデルナ社ワクチンが、
ファイザー・ビオンテック社ワクチンより有意に高くなっていました。
ワクチン接種前に抗体が陽性であった既感染者では、
いずれもワクチンでも未感染より高い抗体価が検出され、
未感染と期感染の抗体上昇の差は、
2種類のワクチンによる抗体上昇の差よりも、
有意に大きなものとなっていました。

モデルナ社ワクチンはファイザー・ビオンテック社ワクチンより、
現行の通常用量ではmRNA含有量は多く、
その接種間隔も4週間と長いことが、
この結果に繋がっているのではないか、
と上記レターの著者らは推測しています。

現行使用されている2種類のmRNAワクチンは、
ほぼ同等の性質を有していると考えて良いのですが、
モデルナワクチンの方がその免疫刺激においても、
副反応の強さにおいても、
若干強い可能性が高いと、
そうしたデータが最近は多く報告されているようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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