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ファイザー・ビオンテック社ワクチンの12から15歳への有効性 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
コロナワクチンの12から15歳での有効性.jpg
the New England Journal of Medicine誌に、
2021年5月27日ウェブ掲載された、
12歳から15歳の年齢における、
ファイザー・ビオンテック社の新型コロナワクチンの、
有効性と安全性についての臨床試験結果をまとめた論文です。

ファイザー・ビオンテック社の新型コロナワクチンは、
世界的に16歳以上の年齢に限定して接種が開始され、
アメリカにおいては2021年5月10日、
その適応が12歳以上に拡大されました。
その結果を受けて6月1日より、
日本でも接種対象が12歳以上と変更されています。

その決定の元になっているのが今回の臨床試験結果です。

アメリカにおいて、
2260名の12から15歳の年齢の対象者を、
くじ引きで2つの群に分けると、
一方は通常通り3週間間隔でワクチンを接種し、
もう一方は偽ワクチンを接種して、
主に2回目の接種後の中和抗体の上昇を、
16から25歳の年齢のこれまでのデータと比較しています。

ワクチン接種後の副反応には、
12から15歳と16から25歳との間で明確な差はなく、
中和抗体の上昇(幾何平均抗体価という指標で比較)は、
16から25歳より12から15歳の方が、
1.76倍(95%CI: 1.47から2.10)有意に増加していました。
2回接種から7日以降において、
偽ワクチン群では16名が新型コロナウイルスに感染し、
実ワクチン群では感染者はいなかったので、
ワクチンの有効性は100%と算出されましたが、
これは感染者数も少なく、期間も短いことから、
参考値以上の意味はないと思います。

このように、迅速さ重視で、
有効性などについては今後の検証も必要ですが、
今回のデータを元にアメリカでは12歳以上の接種が承認され、
日本でも迅速な変更がなされた、
というのが現在の状況なのです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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