SSブログ

新型コロナウイルス感染症の後遺症(アメリカの疫学データ) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
COVID-19の後遺症2021.jpg
British Medical Journal誌に、
2021年5 月19日ウェブ掲載された、
新型コロナウイルス感染症の後遺症についての論文です。

新型コロナウイルス感染症の罹患後に、
だるさや微熱などの症状が長期間持続することや、
肺疾患や生活習慣病などの全身疾患が、
新たに生じることも多いことは、
これまでにも多くの報告があります。

先日イギリスでの疫学データをご紹介しましたが、
そこではCOVID-19罹患後症候群という概念で、
初発から12週間以上持続する症状を定義していましたが、
今回のアメリカの論文では、
より広く発症から21日以上持続する体調不良を、
シンプルに後遺症と表現しています。

アメリカで新型コロナウイルス感染症に罹患した、
65歳以下の193113名のうち、
14%に当たる27074名に、
何等かの臨床的後遺症が認められていて、
コントロールと比較したその頻度は、
4.95%高いものとなっていました。

その中には、
慢性呼吸不全、重症不整脈、凝固血栓系の異常、
脳炎、抹消神経炎、健忘症、糖尿病、肝機能障害、
心筋炎、不安障害、全身倦怠感など、
多彩な病状が報告され、
そのリスクはコントトールと比較して、
有意に高いものとなっていました。
コントロールと比較したその個別のリスクは、
1.24倍から25.65倍とかなりの幅があります。

このように、
新型コロナウイルス感染症罹患後に、
多くの後遺症が認められることは事実で、
今後はそのフォローや対応をどう考え、
何処までを原疾患と関連するものとして考えるべきか、
議論を深める時期に来ているように思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
nice!(3)  コメント(0) 

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。