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ファイザー・ビオンテック社新型コロナワクチンの医療従事者への有効性(イスラエルでの疫学データ) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
ファイザーワクチンの医療従事者への効果.jpg
JAMA誌に2021年5月6日ウェブ掲載された、
ファイザー・ビオンテック社の新型コロナウイルスワクチンの、
イスラエルにおける医療従事者での感染予防効果を、
有症状と無症状の感染に分けて検証した論文です。

ファイザー・ビオンテック社の新型コロナウイルスワクチンの有効性は、
有症状の感染を予防する効果は95%程度と、
臨床試験などのデータから算出されていますが、
無症状の感染にどの程度の有効性があるかは、
まだ必ずしも明確ではありません。

今回の臨床データは、
このワクチンの接種が急ピッチで進行しているイスラエルのもので、
単独の医療施設の6710名の医療従事者を対象とした調査です。

平均年齢は44.3歳で66.5%が女性です。
88.7%に当たる5953名は1回以上のワクチン接種を受けていて、
82.2%に当たる5517名は2回のワクチン接種を受けています。
11.3%に当たる757名はワクチン接種を受けていませんでした。
中間値で63日の経過観察を行っています。
この医療機関ではRT-PCRによる感染のスクリーニングが、
その感染リスクに合わせて定期的に施行されていたので、
無症状の感染についてもチェックが可能であったのです。

その結果、
有症状の新型コロナウイルス感染症は、
ワクチン接種群(2回接種)の8名と、
未接種群の38名に認められ、
ワクチンは有症状の新型コロナウイルス感染症を、
97%(95%CI: 0.01から0.06)有意に低下させていました。

無症状の感染については、
ワクチン接種群(2回接種)の19名と、
未接種群の17名が、
無症状の新型コロナウイルス感染症に感染していて、
ワクチンは無症状の新型コロナウイルス感染症を、
86%(95%CI:0.07から0.31)有意に低下させていました。

このように、
現行日本でも接種が行われているファイザー・ビオンテック社のワクチンは、
有症状の感染にはやや劣るものの、
無症状感染でも高い予防効果が確認された、
というデータが出揃いつつあり、
日本でも同様のデータの蓄積に期待したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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