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モデルナ社新型コロナウイルスワクチンの遅発性皮膚反応 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
モデルナワクチンの遅発性副作用.jpg
the New England Journal of Medicine誌に、
2021年3月3日ウェブ掲載された、
モデルナ社の新型コロナウイルスワクチンの、
遅発性の皮膚症状についての解説記事です。

モデルナ社の新型コロナウイルスワクチンは、
今日本で接種が開始されてるファイザー社のワクチンと同じ、
mRNAワクチンで、
日本では武田薬品を介して2021年3月5日に申請が出され、
今審査が進められています。

このワクチンの臨床試験において、
初回接種後に接種部位が発赤したり痛みが生じる副反応は、
その84.2%に見られるほど多いものですが、
その後の追跡調査において、
接種後8日目以降に出現する、
遅発制の皮膚反応が報告されています。

こうした報告は初回接種30420回の0.8%に当たる244例に認められ、
2回目の接種の0.2%に当たる68例にも認められています。
こうして事例は遅延性のアレルギーの一種と思われ、
通常4,5日で自然に回復していますが、
中にはかなり特徴的な広がりのある反応が、
接種部位ではない場所に現れるなど、
興味深い事例が認められ、
そのうちの12例が上記文献において示されています。

こちらをご覧下さい。
モデルナワクチンの皮膚病変1.jpg
これは事例2とされたもので、
61歳の女性ですが皮膚のアレルギーの既往があり
初回接種の8日後に、
大きな発赤が現れ、14日後に消失。
2回目の接種後にはより早期に発赤が現れ、
熱や寒気を伴っています。

それではこちらをご覧下さい。
モデルナワクチンの皮膚病変2.jpg
この事例では接種部位の発赤と共に、
1回目の接種から11日後に、
接種部位ではない肘に発赤が出現しています。

このように、
通常の接種部位の早期の反応以外に、
1週間以上が経過してから、
遅発性の皮膚反応が見られる事例が、
少なからず認められていて、
通常時間は掛かっても自然に回復しているので、
ワクチン接種の継続自体には、
現状大きな問題は確認されていませんが、
今後慎重にその経過をみてゆく必要がありそうです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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